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半人半霊の俺が召喚者に放り出されて異世界観光  作者: 雪月卯月
序章 精霊の森
5/6

5話 精霊達のいざこざ

遅くなってしまってすみません。

また、1から4話全て改稿しましたのでそちらのほうもよろしくお願いします。

(主にセリフ回しなどの変更です。ストーリー根幹には変更はありません)

「「ノルが死んでるうううう!?」」


フィーアが言い出した衝撃の事実だった。


「いやいやいや、なんでさ!あいつ「儂らを楽しませてみよ」とか言ってたじゃん!?」


「そうよ。何、今もこの混乱するあたしたちを見て笑いこけてるんじゃないの!?」


俺たち二人は申し訳なさそうにしているフィーアにあわてて質問する。


「……それが、あなたたちを転移させた後、ノル様がトレス姉さんに乗っ取られたんです」


「「トレスか!」」


あまりの驚きにまた叫びが重なる。


――トレス。

フィーアと一緒にいたフィーアより少し大きい少女。

鈴音と言い合っていた少女。

まさか、あいつが……。


「まさか、あの娘が……!」


鈴音も驚きを隠しきれないようだ。


ちょっと待て、ここは一旦おちつけ。


「ノルが死んでる」となるとさっきまでの俺たちの推測は違ってくる。


特に、「フィーアがノルに切り捨てられた」ではなく、「フィーアがトレスに裏切られた」ということ。

そして、「俺たちが召喚されたのは100%ノルの暇つぶしである」という所も疑わしくなった。

ノルがトレスに乗せられた。

その可能性さえ出てくる。


ただ、幸にも不幸にもこれからの行動にはほとんど変わりない。

「ノルに会いに行く」から「トレスに会いに行く」に変わるだけ。

それだけだ。


「トレスに会ってどういうことかを確認する!!さっきの森に戻るぞ!!!」


「それができないんです!!!!」


フィーアがこれまでに一番大きな悲痛の叫びをあげる。


「な、なんでだよ」


「ノル様を乗っ取ったトレス姉さんが、森全体に結界を張ってしまって、戻れないんです」


「結界?確認だがそれを破ったり外したりすることは……」


「できたらやってます……」


まあ、そうだろうな。


「つまり、あれか。トレスに会うことは現状不可能ということか」


「はい……」


おいおい。

一気に目標の難易度上がったぞ。

さて、どうするか……。


「とりあえず、場所を変えましょうよ。こんな何処かの道より適当な町か何かに行ったほうがいいでしょ」


「それもそうだな。んじゃ、近くの町にでも行きますか。フィーア、道案内よろしく」


「ふぇ!私ですか!?」


「そりゃそうでしょ。あたしたち、この世界知らないし」


「そ、そうですよね……」


なんかフィーアの様子がおかしい。

明らかにおかしい。

いや、まさか。

嫌な予感がする。

だんだん冷や汗が出てきたぞ。


ちらっと鈴音のほうを見ると俺と同じ様な状態だった。


「まさか、フィーアさん?ここがどこかわからないとか、どの方向に進めば町があるかが分らないとか、そんなことないよね?」


「!!…………。コクリ」


事実上の異世界で迷子だった。



「取り敢えず現状まとめんぞ。」


正直ここがどこかも分からない以上、闇雲に動き回るのも下策だろう。

取り敢えず今は要点をまとめる。


「まず、目的はトレスに会うこと。どう転がってもトレスには話をきかせてもらう。これに関しては、フィーアも鈴音も問題ないな」


「もちろん。あたしは問題ないわよ。話を聴いて必要なら殴ってやるわ!」


「はい。トレス姉さんにはノル様を色々聞きたいことがあります」


「じゃあ、本題だな。フィーア、さっき言ってた結界とやらをどうにかする方法はあるのか?」


「すみません。全然、検討もつかなくて……」


「まあ、そうなってくると仕方ない。それはもう後回しだ。今、考えてもどうにもならなそうだ。」


「すみません。力になれなくて……」


「大丈夫よ。今はわかることを話してちょうだい」


「はい……」


「それじゃ、次だ。ここから移動しようにもどこに町や村があるかわからない。そういう状況だ。どうするよ?」


「取り敢えず、そこに道はあるからそれに沿っていけばどこかに着くんじゃない?」


「まあそりゃそうだが、その「どこか」までどのくらい距離があるかって所だが、それしかないよな」


できれば野宿はしたくない。

なんせテントもなければ、寝袋もない。

そんな状態で野宿は下手すれば死ぬ。

死ななくてもこれからに支障が出るだろう。


ただ、こうやって時間を潰していても野宿へのタイムリミットが近づく。


「やっぱりそうなるよな、歩くしかないよな」


「歩きながら話しましょ」


道に沿って歩き出した。




 ■  ■  ■


「ところで、フィーアが使ってたあの魔法なんだが、ありゃ、重力を操ってんのか?」


「あっ、違いますよ。対象の魔素を反応させて、体を地面の方向に引っ張ってるんです」


「魔素って、空気中に漂ってる物質ってやつだったか」


「あっはい。そうですね。それを少しだけ操作できるんです。まだ、ほんとに少しですけど」


「少しって、あれでか?割とマジで動けなかったんだが……」


「祐理、あんた半人半霊になってんのよ。精霊の体は魔素でできてるって説明されたわよね」


「ああ、そういえばそんな話もあったな。つまり俺は体内の魔素も普通の人間より多いんだな。それで、その影響を強く受けたってわけか。」


「……ところで、この目の前にいるこの狼みたいな生物、ひょっとしてやばい?」



 








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