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スーカを収穫するときに、鍋を被るとか

今日はルル嬢をさそって遠出にきている。

王家所有の避暑地、涼しくて気持ちの良い風の吹く山の谷合の領地。

王都では見られない、自然豊かな景色にルル嬢もとても機嫌がよい。

機嫌の良いルル嬢をみる、ジルバルド様もとても機嫌がよい。

じいちゃん景色全然みないでばあちゃん見すぎ。きもいぞ。


「そろそろ休憩に立ち寄る街につきます、昼食のあとは少し険しい道を進みます。」

俺は簡単にこの後の日程について説明をする。

「ラルト、あれは昼食に用意できているかな?」

ジルバルド様が少し不安げにうかがってくる、もちろん従僕としてこの遠出の準備もばっちりさ。

彼の所望したものは、前世でばあちゃんがすごく好きだった果物だ。

それはスイカ。そりゃもう子供のころは、じいちゃん家に行くたびに食べた。

ばあちゃんが庭の畑で自分で育ててたんだ。大好物だからって自分でつくってしまうとは。

しかし、この生まれ変わった世界でスイカはなく、あちこち探して似たような果物を発見したんだ。

スーカという、スイカより小ぶりでなんと木に実るのだ!味も食味すいか!種が大きいくらいしか違わないのだ!

硬いかわに覆われていて、熟して落ちたとしても大惨事にならない。

ちなみに頭に落ちて毎年けが人がでる。


この前世で好物だったものを食べさせてみて、何か思い出さないか探るのだ。



さて、しっかりと昼食をとっていただいたところで、デザートにスーカをお出しする。

ルル嬢は見たことがないようで、どうやっていただくのかジルバルド様に聞いている。

小さなスプーンで丁寧に種をとり、小さく一口・・・

「・・・おいしい、おいしいです!ジルバルド様!」

今まで送ったプレゼントなんかよりも、素敵な笑顔でスーカをほおばってくれた。

それをみて、ジルバルド様はすこし涙があふれて、とてもいとおしいそうにルル嬢をみていた。

あとで話してくれたのだが、前世で結婚してすぐ頃、あまり裕福ではなかったけれど、7月生まれのばあちゃんへプレゼントにと果物屋でスイカをひと玉奮発して買って帰ったそうだ。

ばあちゃんは、そんな色気もないプレゼントに大喜びしてスイカを抱えて喜び、丁寧にスプーンで食べてたそうだ。先ほどのルル嬢のように幸せそうに食べてた、と。

スーカを食べても、ばあちゃんは、特段思い出す様子もなかったが、ジルバルド様の贈り物に心から喜んでくれてよかったと思った。


おいしい果物効果か、その後の馬車では色々と避暑地についてお二人で話して楽しそうにしている。


まもなく少し険しい崖のある道へ。

数日前に大雨が降ったとかで、一部ぬかるんでいるらしい。


雲行きが・・・

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