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入れ替わるように・・・

まぶしい・・・

?!


「あ、いきてる・・・いてっ」

頭や胸がズキズキとする、けれどよかった、俺は生きているようだ。

手足の先をちょこちょこ動かしてみる。うん、大丈夫そう。


どれくらいたったのだろう?あの事故のあと記憶がない。

あちこち包帯で巻かれ、傷を縫っただろうところが超痛い。

「!!先生ー!ラルト様がお目覚めに!!」

看護師風の女性が、起き上がっている俺をみて慌てて部屋をでていった。


「おや?若いっていいねえ?起き上がれるなんて。」

歳のいった風体のお医者さんがやってきて、あちこち診察したあとにこう言った。

「事故から2日たちました。ジルバルド様もすでに起き上がれるほどに回復しておいでですよ。

ただ、、、、少し記憶があいまいになられている様子で。長年お仕えしているあなたに彼の様子をみてもらいたいのですが、、、」

車いすに乗せられて、ジルバルド様の部屋まで連れて行ってもらう。

俺は頭を数針縫い、胸の骨が一本折れていて他は打撲や裂傷とのこと。

ジルバルド様は、肩の脱臼と腕の骨折、頭のこぶ、背中をだいぶやってしまったようで縫ったところが多く今後も傷跡は引きつるように残ってしまうだろうとのこと。

ルル嬢は恐怖からか、当日から高熱をだして寝ているそうだ。

ミーシャ、俺が胸に抱き留めたやわらか、、、んん、侍女さんは、擦り傷と打撲でルル嬢とともに休んでいるそうだ。

そして、ここは目的地だった避暑地。

誰も死ぬようなことがなくてよかった・・・俺は心底安堵していた。



コンコン

「ラルト様をお連れしました。」

お医者さんはそういって、ジルバルド様の寝台の近くまで俺を運ぶと、またあとで伺いますねと言い残しさっていった。


「ラルト、よかった。2日も目を覚まさないからとても心配したんだよ?」

ジルバルド様は、腕を三角巾で覆って痛々しい姿だ。

「俺は大丈夫だよ、ルル嬢も侍女さんも大きな怪我がなくて安心したよ。それよりもじいちゃんが一番痛々しいことになってんじゃん。」

俺は笑って安心した瞬間

「おいおいラルト、俺はお前のおじいさまではないぞ?・・・はっ、もしかして頭を打ったから何か影響がでているのか?すぐ医者を・・・」


「?!え・・・」

そういえばお医者さんが、言っていたな・・・なんだかジルバルド様の様子がおかしいと。


もしかして、前世の記憶、がなくなってる?!

俺はどうしたことか心臓が締め付けられるような寂しさを覚えた。

まるで世界に一人ぼっちになってしまったような。心臓が早鐘を打つのがわかる、血の気が引いてくようだ。


「ラルト?ラルト?!どうした本当に顔色が悪いぞ!おい!」

やわらかな金の髪、透けるような青い瞳の大柄な青年が、じっとしている俺をうかがうように覗き込む。


誰だ・・・おまえ・・・


急に目の前の青年が知らない人のようにみえて、とても悲しくなった。

そして、それだけではなく、

「もう、今日は早く休みなさい、、、何故か連れ立ってきてしまったルル嬢についても聞きたかったのだが、とても顔色が悪いぞ・・・ラルト?」


ジルバルド様の中で、ルル嬢はなんで一緒にいたのか、どういう関係だったのか、記憶が抜けてしまった。

無意識に転生したという事実、死んだという事実をじいちゃんとのつながりであやふやにしていたのかもしれませんね。

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