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13/13

13(完)

じいちゃん、ばあちゃんは幸せにくらしましたとさ。


そして、俺は-------------

そうして5年の月日がたった。

ジルバルド様 27歳 ルル嬢15歳 俺20歳 ミーシャさん21歳。

今日は、結婚式である。


うん。皆の言いたいことわかる。早い、はやすぎるよね?!

ルル嬢の父なんて式の前から号泣してますけど?!

どんな手を使ったのか知らないけれど、二人はどんどん親密になりあっという間に結婚にこぎつけてしまった。

もう周りの白い目なんか気にもとめず、溺愛する姿はそりゃもう・・・

しかし他に理由があるんだ。

ばあちゃんこと、ルル嬢がいうには、20も超えると行き遅れとしてみられるから、、、早くミーシャを結婚させてあげたいのだと。俺と。

はい、仲はとても順調にいい感じです。

俺とて爵位ある家の子なんで、ミーシャさんに求婚すること自体問題ないのですが。

ミーシャさんは彼女なりに、お世話をするお嬢様をほっておけないからとなかなか結婚に至らないわけでして。

本日の彼らの結婚式が終わればきっと、俺の求婚も受けてもらえる・・・はず!!



おとぎ話に出てきそうな、大きな白い教会。

幼さの残るルル嬢が、涙でいっぱいの父に連れられてバージンロードをゆっくり歩いていく。

祭壇の前には、牧師と彼女の愛するじいちゃんこと、ジルバルド様。

来世もあなたと~なんて、そんな夢のようなお話が今始まるんだと思うと、なんだかロマンチックな気分だ。

隣でほほをそめて涙ぐむミーシャさんの手をそっと握って、愛しくてたまらない気持ちになる。


祭壇の前までたどり着いたら、名残惜しそうにルル嬢の父が離れ、ジルバルド様が彼女のその手を握る。

幸せでたまらないという二人は、本当に綺麗だ。


そうして俺も感極まった瞬間!


パアーーーーーーーっと!光が!まるで花火が教会の真ん中で上がったかのようなキラキラと光がはじけて俺たちは目をつむった。



しん・・・とやけに静かだ。まるで無音。そっと目を開くと、じいちゃんとばあちゃんもまた驚愕してあたりをみまわしている。俺と手をつないでいたミーシャさんも驚いて俺を見つめてきた。


俺たちしか、動いていない?!周りは時がとまったままのように白黒で、俺たちだけが動けるようだ。

そうして俺たちの間に光の人のようなものが2柱現れた。



『ね?おおばあちゃんたちだから、やさしい絵本風がいいって!正解じゃない?』

『うーん、まあ?いい感じにまとまったかもね~アハハ』


なんだ?このお気楽な会話?!


「だ、誰だおまえたち!」

俺はミーシャさんを背に隠して謎の光に問いかけた。


『あ!もう聞こえるのかも?えっとやばいやばい』

『あー、おほん。ラルト君、君はこれから異世界の魔王を倒しにいってほしい。』

『そう、えっとあの、そう!私たちは時空の女神です!助けてください!』

『では、勇者召喚の儀式がもうじき始まるので、君はいまからつれていくよ!』


?!な、なんだって?

異世界に魔王?勇者?!なんていうゲーム?!

俺は混乱してうろたえた。


「まて!うちの孫をどこに連れてく気だ!!」

そう大声で叫び、光の前に立ちふさがるじいちゃんとばあちゃん!


『でもお、私たちお話しを創っちゃったのよね。大丈夫!異世界転移といえばチートだから!』

「ちーとお?なんだそれは?ばあさんわかるか?」

「い、、、いいえ?なにかのえいご?かも?」

二人には漫画やゲームのような話が通じないようだ。

俺はわかる。

『大丈夫、何とかなる!』

『もう時間がないの、早くいくよおじさ、、、ラルト君!』

そういわれても、無理だよ、、、だって、だって、この式が終わったら言うんだ。

彼女に結婚を申し込むんだよ・・・

後ろで不安そうに震えるミーシャさんを抱きしめた。

そして俺は意を決して断ることにした!

「俺はどこにもいけない。彼女と結婚するんだ!!女神だか何だか知らないが、他をあたってくれ!」

ミーシャさんが真っ赤になって俺を見つめている。

「ね、ミーシャ、もうルル嬢も大丈夫だ、俺と結婚してくれ。」

彼女は首まで真っ赤になって恥ずかしそうにうなずいてくれた。


『うーん?困ったねえー。ラルト君でないと・・・』

『・・・!そうだ!この世界からも連れて行こうよ。別にハーレム物じゃないんだからさ!』

『あーいいかも?!話をちょっと変えなきゃ・・・!ああ!なんか今キター☆書き足してくる!』

『じゃ、私が異世界に運んでおくね~?きいてるー?・・・も~あの子ったら!』


急すぎる展開、光の女神、異世界転移、魔王討伐・・・一体何が起きてるんだ。

トラック事故、そして転生という小説のような人生だったが、さらにこれから冒険をしに行かねばならないというのか。やっと幸せにくらしましたとさ、と終われそうなのに!俺は悔しくなってきて、

「おまえたち、何者だ?これはゲームか小説か何かなのか?」

と怒りをこめて問いただした。

すると光の1柱が、おず、と後ずさりをして気負ったように言った。

『ごめん、えっと、まあ、また会えた時に、、、きっと話すよ。』

もう1柱がブルブルとしだしたと思ったら、俺とミーシャさんをその光で包み込んで、

『さ、向こうで儀式真っ最中なんだ。ラルト君、ミーシャちゃん!いってみよっか!』

そうのんきに語りかけてきた。

結局、俺とミーシャさんは、逃げられることはなくどこか違う世界へ連れ去られるようだ。

小説とか読んだことある俺はともかく、ミーシャさんは恐ろしいのか真っ青になって震えだした。

ぎゅうっと抱きしめて、大丈夫とささやいてやることしかできない。

「じいちゃん、ばあちゃん、逃げられないならもう、ちょっと異世界救ってきます、彼女と!」

もうやけくそだ。一度転生したなら、転移とやらも経験してやるよ!!彼女を巻き込むのはとても心苦しいのだけれど。


「ともき、これからもずっと一緒だと思っていたのに・・・」

そういってばあちゃんが泣き崩れた。

「よく、わからないが、、、もう戻ってこないの、、、か?」

そういってじいちゃんも涙した。

「じいちゃん、ばあちゃん、、、幸せに暮らしてくれよ!前世も今世もよくしてくれてありがとう!」

「ルル様!お幸せに。両親にはよろしくお伝えください・・・私、ラルト君と行きます、離れたくない。」

ミーシャさんは俺を見上げて、しっかりと抱き着いてくれた。


『突然すぎる別れは・・・ごめんね。もう少しよく考えてから創るべきだった。ごめんなさい。』

『おおばあ、幸せにね』


光と俺とミーシャさんは、またはじけるような光に包まれて、この世界から消えた。











光のシャワーが消えた瞬間。わしたちの時間が動き出した。

不思議なことに、ラルトとミーシャ、二人の人生がこの世界から消えていたのだった。

自分には別の乳母兄弟の従僕がおり、ばあさんには別の侍女が付き添っていた。

わしらの出会いや記憶、今までの出来事が矛盾も感じつつ世界になじんでいるようだった。


わしとばあさんには前世の記憶があり、また今世でもお互いを愛してるという事実。

孫が私たちを結び付けてくれたこと、心の支えになってくれていたこと、、、

世界のどこかで魔王とやらを倒して、彼の大事なミーシャとともに長く生きてくれればそれでいい。

今世は、、、長く楽しい人生を。智樹。

ラルト君とミーシャちゃんの異世界転移で魔王討伐はじめます。


初めて小説を書きました。文章の組み立て方も勉強不足で読みづらかったと思います。

他の凄腕の作家さんの文章の見せ方も研究しつつまたお話しを書きたいです。

たくさんの人に読んでもらえただけでも、とてもうれしかったです。

感想くださったかた、ポイントくださったかた、本当にありがとうございました。

とても良い人生経験になりました。

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