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「お母さん!なんなのこの人たち!急に来て、なんで私を連れていこうとするの!?」


「セシル、あなたはお父さんの所へ行くのよ。」


「意味がわかんないよ!なんで?お母さんは?」


「私は行かないわ。でもセシル、あなたはお父さんのところに行けば幸せになれるのよ。」


「どうして?私はお母さんと離れ離れなんてやだ!お母さんは平気なの?」


「ーーっ、平気よ。」


「そんな!待って、いや!お母さん!お母さん、お母さんーーーー!」


※※※※※


「ーーーはぁっ!」


目が覚める。と、最初に真っ白い壁が目に飛び込んできた。ここは、どこ?


あたりをキョロキョロと見回してみる。白い壁。茶色の机、そして私が寝ている白いベッド。全部見たことのないものだ。本当にどこだろう?


私は死にかけていたのに、いつの間にやら体力が回復している。なぜなんだろうか?


そんなことを考えていたら入口のドアが開き、中から赤い髪の、キレイな女の人が入ってきた。


「あら、目が覚めたのね。」


「あっあの、えっと・・・・・」


「あ、ごめんなさい。あなたが森の中で倒れていたから勝手に連れてきちゃったわ。」


「そ、そうなんですか・・・・」


「ここはエルマ王国とリーシュ王国の境の宿よ。」


リーシュ王国。私が追放となった隣国の名前だ。


「あなたが死にかけていたから、治癒魔法をしっかりかけたのだけれど・・・・」


「はっはい!ありがとうございました!」


「でもまだまだ元気はなさそうね。あなたすごく、顔色が悪いもの。」


「あ・・・・」


それは多分、久しぶりにあんな夢を見たからだ。


私が、お母さんに捨てられた日。


「いえ、大丈夫ですよ!助けてくださってありがとうございました!ところであの、お名前は・・・・」


「あら、名乗ってなかった?私の名前はユリアです。よろしくね。あなたは?」


「私は、セシル・ア・・・・」


もう貴族ではないんだった。


「セシル、と申します!」


「ふふ、可愛いお名前ね。そうだ、スープ持ってきたんだけど、食べれそう?」


「はい、ありがとうございます!」


スープはすごくおいしかった。でも、なんで見ず知らずの私にこんなに良くしてくれるんだろう?


「あの、なんでここまでしていただけるんですか?死にかけとはいえ、初対面なのに優しくしてくださって・・・・・」


「あらあら、そんなの当然よ!困っている人を見かけたら助ける!これは基本でしょう?」


すごいな。この人は、ほんとに根っこからいい人なんだ。でも、そんな人のおかげで命拾いしたんだから、この人に会えて、ほんとに良かった。


「本当に、ありがとうございました。おかげで元気になれました。このご恩は一生忘れません。あの、お礼したいのですが、何も持ってなくて・・・・・」


「お礼なんかいいのいいの!それに、最初に見つけて救ったのはうちの勇者サマよ。」


「勇者、さま?」


あの、絵本に出てくる?


「会いたい?」


「はい!お礼が言いたいです!」


「今呼ぶわね。レオーン!!」


「あっ私が行きます!」


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