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03 養鶏場の店主、女神が唾液まみれにつき絶賛爆笑中!

一回目のクエストが成功した。といっても所詮は一日で3000シルファだ。食費や宿費を考えると一日でそれが丸々消えるだろう。しかも全部最低ランクのもので、だ。武器費や防具費もなんとか優しいあの店主さん……いや、店主様がくれた3000シルファで事足りているが、収入を増やせば支出も増える。なんとも模範的な悪循環だ。


「……ということなんだ。お前、仮にも光神聖術師だろ。トーストくらい作れないのかよ。さらに言えば、お前仮にも女神だよな? ならこう……トーストをぽんっと出したり出来ないのかよ。」

「はぁ?! 私は仮にじゃなくて正真正銘の女神ですぅ!

それにトーストをぽんっと出すなんて真実の神、ヴェラシティ様ぐらいしか作れないわよ。」

「ほう。じゃあそのぶらなんちゃら様とやらを連れてこいよ。」

「はぁ……。もういいわよ。私が作るわ! これでも昔は料理得意だったんだから!!」

「なるほど。じゃあ……。いや待て。昔からゲームとかだと美少女戦士は料理がド下手って決まってるだろ。ものすごく心配だ。」

「なによっ! ぷいっ。目玉焼きくらいらっくしょうよ!」

「ほんとか?」

「ほんとよ!!」

宿屋のど真ん中で大声で言い合い、いかつい剣士たちに冷たい視線を浴びさせられながら宿屋を後にした。

というのも、目玉焼きの材料である《チクラッドの卵》を買いに行くのだ。右手には残り少ない金銭の半分、500シルファコインが握られている。左手にはライティアの右手が……というような、展開にはならなかった。


宿屋から5分ほどで養鶏場に着いた。

「おじさーん、卵ちょおだーい?」

なんと。ライティアはここの店の店主と仲良くなっていたのか。

「おう。らいちゃんかい──」

──らいちゃん!?

「──実はなぁ。今年は卵が全然できなくてよぉ。らいちゃんの分はとっとこうぜって家内にいったのによお。お客は平等って言って売っちまったんだよぉぉぉ!!」

「そうですか……。だってさライティア。今日は諦めて別のものにしよう?」

「ぐすん。だめよ! タカシに絶対料理が上手いところみせてやるんだから!!」

俺が口を開こうとしたところを店主のおじさんが遮った。

「そうだ。らいちゃん、たかぼう──」

──たかぼう!? いつからそんなに仲良くなった?!

「チクラッドをチバール高原でちょこっとばかり狩ってきてくんねぇか? 巣に乗り込みゃあ卵の一つや二つ見つかるやろ。チバール高原にこのファストを進出させることにも繋がる。このことをギルドカウンターに報告すれば10000シルファくらいにはなる。さらにだ。取ってきた卵は1個やろう。それ以外の卵1個につき1000シルファだ。」

そう言っておじさんは右手の人差し指を立てた。

なるほど。これはどちらも得をする美味しい話だ。しかも成功すれば13000シルファくらいになるかもしれない。そうすれば4日は働かなくても食って寝られる。

「よし、その話乗った!」

店先で俺は大声で叫んだ。


○○○


「くぅぉっけぇーー!!」

超巨大ニワトリの超巨大な声がチバール高原を響き渡った。

「ライティア、あっちの一匹を片付けろ。俺はこっちを片付ける。」

「おっけい!」

頼もしく言っていたが《巨大トカゲ怪獣》のことを考えるとまた食べられるんだろうな。と考えつつ放置。

「せやっ!サクラッド・ジェネレート・ムーンロック!!」

そう叫ぶと俺の目の前に多くの石が浮かぶ。

「エマンシパーション!!」

この解放句で巨大ニワトリに石が飛んでいく。

「くぉっけぇぇぇぇぇ!!!」

恐らくこれで半分くらいまでは削れただろう。さらに追い打ちをかけるように式句を唱える。

「サクラッド・ムーンライト・ブリンディング!!」

目くらまし式句でニワトリの動きが鈍る。そこをさっきの石で生成した剣で突き刺す。

「くぉっくぅっこっけぇーー…………。」

そしてニワトリは肉に変わった。そして巣を探すべく足跡を辿る。

「西……か。」

ほんの30秒くらい歩くと巣を見つけた。そうして、俺は6個の卵を手に入れた。

「ぎゃぁぁぁぁ……」

遠くで悲鳴が聞こえた気がするのだが。うん。ライティアだ。

「はぁ……。」

俺は走って悲鳴の音源を探した。

「た、た、タカシ! たたっ助けてぇ!!」

今度はニワトリの唾液まみれになりながらスカートがあるべきところを抑え……ん? あるべきところ?

「み、見ないで助けてぇぇぇ!!」

うん。破かれたんだ。

「ほいっ!」

なんと、こいつは弱っていて足を一突きするだけで倒れた。


○○○


「おじさぁぁん! 持ってきたよー!」

俺がおじさんを呼ぶ。

「おお。たかぼう。いくつもってき…………」

「ぐすん。」

おじさんの目線の先にはライティアがいた。

「ふっ。おいおいたかぼう。どんなプレイをしたんだい。はっはっはっ! 若いなぁ。」

「えっ!? いや、そういうことじゃ……」

「うんうん。大人になった記念に二つやろう! ほらよっ。卵と代金の4000シルファだ。さあ。宿屋で続きをやんな!」

「うう……。」

帰りにくい。帰りにくい。帰りにくい!! あのおっさん……! あとで覚えてろよ……。


シラルが俺とライティアを見てから、

「そ、その……。タカシさん。私もそんなプレイしたいです……。」

──は? 今この女はなんて言った?

「あとで部屋によりますから、用意してて下さいね」

ぐぬぬぬぬぬ。こいつめ。最後にウインクをしてきやがった。こんなんじゃ断れねぇよ。

「それで、何の御用ですか?」

そしてようやく本題に入ったところで全てを説明した。

「なるほどです。分かりました。特別報酬という、形で20000シルファ出しましょう。」

よっしゃ。これで6日は持つぞ。

「ありがとうございます。ではまた。」

「また今度ですねっ。」

「ライティア、料理は明日にしないか?」

「うん……」

こいつは本当に女神なのか?

駆け出し冒険者、バレンタインにつき絶賛戦闘中!▷03 養鶏場の店主、女神が唾液まみれにつき絶賛爆笑中!をお読み下さりありがとうございます。月城です。

後書きを書くのは初めてですね笑笑。今までは1000〜1500字程度にしてサクッと読めるようにしてきたのですが、内容を詳しく詳しく……と考えていると2000字を越えてしまいました!

ちなみにもうそろそろ平行執筆として《につきシリーズ第二弾》を書く予定なのでそちらもよろしく!

ここらから少しずつR-15要素が出てくるので苦手な方はご注意を!

まだまだ少ないですけど読者様、ありがとうございます。Twitterとかで拡散してくれて大丈夫なので!むしろお願いします!

Twitterのアカウントもヨロシク!!

▷以上後書きでした!

▷また次回っ!!!

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