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半人半霊の俺が召喚者に放り出されて異世界観光  作者: 雪月卯月
序章 精霊の森
2/6

2話 俺と幼馴染と40cmの少女と50cmの少女と20mの木

2017/01/22 改稿しました

「起きてください。起きてくださいよぅ。アカセさん」


体が揺さぶられる。

どうやら、俺はまた倒れているらしい。

別に体が弱いわけではないが、これだけ倒れると先行きが不安になる。


「ん……ここは?」


『すまんのう。まさかこんなことになるとは思わんで』


耳から聞こえるというよりは頭に直接声が響く。


「また、森の中か……。今度はどっから声が聞こえてるんだ?」


『どこからも何も目の前じゃよ』


「は?」


目の前には高さ約20mほどの木しかない。

強いてあげるのであれば、妙にこそこそし始めたフィーアぐらいなもの。


訳が分からないと首をかしげる。


「アカセさん。前のこの大きな木こそノル様ですよ」


「あん?木が?」


『その様子じゃと信じとらんのか?仕方ないのぅ。このままじゃ、お主、儂が何を言っても聞く気がないじゃろ。』


そりゃ、何なのかわからない得体のしれない声を信じることはできない。


「とりあえず、姿を見せてくれないか。信用に値するか現状だと判断しようもない」


『はぁ。しかたない、あんまりしたくないが、こうするしかないのかのぅ。本当はもう少し後の段取りじゃったんだが、先に回すかの。トレス、彼女をここに』


「ええ?もう!?静かにしてもらうのにあんなに大変だったのに?」


なんか木の中からまた別の声が聞こえる。


ん?なんか、フィーアがだんだん、俺を壁にして木から隠れ始めてないか?


「うぅ……」


なんか少し震えてないか?こいつ。


「早く出しなさいよ!ねえったら!!殴るわよ!!」

「さっきから、私を蹴ったり殴ったりしてるでしょうが!今更殴る宣言おそいのよ!!」


なんかすごく聞き覚えのある声が聞こえる。

さっきから嫌な予感が本格的に止まらない。


「ひょっとして俺の身内が厄介になったり……してませんよねえ。」

「してんのよ!!」

『残念ながらの』

「はぁ」


三者三様の肯定の意思表示だった。


今の会話で確定した。あそこにいる俺の身内。


水崎鈴音みずさきすずね

俺の幼馴染兼家族。

といっても別に結婚だ同棲だとかのような話ではない。

ただ色々あって俺が水崎家にお世話になっているだけ。

その鈴音がここにいるらしい。


「ん?何よ?祐理が目を覚ましたの?」


「そうよ。今すぐそこにいるわよ。まだあなたをここから出す気もないし、彼を見せる気もないけど」


「そう。それじゃノル様、そしてトレスもよ。あんたらの正体は何なの?どう見ても人間というには小さすぎる」


「へ?それってどういうことよ?彼のことよりも、私たちの正体?いいの?ちゃんと会って確認しなくて。ぼろぼろの状態かもしれないわよ」


「それはない。大体、さっきのそいつの声聞けばわかるでしょ。そいつはそこでピンチってわけじゃない。それがわかれば他に優先することはある。それだけよ」


「声だけでそこまでの確信が持てるってどういうことよ……。そして、あんた妙に落ち着いたじゃない。どうしたの?さっきまであんなに暴れまくってたのに」


「ああ。あれはそいつの状況がわからなかったから。今あたしたちがどういう状況にいるのかがわからない挙句に、そいつの意識がない。そりゃ、そいつの所に行って色々確認したいでしょ。そこで、あんたたちがそれを妨害してくるんだもの。そりゃ暴れもするわよ」


ああ。

鈴音はそういう奴だ。

自分にとっての大事なものを見失わない。


ただ、俺のために暴れてくれたのは素直にうれしい。

それならば、俺も鈴音を第一に考えるべきだ。


「すまないがノル様。鈴音を出してやってくれないか。おそらく、あいつと一緒にあなたの話を聞くのが一番手っ取り早そうだ」


こうするのがベスト。

それに、鈴音もいたほうが話が円滑に進みそうな気もする。

取り敢えず、今は見方が多いに越したことはない。


『別に儂は出さないとは言っておらなんだが。トレス早く出してやりなさい。』


「ちぇ、ノル様に言われたら仕方ないか。ほら、出るわよ。娑婆の空気がすえるわよ。やったじゃない」


「あんたらが勝手に私を捕まえたんじゃない……」


木の一部が光りだす


すると木の中から二人の少女が出てきた。

一人は身長約50cmほどだろうか。それくらいの少女。

フィーアがかよわく、かわいらしいという印象なのに対して、おそらく気が強くて微笑ましいといった印象か。

おそらくさっきまで鈴音と話していたトレスという少女だろう。


そしてもう一人は……正直見慣れたといっていい。

少し茶色がかかった黒髪に左側の肩まであるサイドテール。

勝気で自信に満ちた目。

身長約160cmで少しやせ目な体つき。

水崎鈴音そのひとだった。


「何そんなところで座り込んでるのよ!祐理!!早く立ちなさい!」


再会した途端にこれかい。

こんなに俺に無茶苦茶いうのこいつぐらいだっての。


「立てれば苦労はないんですけどねえ。なんか知らんけどまったく立てないんですよねぇ」


「は?」


『仕方がないじゃろうな。まだ精神がその体に定着して間もない。そのうえ、召喚トラブルもあって、体が不安定じゃろうしな』


また、その「召喚」か。

しかも体が安定していないときた。

わからないことは今のうち聞いておかないとな。


「そうだ。その召喚ってのは何の話だ?そこのフィーアも召喚者?とかなんとか言ってたが」


「そういえばトレスもそんなこと言ってたわね。あんたのせいでトラブルが起きたとかなんとか」


なんだ?鈴音も聞いてたのか。召喚やらトラブルやらというのを。


「フィーア。あんた、なに漏らしてるのよ。説明しなくちゃいけなくなったじゃない!」


「そんな!姉さんこそしっかり言っちゃってるじゃないですか!」


そして小さな少女二人はなんか喧嘩をはじめそうな勢いだな。おい。

五十歩百歩だろ。


『そのへんでやめい。二人とも。どちらにせよ、この者らには説明せねばならん。儂が説明するから、二人は静かにしておれ』


フィーアとトレスがいがみ合ったまま二、三歩後ろに下がった。

どうやら、ノル様にはちゃんと従うようだな。


『まず、ここはお主らが生きておった世界とは違う。まあ、おぬしらからしたらここは異世界というものじゃな』


おいおいおいおい。

いきなり、ここは異世界ですときた。


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