幸せの意味を知る、王太子殿下。
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このお話の恋愛部(部員一名)、殿下に頑張ってもらいました。
君は気付いているかな?
私とエリィの婚姻式まで、あと半年を切った。式は五月だ。現在は一月。あと四か月か……。
いや、大丈夫だ。待てない事はない。
今まできちんと節度を持った交際をしてきたのだ。あと四か月くらい、耐えられる。
エリィは今日は、式やその後の行事で着る予定のドレスの確認をしている。
流石に期日が迫ってきているので、確認する事が多くて互いに大変だ。
私は今日は当日の警備体制のチェックをしてきた。現在時刻は午後五時。今日の業務は終了だ。
庭園にうっすらとだが、雪が積もっている。
流石にこの季節に庭でお茶は無理だ。
なので私の部屋にお茶の支度をしてもらい、エリィがやって来るのを待った。
……侍従長、何故扉の陰からこちらを見ているのだ? 私の自室としたのは、寒いからだし、エリィが風邪などひいたらいけないからだと説明しただろう? まさか信用していないのか?
何か一言でも言ってやろうかな……などと考えていると、エリィがやって来た。
少しだけ、表情に疲れが見える。ドレスを何着も、そして何度も着たり脱いだりで、気疲れしたかな?
「お疲れさま、エリィ」
そう声を掛けると、エリィがこちらを見て微笑んだ。
「お待たせいたしました」
軽く会釈をしながら言うエリィの顔は、先ほどまでの疲れが見当たらない。
気付いている? エリィ。
君はいつも私を見つけると、嬉しそうに、安心したように笑うんだ。
君は自分で気づいているのかな?
エリィをソファへとエスコートし、私の隣に座らせる。……これくらい、いいだろう。隣り合って座っているだけだ。それ以上、何もないのだから。
「ドレスの出来はどうだった?」
「全部、私には勿体ないくらいのお品でした。お直しも必要なかったので、後は本番まで王城で保管されるそうです」
「そう。楽しみだね」
勿体ない事なんてない。ドレスのデザインには、私からも大分注文を付けた。……エリィが「お任せします」と言って何もしないのだから、私が注文を付けてもいいだろう。
一生に一度なのだ。
エリィが一番美しく、可愛らしく、素敵に見えるようなものでなければ!
私の衣装は王族の礼装なので、特に準備などはいらない。普段の式典の時などより、多少豪華になる程度だ。そんなもの、城の針子や侍従たちでぱぱっと何とかしておいてくれたら充分だ。
ああ、それにしても楽しみだ。
婚礼の衣装を着けたエリィは、きっと可愛らしいだろう。
何故王族の婚姻というのは、あれ程の人を集めて行うのだろう。エリィの可愛い姿など、私だけが知っていればいいというのに。
ああ、でも、民も期待しているか。これほどに愛らしい女性が王太子妃となるのだから、民は皆喜んでくれるだろう。
そんな事を考えていたが、ふとエリィを見ると微笑んでいた。
何だか少しだけ目を眇め、遠くを見るように。
「エリィ? どうかした?」
気になってしまい、エリィの顔を覗き込むように見た。至近距離でも、変わらず可愛い。
以前はこうすると私を避けるようにのけ反っていたのだが、最近は慣れたのか全く動じない。可愛い。
「初めて会った時のことを、思い出していました」
やはり懐かしそうな笑顔で、静かな声でエリィが言う。
「……そうか」
そう言われると、私も思い出してしまう。
大庭園のテーブルセットに、ちょこんと座っていた小さな女の子。
あれからもう、十一年だ。
あのご令嬢は何なのだろうと、不思議に思ったものだったな。
「君には、驚かされるばかりだった」
君は苦笑いを浮かべるけれど、悪い意味ではないよ。
「『ご令嬢とはこういうもの』という、私の下らない固定観念を見事に壊してくれた」
そう。
女の子は花が好き。流行のドレスが好き。宝石などのキラキラした物が好き。そして下らないお喋りが大好き。
そんな風に思っていた私を、見事に打ちのめしてくれた。
「何だか、申し訳ありません……」
「謝らなくていい。私は、そういうエリィだから、大切にしたいと思ったんだ」
そう。何も謝る必要はない。
恐らく、私の固定観念通りの少女だったなら、私は気にも留めなかった。
ただ婚姻を結ぶ相手としての条件は最適だから、義務的には大切にするだろうけれど。
けれど君は、そうではなかった。
「君はいつも、私では想像もつかないような事を言う。考えた事もないような事をする。……それに私はいつも、目を醒まされる思いで居る」
正確に言葉を飾らず言うなら、衝撃が強すぎて『頭をぶん殴られる思い』だけれど。
それは君には言わないでおこう。
曇っていたり、視野が狭くなっていたりする私に、君はいつもとんでもない方向から攻撃をしかけてくれる。
それにいつも、何かを気付かされる。
そうしてやっと目を醒ます私に、君はそれでも笑ってくれるんだ。
「レオン様、ありがとうございます」
突然言われ、僅かに驚いてエリィを見た。
エリィはとても静かに微笑んでいた。
彼女は基本的に、大人びた少女だ。それは幼い頃からそうだった。けれど、言動の端々に、年相応の幼さはあった。
けれど、この表情は。
年齢を重ねた女性のような、とても静かな、深い愛情を含んだような、落ち着いた笑み。
その、笑顔で。
「私を、ここまで連れてきてくれて」
なんて、言うから……。
彼女の言う『ここ』が、正確にどこを指しているのかは分からない。
けれど私たちは、この十一年間ずっと、常に共に歩んできた。
君の言う『ここ』とは、今私たちが立っている場所の事で、いいのだろうか。
「昔、お約束しましたね。共に道を拓き、共に歩もう……と」
「ああ」
うん。約束したね。
ならばやはり、君の言う『ここ』は、あと百三十日で王太子妃となり、更に後には王妃となる『ここ』の事か。
幼い私の精一杯の言葉を、君は静かに受け入れて、手を取ってくれた。
あの日から。
確かに、随分と遠くまで来たような気がするね。
「今も、そう思ってくださいますか?」
そんな事を言われたら、笑ってしまう。
しかもそんな、少し不安げな瞳で。
あの日と正反対だ。きっと君にそう告げたあの日、私はそんな目をしていただろうね。
「当然だ。忘れた事などない。それに……」
エリィの小さな手をそっと取る。
あの日、私の差し出した手に重ねられた手より、幾分大きくなった。君の手より少し大きかっただけの私の手は、今では君の手を片手で包めるほどになった。
けれど今は、あの日のように。
エリィの手を、そっと両手で包むように握った。
「あの日君が差し出してくれた手だ。絶対に、放したりしない」
……絶対に、に力が入ってしまった。
いや、仕方ない。心からそう思っているのだから、仕方ない。
「私も言いましたよね。『殿下がお望みである限り』と」
そう。私が望むなら、君はここに居てくれると約束してくれた。
「ならば安心だ。これからもずっと、私の隣に居てくれ」
「はい。レオン様がお望みである限り」
「ああ。……君は、私に何を望む?」
私の望みは、この先の道を、君と共に歩む事。
けれど、君は?
今まで、尋ねた事がなかったけれど。
ほんの少しだけ怖くて、訊く事が出来なかったけれど。
私が、王族が望み、君を『王太子の婚約者』とした。
君はそれを、笑顔で受け入れてくれた。
けれど、君の本心は?
君自身の望みは?
私に叶えられる事なら、何だって叶えてあげるから。
何か考えているようなエリィをじっと見ていると、エリィが「思い付いた」というように顔を上げた。
「出来るだけ、長生きしてください」
長生き……?
それが、君の望む事?
「はい。長生きです」
笑顔で頷く。
まあ、エリィがそう言うなら、頑張ってみるけれども……。
それにしても、長生きとは?
そう疑問に思っていたが、エリィの次の言葉に目を瞠ってしまった。
「私が隣でお支えします。……ですので、一日でも長く共に居られるように、長生きしてください」
共に。一日でも長く。
ああもう、本当に、エリィは……。
「ずっとずーっと先のお話ですけれど……、レオン様が即位なさって、そして退位なさった後は、二人で旅行へ行きませんか?」
楽し気に、僅かに弾んだ声で。
そして、夢を見るような笑顔で。
「……いいね。楽しそうだ」
声が、震えてしまいそうになる。
それを誤魔化そうと、すぐ隣に居るエリィの肩に、頭をもたれかけた。
「公務ではなく、ただ行きたい場所へ行って、食べたい物を食べて、見たい物を見て……」
「うん……」
「ですので、それまで、お元気に長生きをお願いします」
「うん……」
ああ、それはきっと、楽しいだろうね。
君と一緒なら、何だって楽しいんだから。君が居てくれるなら、それだけで嬉しいんだから。
「その為には……、良い王とならねばならないね」
ずっと未来の話だ。
私が即位するのすら、まだ当分先なのに。更にその先の、退位した後の話だ。
退位後、のんびりと余生を暮らすには、治世を良いものにせねばならない。
「レオン様でしたら、大丈夫です。私も居ます。リナリア様も居ます。側近の皆様も居ます。皆で、レオン様をお支えします」
そうやって君はいつも、『私なら大丈夫だ』と言ってくれる。
君のその無上の信頼に応える為に、私はいつも必死なんだよ?
全く……。
君が本当は、この婚姻を望んでいなかったなら、どうしようかなんて。
そんな事をちらとでも考えた私が、馬鹿みたいだ。
君は私には思いもよらない、遠い遠い未来まで見ていてくれるのに。
また、頭を殴られたような思いだよ。
そんなに楽し気に弾んだ声で、夢を見ているような優しい笑みで、数十年後の未来を語るなんて。
君が、その未来を望んでいると、そう思っていいんだよね?
その時が来ても、ずっと、ここに居てくれるのだと……。
「エリィ……」
「はい?」
ああ、情けないな。
声が掠れてしまった。
どうか、気付かないでくれ。
少しくらい、私にもいい恰好をさせてくれ。
いつも君ばかり恰好良くて、狡いじゃないか。
「ありがとう」
君に言える言葉が、これしか思いつかない。
泣いてしまいそうなのを隠す為に、エリィを強く抱きしめた。
小さなエリィは、こうしてしまえば私の顔を見る事が出来ない。
「レオン様? どうなさいました?」
不思議そうに言いながら、私の背をぽんぽんとあやすように叩く。
その手のリズムが、やたらと心地よい。
「私を選んでくれて、ありがとう」
背を叩いていたエリィの手が、止まった。
選んでくれて、ありがとう。
あの日、手を取ってくれて、ありがとう。
共にここまで来てくれて、そして、これからも共に歩むと約束してくれて、ありがとう。
「生まれてきてくれて、ありがとう」
この世界に、私の隣に、君が居てくれて嬉しい。
たまたま選んだ相手が君だった事が、何より嬉しい。
君が私との未来を思い描いていてくれる事が、泣きたくなるくらいに嬉しい。
「きっと……」
エリィの小さな声が、震えている。
「私は、レオン様に会う為に、生まれてきたんだと思います」
何を……?
「その為に、ここに居るんだと、思います……」
「……私の、為?」
ああ、もしもそうなら。
それはとても、幸せな事だね。
感情のない人形のようだった私を、人間にしてくれた君が。
私の為に、ここに居るのだとしたら。
「はい。きっと。……私は、そう考える事にしました」
泣き笑いのエリィの額に、自分の額をコツっと合わせた。
「それは、嬉しいな」
笑った私に、エリィも小さく笑っていた。
* * *
百三十日後は、素晴らしい快晴だった。
「あと何日ですか?」
準備の前、エリィが私の顔を見るなりそう言ってきた。
私がずっと、エリィに「式まであと〇日だね」と言ってきたからだろう。
「ゼロだよ。支度をしておいで、私の花嫁」
言って、エリィの頬にキスをすると、エリィが楽しげに笑った。
「はい。行ってまいります」
式を済ませ、教会から王城までパレードをし、その後は城で国賓を招いての披露宴だ。
……パレードの道中に、マクナガン公爵家の使用人がちらほら点在していた。全員がエリィに向かって何かハンドサインをしていたようだが、見逃してしまった。
エリィも民衆に手を振るふりをして、ハンドサインを返していたな……。
あの家は、どこまでも我が道を行っているな。
披露宴も終え、自室へ戻り、入浴を済ます。
隣国のロリコン王は、何故人の花嫁にまでちょっかいをかけてくるのだ。外交上呼ばねばならない相手とはいえ、本当にあの王は何とかならんのか。
それらの相手は、流石に疲れた。
湯に浸かっていると寝てしまいそうだったので、早々に上がる事にした。
用意されていた夜着を身に着け、ガウンを羽織って浴室を出た。
自室のテーブルの上に、何か乗っている。近寄ってみると、一本の鍵だった。
鍵の下には、メッセージカードがある。
『居間の王太子妃殿下側の扉の鍵でございます。ご成婚、心よりお慶び申し上げます。』と、侍従長の文字で書かれている。
勝った! と思ってしまった。
いや、別に向こうは勝負している気などないだろうが。
それでも何だか、言いようのない達成感がある。
という事は、あの何個あるかすら分からない留め具も、全て外されたのだな。
勝った……!!
いや、まあ、それはいい。
とりあえず、隣の部屋へ行ってみよう。
昨日までは私一人で使っていた部屋だ。私にとっては見慣れた部屋の筈なのに、落ち着かない。
とりあえず、ソファにでも座っていようかな。
ソファに座り、思わずエリィの部屋側の扉をじっと見てしまう。
あれが本当に開くのか。……何をしても、ノブすらびくともしなかった、あの扉が。
いかん。落ち着かん。
どうしようか。何か飲む物でも貰うか? いや、手持ち無沙汰なのが悪いのかもしれん。何か本でも持ってくるか……。
そんな事を考えていると、控えめにそーっと扉が開いた。
本当に開いた! ……侍従長のおかげで、謎の感動がある。何だこれは。
そろっと開けられた扉の隙間から、エリィがこちらを窺うように顔だけ出している。
「エリィ? どうかした?」
「……本当に、入っても大丈夫なんですよね……?」
「大丈夫だから、鍵が開いているんだよ」
侍従長直々のメッセージも貰ったしね。
中々こちらへ入ってこようとしないエリィの元へ行き、手を引いてソファへ促す。
エリィはここへ入るのが初めてなので、珍しそうに辺りを見回し「ほへぇ~……」などと呟いている。
私は余り部屋を飾るという意識がないので、この部屋も自室も少し殺風景だ。
眺めても面白くもないだろう。
「今日から、エリィの部屋でもあるんだ。君の好きなように飾ってくれても構わないよ」
あまり豪奢な装飾は好まないが、エリィがそんなものを飾る訳がない。
「飾る……と言われましても……」
うん。君の部屋も、私といい勝負の殺風景さだからね。
困るかもしれないね。
エリィは暫く何か考えていたが、やがてはっとしたように顔を上げ、笑顔で私を見た。
「では、剣と盾などいかがでしょう!?」
剣と盾!? どうしてそうなった!?
「あのマントルピースの上あたりにバーンと!」
バーンと、じゃない! そんなのまるで、騎士団の営舎じゃないか!
「……出来たら、飾るのはもっと穏やかなものがいいかな」
そう言った私は、きっと悪くない。
「ならば定番は世界地図……」
どこの世界の定番かな!?
軍部の作戦本部かな!?
「……いや、普通の『美術品』なんかの類で我慢してくれ……」
……私は、悪くないよな……?
「でしたら、レオン様の肖像画を……」
「それだけは本当に止めてくれ!」
何故、自分の肖像画などを眺めて暮らさねばならんのだ!
しかも、どうせ私が居ない間に拝むのだろう!?
残念です……とガッカリしているが、それだけは譲れない。
何も絶対に何かを飾れと言っている訳ではないからね、とエリィに釘を刺しておいた。
そうでもしないと、あのマントルピースの上の空白が何で埋められるのか分かったものではない。
執務から戻って来て、あそこに自分の肖像画が掛かっていたらどうしよう……。自分の中の何かが折れる気がする……。
今日一日を互いに労い合い、エリィを寝室へと伴った。
……壁の空白をじっと見るのはやめてくれ。剣と盾も、世界地図も、私の肖像画も必要ないからね!?
昨日まで一人で使っていた大きな寝台に、エリィと二人で上がる。
向かい合うように座ったエリィが、少しだけ恥ずかしそうに笑った。
「……これから、これが日常になるんですね」
「そうだね」
『これ』が。
一日の始まりと終わりを、二人で過ごす事が。
「レオン様」
エリィはこちらを見て、深々と頭を下げてきた。
「末永く、宜しくお願いいたします」
「こちらこそ」
顔を上げて微笑んだエリィに、私はそっと口付けた。
* * *
翌日。
ぼんやりと目を覚ますと、すぐ目の前にエリィの寝顔があった。
ふわふわの髪が頬にかかって、くすぐったくはないのだろうか。
そっと手を伸ばし、エリィの頬にかかる髪を梳くように後ろへ流す。
その僅かな刺激に、エリィの瞼がぴくりと動いた。
ああ……、起こしてしまったかな。
もう少し、眺めていたかったな。
エリィはゆっくりと瞼を開けると、私を見て微笑んだ。まだ微睡んでいるような、ふにゃっと柔らかい笑顔だ。
「れおんさま……?」
「うん。……もう少し、眠るといい」
どうせ今日は、私たちには何の仕事もない。
使用人たちも、こちらが呼ぶまでは入ってこない。
それに……、昨夜は少し、無理をさせたような気もする……。
いや、仕方ないだろう! 何年我慢したと思ってるんだ。それもこれも、エリィが可愛いからだ。
「れおんさまも、ねますぅ……?」
寝惚けている。可愛い。
「うん。そうしようかな」
「ふふ……。おやすみなさい……」
「うん。ゆっくりお休み」
額にキスをすると、エリィはもう一度「ふふ」と笑って、そのまま寝息を立て始めた。
幸せそうな寝顔を暫く眺め、私も目を閉じた。
何だか胸が一杯で、眠れそうにないけれど。
幸せってきっと、こういう事なのだろうね。
君が隣に居てくれて、笑ってくれている。
気付いているかな、エリィ。
君がいつも、『レオン様なら大丈夫です』と言ってくれるから、私はそれに応える者でありたいと思っている事。
私を見つけると、嬉しそうに、安心したように微笑む事。
そして私が、いつまでもエリィにそういう顔で笑っていて欲しいと思っている事。
いつか。
君が以前言ってくれたように、遠い遠い未来、二人で旅行にでも行ったなら。
その時にでも、訊いてみよう。
気付いていた? と。
殿下と侍従長の長きに渡る戦いの終焉。
殿下、頑張ったね! と褒めてあげてください。




