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第八話 あれから一ヶ月


おやっさんに稽古をつけてもらって一ヶ月が経ち、俺はめきめきと実力を伸ばしていた。


素振り1万回とかどこのバトル漫画だよ、と言いつつ、俺はひいひい言いながらもおやっさんの稽古に食い下がっていた。


その結果、ついに昨日おやっさんから


「免許皆伝……ってことにしといてやる。」


と、すっっごく不服そうに言われた。


認めるなら認めろよ、おっさんのツンデレは需要がないぞ?


「ひとまず、お前はそろそろ魔物を討伐してこい。」


そう、一ヶ月もの間俺が訓練をしていたのは、アイの一言がきっかけだ。


〔マスターのMPでは、カリバーンは作れませんよ?〕


訓練前でも作れないことはなかったそうだが、魔力が圧倒的に足りず、下手したら命を落としかねないと必死に止められた。


カリバーンの模倣は、始まる前に中断したのである。


だが、稽古を受けたことによるメリットもある。


単純にステータス向上、戦闘技能の習得などがあるが、一番大きいのは魔物狩りの許可が降りることだろう。


本来、魔物狩りは許可なくすることはできないのだが、剣聖としての稽古の一環として、おやっさんが掛け合ってくれるそうだ。


〔まぁ良いではありませんか。魔物の素材を使って、使用MPの削減と、属性付与を同時にできるんですから。〕


そう、本来の目的はそこにある。


現在の俺のステータスがこれだ。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


個体名:ハルト

種別:人間種/男

HP:1528/1528

MP:826/826

攻撃:524

防御:648

魔攻:423

魔防:398

俊敏:485

スキル:《模倣》

    技能《スキル模倣》

      《武具模倣》

      《経験スキル化》

        《超速宮廷料理術》

        《ストレージ》

      《スキル複製貸与》

    スキルストック:《体術》

           :《アイテムボックス》

           :

           :

           :

           :

           :

   :《天眼》

    技能《解析鑑定》

      《見切り》

      《天剣術》

称号:《凄腕シェフ》

   《限界突破》

   《天剣士》

   《ヒットアンドアウェイ》

   《剣聖見習い》


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


アイの計算によると、カリバーンの複製にはおよそ1200のMPが必要なのだそうだ。


だが一ヶ月鍛えた今でも、MPはあと400ほど足りない。


そこでアイが目をつけたのが、魔物の素材を使用した《武具模倣》だった。


魔物の素材___カリバーンの場合、ドラゴン種に近いサーペント種の素材___を使うことで、使用MPを削減。


さらに素材に宿った属性を、一定確率で引き出すシステムを、俺の稽古中に確立したのだ。


話しかけられたときに俺がおっちゃんの木剣フルスイングを喰らったのは、言うまでもない。


「でも、サーペント種の魔物なんてそうそういないけど?」


「……それなんだが、最近サーペント種の魔物が川沿いに出没するようになったそうなんだ。」


「マジ!?超ラッキーじゃん!」


サーペント種は、ドラゴンほどではないにしろ、他と比べれば出現率の低い魔物だ。


冒険者でも一度出会えるかどうかなのに、これをラッキーと言わずしてなんと言うか。


「バカ野郎、問題なのはそいつがシーサーペントだってことだよ。」


「あー……シーサーペントか。」


シーサーペント。


海に生息する蛇型の魔物で、主に他の魔物を狩って捕食する魔物だ。


そう、海なのである。


奴らのテリトリーは海なのである。


「俺と相性最悪じゃん!?もぐぞ!?」

「なにをだ!?」


たしかにラッキーではあるが、よりにもよってシーサーペントとは……


「ま、現れたのが川だから足場はある。ぬかるんでるがな。」

「川に出るシーサーペントって何だよ!?」


海に出るからシーサーペントじゃないの!?


「サーペント種なのは変わりない!足場があるならなんとかなるだろ?」

「それはあんただけだよ!?」


こうして(?)、俺はシーサーペント討伐のために川に向かったのだった。



----------



「さぁやってきました、タナトス大河川!」

〔地域的な河川のはずなんですが、随分と壮大な名前ですね。〕

「お黙りあそばせ。」


きっと命名者のネーミングセンスがぶっ壊れていただけだろう。


だが、その姿は無惨なものに変わっていた。


川の水は泥で濁り、溢れ出した水が周囲を湿地帯のように構成していた。


「もはやぬかるみの次元じゃないと思うんだが。」


〔マスター、そんなこと言ってる場合じゃないですよ?魔物が一体こちらに向かってきています!〕


アイの言葉のすぐ後、俺の立っていた地面が揺れ始めた。


「うおっ!?」


俺はとっさに跳躍し、地面と呼べるくらい硬い場所に着地した。


そして俺が着地した直後、沼は躍動し、やがて大きな蛇が起き上がった。


『シャァァァァァァッ!!!』


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


名称:シーサーペント

個体名:なし

驚異度:A

攻撃:584

防御:486

魔攻:324

魔防:494

俊敏:318

技能:ウォーターブレス

   スネークバインド

称号:《川崩し》


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


そう、俺が立っていた地面の下では、シーサーペントが眠っていたのだ。


「いや、デカすぎだろ!?」


思わず俺はそう叫んだ。



----------



アイの異世界常識コーナー


驚異度とは、冒険者ギルドの定めた魔物の強さの目安である。

G、F、E、D、C、B、A、Sの順でランクは定められており、年一回驚異度のランク審査が行われる。

また、ランクの位置付けとしては、


G…成人男性でもギリギリ対処可能

F…村の自警団でギリ討伐可能

E…領主の私兵3人とトントン

D…騎士の最低雇用ライン

C…一般騎士一人とトントン

B…騎士団一個中隊でギリ対処可能

A…一国の軍事力とトントン

S…セカイノオワリ、に近い


また、現在までに確認されたS 級魔物は、邪竜バハムート、陸皇亀ベヒモス、空鯨ケートスの3体で、いずれも討伐済みである。

A級以上の魔物に滅ぼされた国も少なくはないことから、これらの魔物は“災害級”と称されることもある。



もぐのは作者の親戚が送ってきたブドウです(笑)

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