08 非モテ少年、美女の誘惑につき絶賛寝返り中!
「やあ。タカシ。よく来てくれた。改めて自己紹介をさせてもらうよ。私はルナ。月の女神だ。」
「ほうほう。」
──このお姉さん。胸でかくねっ。
「私はライティアが気に入らない。殺したい。いらない。」
──いうことは怖いな。
「だからこの薬物をライティアに注射してほしい。」
「なんなんだ? それは。」
「これはファームダルズという哺乳類の肉に反応する薬物だ。哺乳類の肉に反応すると毒物になる。」
「ほう。それを刺せばいいんだな。それで? 俺のメリットは?」
「私を仲間にしてくれ。」
「よろこんでっ!!」
○○○
「ラーナティアっ!!」
「どうしたの、タカシ?」
「ええとねぇ。」
ぷすっ
ばたん
という2つの音が連続で出たことは言うまでもない。
○○○
「うむ。ありがとう。さて、報酬の100万だ。」
「ありがとう。」
「タカシっ!!」
『なにっ。』
「タカシ! そいつはルナじゃないわよ! サキュバスよ!」
「またまた〜。ってかなんで生きてんの?」
「ふふふ。こんなこともあろうかと《薬物耐性》というスキルを取ってきたのよ!」
「そんなばかな! タカシ、私はルナだ。信じてくれ。」
「んじゃ、その娘はだれ?」
そう言って俺はラナを指差した。
「え? えっと……えっと……知らん。」
「はぁ!?」
と、俺。
「やっぱりサキュバスよ!」
と、ライティア。自称ルナが口を開く前にラナが口を開いた。
「聞いたことがあります。私たち、月の女神の一族のご先祖さまにリナという名のサキュバスがいたと。そしてリナの兄、ルガリオンがリナの誘惑に負け、自身の命を捨ててまでリナに《永久生存》の邪術を掛けてしまったと。」
「と、いうことは。」
ラナは一つ頷いてから続ける。
「ええ。リナは元々ルナに変わる二代目月の女神候補だったと言われています。なら、二代目が出来ずに女神を続けているルナを憎らしく思って、殺そうと企むことくらいするでしょう。もし私がリナならそうします。因みにそのリナの娘としてレナがいて、彼女もサキュバスです。レナは今、魔王の奉仕をしています。つまり、リナよりレナの方が上の立場。魔王の命令をリナが遂行したと考えれば辻褄が合います。」
分かるような分からないような説明を聞いてから自称ルナ、いやリナに向き合う。
「さあ、リナ。本当のことを洗いざらい吐いてもらおうか。」
「いやよ。それ以上抵抗すれば貴方の精気を吸い取って殺すわよ?」
「んぐっ……。」
という奇妙な声を上げどうしたらいいかを考えているとラナが
「いえ。その可能性はありません。リナは《永久生存》は掛けられていますが《永久魔力保持》は掛けられていません。ならばそこまでの魔力を持っていることは少ないと考えていいでしょう。」
「ほう。」
と、納得してリナを見るとニヤニヤしながら。
「ふっ。それはどうかな。確かに私の娘レナは魔王の奉仕をしている。しかし、その命令については間違いがあるな。その命令とは……。」
そこでリナの言葉は途絶え、リナの右手が俺の脇に……
「タカシっ!!」
しかし、その言葉は遅かった。既に俺は連れ去られていた。
○○○
──おいおい。こういうのって、ライティアが連れ去られて俺がかっこよく助けに行くんじゃないのかよ。
と、魔王の城の地下牢で考えていた。
「ライティア、助けてっ!!」
駆け出し冒険者、バレンタインにつき絶賛戦闘中!▷08 非モテ少年、美女の誘惑につき絶賛寝返り中!をお読み下さりありがとうございます!
最近ネタバレ注意報が出てないので久しぶりに出します。
ネタバレ注意報────────────
今回、タカシが連れ去られてしまった訳ですが、一番困るのがその先です。どうやって助け出すべきか……。分かりません。
ラナ、リナ、ルナ、レナは分かりづらかったですね。お詫び申し上げます。
次回くらいでタカシは地下牢を出てみたいですね。多分次回の一人称はライティアに移ると思います。
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現在執筆中「God bless you †神のご加護
があらん事を…†」がとても面白いので宜しく
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