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兄弟としても歳の差がありますが、二人はとても仲良しなのです。

両親もとても仲良し。

『弟王子からの手紙』

ごぎげんよう、兄上。怪我の具合はいかがですか?いつ頃王都に戻られますか?

父上も母上も、たいそう心配したのですよ?

まあ、婚約者殿をちゃんとお守りした様子でなによりですけれど。

ルル嬢が王都に戻ってこられ、学園に復学しました。

・・・何かありましたか?それとも何かなさいましたか?兄上?

彼女、とっても大人しい方でしたのに、復学してからというもの男女問わず、身分も問わず話しかけるのですよ。こう、なんと申しましょうか、、、お世話が過ぎると。

あれではみなさん・・・惚れてしまいますね!

では、また会える日を楽しみにしております。


ディルバルドより。





「ラルトーーー!帰ろう!今すぐ帰ろう!!(キリリ!)」

弟王子様のディルバルド様から、王都の様子(ルル嬢の様子)の手紙が届いたらしい。


「あのですね?ジルバルド様は頭を強く打ちました、背中の傷もまだ抜糸もできません、故にまだ帰れません。」

馬車で山道を帰るのはいいのだが、いかんせん揺れる。頭をうった皇太子様を運ぶにはまだ油断ならないとの医者の判断だ。俺も胸の骨折が時々しみるほど痛い。


「ああ、ルル嬢はどうしたというのだ。いつもは大人しく身分相応の友人と活動していると聞いていたのに!!!なぜなんだ~。」

ジルバルド様に手紙を見させてもらった俺は納得した。

ばあちゃん・・・子どもたちが可愛いんだろうな・・・と。

見た目は子供!中身は、、、あれ?ばあちゃん何歳なの?俺の知る最後のばあちゃんの歳はじいちゃんの5歳下80歳のはず。

孫のように見えるんだろう。まわりの子供たちが。

しかし周りからしたら、公爵令嬢がましてあの可愛らしいルル嬢がお話ししてくれたり、世話を焼いてくれるとなると・・・これは、王都に戻ったときが楽しみだな。


そんなこんなで2週間ほどこの領地に滞在した。

じいちゃんとしての記憶はまだ戻っていない。

来週末には王都へ帰れることになった。

ジルバルド様はやきもきしてか、剣の素振りをしすぎて医者に怒られる日々をおくっていた。






「ルル嬢!」

廊下の奥から、ジルバルド様の弟、ディルバルド様が声をかけてきた。

相手は王族、慌てて淑女として礼をきちんととる。

「ごきげんよう、ディルバルド様。どうされましたか?」

「兄上が来週末には王都へ戻られるそうですよ。きっと帰宅したらそちらにも使いが出ていると思いますが、、、つい、あなたを見かけたもので、伝えてあげたくて?」

そういってディルバルド様は兄と同じ空色の瞳を楽しそうに揺らして笑った。


この婚約が決まったあと、ジルバルド様はよく私のところへ顔をだしてくれた。手土産いっぱいに。

そして話もしていないのに、学園で私がどうすごしていたか知っていた・・・きっとこの弟王子が子とこまやかに伝えていたのだろう。もしかして兄の歳の差の恋愛を楽しんでる・・・?


記憶が戻る前の私は、公爵令嬢としてみなの模範となるよう自分に厳しく、また身分相応に過ごしてきた。

あけすけに格下の人と話しをすることは、未婚の女性としてあまり褒められたことではなく、同じような境遇の爵位の高いご令嬢と過ごしていたものだ。

しかし、、、記憶の戻った今、たしかに公爵令嬢という身分の高さ故に前世のような自由気ままには過ごせないのだが、学校という中にはいってしまえば大人の干渉もすくない、、、周りは同じ10歳前後の子供たちであふれている・・・可愛らしいものではないか!智樹がちいさいときは・・・と、孫自慢の記憶を探しそうになって頭をふった。

目の前の、ジルバルド様を小さくしたような、美しい男の子を見て、本当にかわいらしい・・・と思いながら頬を緩めて、

「お気遣いありがとうございます、とてもうれしいことですわ。」

そう、お礼を伝えた。

じいさん、いえジルバルド様が帰ってくる。きっと記憶がなくてもうまくやっていける。

カステラによろこび、別れには哀愁を漂わせ、今も昔も感情がとてもわかりやすい愛しい人。


「早く、、、お会いしたいです・・・。」





「いやあ・・・なんだか、あんなに綺麗な子だったかな?」

ぼくは同い年の従僕に話を振ってみた。彼は無表情ながらも少し顔が赤かった。

なんだか、兄がうらやましくてたまらない。

彼女に、確かに愛されてる。

「あー熱いあつい~。帰りには冷たいものでも食べに行きませんか?」

ぼくたちは、お互い淡い初恋に気が付かないよう、帰りに寄り道をしてしまうという子供らしいワルイことをするのであった。


予約投稿とかいろいろな機能に頭がいっぱいです(汗

ちゃんとやれたようでよかった・・・

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