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じいちゃんの愛が重くなりそうな予感

「ば、ばあさん!!!」


その子は、上位貴族 ルル・アガタ・アラムデル公爵令嬢。

突然走ってきた青年に抱きしめられて、ポカンとしている。

はっと我に返ったのは、ルル嬢の父で、娘と皇太子をベリッと引きはがして娘を抱きなおす。

「な、なにをなさるのですか!」

じいちゃんこと、ジルバルド様はハラハラと涙を流して、

「ばあさん?わから、ないの、か?」とルル嬢の顔をじっと見つめた。

ルル嬢は頭に大きなクエスチョンマークが出そうな顔をして、次第に怒りに満ちた表情となり、

「わ、わたくしはおばあさんではありませんわ!!!」

と、すごい剣幕で怒り、父の腕から離れるとジルバルド様の足をゲシっと踏んで帰ってしまわれた。


「・・・ラルトぉ~どうしよう」

俺にどうしろと?!!!

「んん!ハイハイ ジルバルド様~お酒の飲みすぎですよ~~」

と、俺はジルバルド様を横からどついて場しのぎをした!

とりあえず、ルル嬢の父君にはあとで謝罪しに行く旨を伝え、ジルバルド様を物陰に引きづって行った。

「じいちゃ、ジルバルド様!いきなりはまずいですよ!あんた成人したとはいえ、10歳に!未婚の女性にいきなり抱き着いたのですよ!!!」

「だが、でも、あ、、すまない。しかし、おまえにもわかっただろう?あれはばあさんだ!間違いない。」

混乱から少し冷静を取り戻したが、すぐに落ち込んだ。

「あの様子、ばあさん・・・前世の記憶がないんだ。」



その後、王族特権?でジルバルド様は、ルル嬢を婚約者として指名した。

歳の差12歳。周りに少し冷たい目をされてるような気がする。

俺は知らないフリをした。


今日は婚約者として、ルル嬢にプレゼントなんかを持参しつつもっとお近づきになりたいとかでの日参。

そう、日参といっていいほど毎日通ってる公爵家。皇太子の仕事どうした。

従僕として俺も付き添い、そっと二人を見守っているのだが。

ルル嬢のこう、怯えというか、ずいぶん年上の男性に構われてどうしたらいいのか風な・・・

さすがに婚約者とはいえ、10歳をどうこうしない・・・しないよな?

生まれ変わったばあちゃんは、赤毛の髪をツインテールして、いつもリボンや花を飾られてる、瞳も髪と同じ赤い色をしていてキッっとした猫のような顔だち、学業はジルバルド様の弟と同じ学園に通い成績もよい。先日、成人をしたが周りの10歳に比べて少し小さい感じだ。

あの成人の祝いの出来事は、ジルバルド様が誠心誠意ルル嬢に謝罪した。

そしてそこからの求婚ー!

父君はとうぜん12歳の差について、そっと、いやチクっと、いやネチネチごねていたが、王宮の仕事場に押しかけては結婚の許しを請うて居座り、しまいには何やら脅したのかコネを与えたのか知らないが、いつの間にか円満に婚約が成立した。

一番の被害者はルル嬢だ。

見た目は、マジモンのおとぎ話級王子様ですが、いかんせん歳の差が。あと身長差。

前世地球なら、確実に警察の世話になりそうな案件。

大きな男に抱きかかえられ、ずっと膝の上に座らされ、ずっと熱い(暑苦しい)瞳で見つめられる。

エスコートするより、抱えた方が少ない逢瀬の時間を増やせるとかなんとか言いくるめて、抵抗させない!

じいちゃんってこんなに、情熱的な愛に燃える男やったんか?

いつもじいちゃん家に行くと、どっちかっていうとばあちゃんにこき使われてたような・・・

見えないところではラブラブってやつだったんだろうか。


ああ、ルル嬢は赤い髪に負けないくらい顔が真っ赤に。ちょっと涙ぐんでるし。

彼女のお世話をする侍女さんとお話しすることがあったのだが、ジルバルド様が過保護すぎて怖いと思っているそうだ。

学園では、弟にルル嬢のことを見張らせてるし(悪い男が近寄らないよう牽制してる)、何から何まで弟から逐一報告があって、何もかもをご存知なので怖いと。



ばあちゃんの記憶はもどるのか!?

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