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すこし事故表現があります。

侍女さんの名まえはミーシャといいます。

ガラガラガラ・・・

山道にはいると少し、どころか結構揺れる。

ルル嬢は疲れてきたのか、ウトウトしだした。隣に座る彼女専属の侍女さんにもたれかかっている。

うらやましいのか、ジルバルド様が歯ぎしりしてます。侍女さんが怖がるからやめろじいちゃん。


しばらく行くと、馬車がとまり前方から先行していた騎士がもどってきた。

俺は何かあったのかと、いったん馬車からでた。

「失礼いたします、この先の道で倒木ありとのことです。少し遠回りになりますが別の道から行くことになりますが、よろしいでしょうか?」

「うん、、、倒木を片づけるより早いだろう、そのようにしてくれ。」

この世界にも重機があればなあ~と、たまに思う。

「かしこまりました。」

平和な世界なんだけど、やはり自然の脅威とかそういうのはどうしようもない。

そうして普段は通らない崖ルートにはいってしまったんだ。


馬車にもどると、ルル嬢はすっかり眠ってしまわれていた。

寝顔をじーーーーーっとみてる。時々ニコニコしてる。侍女さんがビクビクするので時々脇を肘でどついた。見すぎ、たしかにかわいらしいけど。




そして、事故が起きた。


馬車前方から、野生の狼が何匹か飛び出してきて、それをよけようと馬が興奮した。

ぬかるんだ道の泥で馬車の車輪が脱落、俺たちの乗った馬車は横に倒れながら崖に落ちてしまったのである。


ガタン!ヒヒーン!!ガシャン!!ぐらっ・・・・

騒々しい音とともに、俺たちは全員左側へかたよって、馬車が転げ落ちていく・・・!!のを理解した。


ジルバルド様はルル嬢が床に落ちる寸前で抱き留め、俺は侍女さんが馬車の窓に打ち付けられる寸前で、窓と侍女さんの間に入って、むぎゅっとか柔らかい・・・とか、そんなちょっと嬉しいとか、思っていたら世界が二転三転もして、ガシャン!!!という衝撃音とともに意識をうしなった。



・・・?誰か泣いてる?

「ともきー!!!ともき?!ああ、ああ、、、なんで、こんな・・・!!じいさん!!あああああ」

ばあちゃん?これは、死ぬ直前の記憶。


俺は車の助手席にいた。じいちゃんが運転。ばあちゃんは俺の後ろ。

国道の大き目の交差点で右折待ちしてたんだ。ばあちゃんはちょっと暑いからコート脱ぐからってシートベルトを外してたな、、、そうしたら、対向車の貨物トラックが通りすぎ、、、なくて、コンテナが俺たちの車の上に・・・・

なにも、よけれなかった。

じいちゃんは足だけに、俺は、、、半身が削れるようになくなって・・・もう痛いとかなにもなくて。

ばあちゃんは衝撃から、うらのドアごと外に飛び出てしまって、腕がおかしな方に向いてるけど、俺にすがって泣いていた。

ばあちゃんこそ大丈夫?って言いたかったけど、泣いてるばあちゃんを見た後は、すぐに何も見えなくなった。




「いや、いやですジルバルド様?ねえ?起きて・・・」

小さな女の子がすすり泣く声がする。

「ミーシャ?ねえ?おきて?誰か・・・だれか・・・」

侍女さんは、俺の上で気絶している。俺は痛む体をなんとか起こした。ひどい頭痛だ。

頭を押さえるとぬるりとした感触が、、、どこかから出血してるらしい。

胸に侍女さんを抱えなおして、彼女の様子をみる。あちこち擦り傷だらけだが、息はしている。

そっと横たわらせて、少し離れたところで倒れてるジルバルド様とルル嬢のところへ這って行く。

ルル嬢はデカいジルバルド様に抱き込まれていたためか、どこも怪我がないようす。

ジルバルド様は肩が脱臼しているようで、腕がおかしな方へ、額もどこかにうちつけたようで切れてる、だが息もあるし、落ちた場所がぬかるんだ森の草の上なのもよかったようだ。全員無事だ。

馬車は粉々になっているし、馬はどこかへ逃げたのか周りにはいない。

上をみると騎士たちが大慌てしているのも見えた。すぐ救援がくるだろう。

安心したら、すっと意識が飛びそうになった。

「ラルト様、ラルト様・・・」

心細いのか、起きている俺の腕にしがみついて震えている。

だめだ、安心させてあげたいのに意識がもうろうとしてきた・・・


「大丈夫、だよ、すぐ助け、が、くるから、ばあ、ちゃん、、、」

そして暗転した。




「・・・・とも、き?」


かすかに懐かしい声が聞こえた気がした。

おもい、だした?

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