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この世に悪を栄えたい  作者: りんりん
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1話 純粋な青年

この世に悪は栄えない"この言葉は、多くの人が耳にした事のある言葉だろう。地球からすれば、これ以上頼り甲斐のある言葉はない。

 しかし、一方では仇の言葉でもあり、悪星には地球を滅亡させたいという怪人で溢れかえっている。


「あーダメだ! 就職先が見つからない……」


 高校を卒業間近に就職先で悩んでいるコトモスは、今日も嘆いていた。


「あんたまだ就職先が決まんないのかい!!」


 母親のいつもの説教が始まってしまった。ここ最近は毎日のように怒られている。


 間も無く学校に行かないと行けない時間になっていたのだが、中々出ようとしない。その理由は別にあって、毎日決まった時間に聞こえてくる言葉があるからだ。


「コトモスーー! 早く行かないと遅れるわよーー!」


いつもの言葉が聞こえてきた。この言葉の正体は幼なじみであるメリールの声だ。いつも時間になると迎えに来てくれる優しい幼なじみのおかげで、学校にも通えていると言っても過言ではない。


「なんで、いっつも声掛けないと出てこれないのよ」


「なんでって……なんでかなぁ……」


そんなモジモジとした行動に呆れるメリールだったが、そんな呆れる顔も好きなコトモスは、中々に想いを伝えられず時間が経っている。


何気ない会話をしていて、前から気になっていた就職の話をしてみた。


「メリールは就職どこにするか決めた?」


「決まったよ」


「どこなの?」


「私の憧れでもあったデビルスターズだよ」


 するとコトモスは強めのトーンで「ダメだよ!!!」と反発した。


 「何で!? だって"悪星"に住む怪人の中でも憧れの職業だよ? 私のお父さんも勤めていた会社だからっていうのも少しはあるけどね」


 それでもコトモスは否定し続けた。悪星の憧れである会社に入りたい気持ちは分かるが、否定し続ける理由としては、その会社に入った怪人は地球にいるヒーローと呼ばれる人間にやられてしまうからだ。

 

 いくら名誉ある会社だとしても、メリールに危険な場所へ行って欲しくないので、何度も何度も説得したのだが、メリールの決心は堅かった。


 その日の学校が終わり、どうすればメリールを危険な目に遭わせないようにするかを家で考えていた。


 「どうすればいいんだろう」


 家の周りをうろうろしたり、机に向かって無駄に調べ物をしたりと、自分でも何をしているか分からない行動をとっていた。


そして、一日考えた末に導き出した答えは、同じ会社を目指すという事だった。


 どうやって勉強すればいいのか分からなかったので、何となく本屋へ行ってみると、そこにはデビルスターズへ入るための本がズラリと並んであった。


 「何だこの本の数……」


 そこには"デビスタに入る方法"や"デビルスターズに必要な力"など、知識のない自分にとって選びきれない程の量だったので、適当に何冊か買って帰った。

 

 家に帰って風呂に入っていると、母親にデビルスターズについての本を見られてしまって、どういうつもりかと問い詰められた。


 「何でデビルスターズの本があるのよ!!」


 メリールの為に頑張るとは言えるわけもなく、憧れだったなど適当の言葉を並べて必死に説得した。

 デビルスターズに入るということは名誉なので、母親も「あなたはバカなんだから必死で頑張りなさいよ」と満更でもなさそう表情だった。


 母親は絶対に否定すると思っていたので、意外な反応ではあったが、コトモスにとって人生初の目標が生まれた日になった。


 そして、次の日メリールに「俺もデビルスターズを受ける事に決めたから」と伝えた。

 するとメリールは「大丈夫なの?熱ある?」と、

少し冷やかされた。

 その言葉に対して、イラついたコトモスは「絶対なってやるからな!!! 」という言葉を残し、全力で走って帰っていった。まさに、怪人の青春とはこの事であろう。


 コトモスは家に帰ると、メリールに良い所を魅せて、自分をアピールする為に、早速勉強する事にした。


 「まずは頑張って何かやろう」


 本当に何処からどうやって勉強すれば良いか分からなかったので、ランダムに本を選んで勉強していった。

 一番最初に選んだ本は、自分の星のについてを勉強する事だったので、基本的な所から学んでいった。


 「悪星は自分の星だというのに、僕は何故こんなにも知らないんだろう。」


 今まで後ろ向きだったが、こんなにやる気は出したことは無かった。何か自分でも分からないものに、後押しされてるようで、コトモスはただ一生懸命毎日を過ごしていた。


 

 

毎週火曜日に出来る限り投稿していきます。

是非見て下さいね!!!

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