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急に寒くなりましたね
がんばって続けます
ジルバルド様がじいちゃんの記憶を失ってしまった。
迎えにきた医者が部屋に戻る途中に
「ジルバルド様はあのように、その、言いにくいのですが落ち着いた方でしたでしょうか?」
と、おず、、と尋ねてきた。
そうだ、もっと子供っぽくもあり、ばあちゃんを探す目的のために外遊をしまくったせいか落ち着きのない風体だったかもしれない。
だが、先ほどのジルバルド様をみると、年相応に落ち着いた雰囲気の賢そうな・・・そう別人のように思えるのだ。
・・・じいちゃん、どんだけ風変わりな人として見られてたんだ。
とりあえず俺は、ジルバルド様は婚約者を危ない目にあわせてしまって大変申し訳ないという心境から心を痛めているのでしょう、、、と愁傷に説明しておいた。
そして、ルル嬢とミーシャさんの様子を見に、お見舞いをしたいと申し出た。
翌日、ルル嬢から会いたいという申し出があった。
部屋に呼ばれて、人払いをされた。そして。
「ともき・・・でよいのですね?」
確認するように、すがるような眼で俺をみた。
ベッドから降りて車椅子に座る俺の頭をそっと抱えるように抱きしめた。
「まるであのころと顔も違うのに、なぜでしょうね?誰だかわかるなんて!!」
そういってさらに俺の頭を抱えてむせび泣いた。
「ばあちゃん、おれ、、、いや、俺たちずっとばあちゃんを探してたんだよ・・・会いたかった。」
じいちゃんが記憶をなくした、寂しさがすこし埋まる感じがした。とても暖かい気持ちだ。
「ともき、、、ジルバルド様、いえ、友三さんは、、、大丈夫ですか?とても怪我が酷いとか、、、」
「じいちゃんなら大丈夫。ほら、剣道やってただろ?ここに生まれ変わっても剣術に長けて体も鍛えていたし、体の傷なんて気にするような顔じゃ・・・あ、今は昔のような厳つい顔じゃないな!」
「ふふ・・・そうだったね、あのひとにケンカを売るような人なんて町じゅう探してもいなかったわね・・・!でも今はとてもきれいなお顔だわ!ふふふ・・・!」
ばあちゃんは、じいちゃんの前世と今世の顔を交互に思い出して笑い出した。
俺は、じいちゃんの今までと、記憶について話した。
「そう、、、今度はあの人の記憶がないのね。しかも私を無理やり婚約者にしたことも!」
そういってばあちゃんはぷんぷん!と怒り出した。
とはいえ、まだ10歳なのでそれはかわいらしい様子であった。
「では、またあのひとを捕まえるとしましょう・・・ふふ」
ばあちゃんが言うには、前世でプロポーズをしたのは、ばあちゃんなんだそうだ。
あの厳つくて男らしいじいちゃん、、、意外とヘタレだったんだろうか。
そしてあの顔でもいいっていう、ばあちゃんもどうなんだ。
でも、、、縁側で仲良くよりそう二人は、、、二人を見てその血縁であることに、とてもこころが暖かい気持ちになった日を思い出した。
ばあちゃんのターンがはじまる