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人見知り冒険奇譚  作者: ふぁくとりー
初めてのVRMMO
9/40

プレーヤーと交流①

は、8位、……だと!?

こんなことがあって良いのか!?

衝撃すぎて目から変な汁が……。


ありがとうございます。

突如として細工のあれこれが暇になったので、ブレスレットをはめて経験値稼ぎ(あそび)に行くことにした。

目指すは新たな強敵、蛇の他の奴である。


さて、平原に来て見たが、ウサギがあちこちでポップしているのを数人がかりで倒しているのを見かけた。うさぎのHPバーはまだまだ残っている。

「右に回り込め!いや左だ!」

半分くらいパニックになっているのをスルーしながら、私はポップして来たうさぎに向かい合う。


人の楽しみは取ってはならないと教えられた。背後の悲鳴はうれしい悲鳴だ。

うさぎに殴りかかりながら、私は魔法・無を発動してみる。

歩いている間に少しだけ回復したMPを注ぎ込む。


途端、意識が加速するように鮮明になって。

急激に右腕に魔力が溜まる。

そして、腕がうさぎにヒットした瞬間、


うさぎは爆散した。


「ぅえ!?」

<魔法・無『衝撃波(ショックウェーブ)』を獲得しました>


ま、待て。なんだそれは。

パーティーを組んでうさぎを狩っていた面々が、その音にびっくりしたのかこちらを向いた。私はひらひらと舞い散るうさぎの欠片の中、落ち着いて佇んでいるように見えた。



見えただけで実質ビビりまくりの内心である。

ところでヘイト稼いだままのうさぎを放置しっぱなしじゃないですか皆さん?


うさぎさんは「ぎゅいいい!」と怒りを露わにして、走り寄り、パーティーの一人をドゴォン!という音とともに吹っ飛ばした。面々はそれで我に帰って、うさぎへの攻撃を開始した。

しかし一度ほころびた緊張は、元には戻らない。


「た、助けてくれぇ!」

「ジョンソンさん!」

「た、頼む!助太刀を!」


私は小さく一つ頷くと、とっとと終わらせるかとトンファーを装備。

地面がえぐれるほど強く蹴り上げて、うさぎの頭めがけて拳を振るようにトンファーを振り抜いた。


結果。

頭をなくしたうさぎの図が出来上がった。


「……うわ、幼女強い」

「誰が幼女だ」

「あっ、すいませんウチの参謀が。共闘ペナあったのに、すごいっすね!」


教頭ぺな?


首を傾げていると「ボス以外でタゲを取ったパーティー以外が参戦すると、相手のステータスが1.5〜2倍に増えるんすよ」と教えてくれた。


このパーティーは、固定パーティーで自称『サンダース』。メンバーはアタッカーの獣人で、赤い髪の少年っぽいラキ、タンクらしきロン毛人間のブエル、アタッカーの金髪スターマイン、赤い玉のついた杖を持っているおっさんシライシ、盗賊っぽい眠そうな黒猫少女アイス。

その名の通り雷を得手とする魔法使いがいるらしい。だが、見た所雷魔法使いはいないが。


しょしんしゃのつえは、持つものの属性で色が変わると鑑定で出ているし。


「ああ、うさぎの途中で死に戻っちゃったんすよ……さっき」

「へえ」

ラキが苦い顔をする。サンダースなんてな乗るならもっと雷使い増やせよ。

サンダースは複数形だぞ。


「ジョンソンさんは名前なんて言うんすか?」

「フォルフィフォーケン」

「ふぉ……?」

「長いからフィーでおk」

「そうっすか?じゃあよろしくっす。俺はラキっす」


握手をすると、街に雷魔法を迎えに行くことになって道中一緒になることにした。

雷魔法使いは、ペペロンティーノというらしい。チーノといったらティーノと正された。


いやいいじゃんペペロンチーノで。


「フィーさんのことは掲示板で読んだっすよ。テーナーって人が色々と書き込んでるっす」

「掲示板?」

「幼女だと」

よし明日からテーナーはいっぱい死に戻りしてもらおうそうしよう。


「掲示板では、ホッケーマスクの名前を知りたがる者も多いであるな。書き込んで良いであるか?」

シライシの質問には首を横に振る。

「テーナーは掲示板に名前書かれたら色々厄介だから、黙っとけって」

「であるか……会ったことは書いて良いであるか?」

「無問題」


と、背後からがっしりと腕を掴まれる。敵意はないので普通に掴まれてやった。

「フィー…私、アイス。よろしく」

「よろしく?」

「ところで、その腕輪……手に入れた所を知りたい」

「え?」

「そんな腕輪売ってるのNPCのとこでもなかった。教えて」

「自分で作ったけど」


静寂ののちに全員がははっと困った笑みを浮かべた。

しょーがないなーもー、といった感じの子供に向けるような笑み。いや、身長的には間違ってないけどヤメロ。


「いやーまたまたぁ。正直が美徳っすよ?」

「ありえんであるな。まぁ友人から口止めされているのであるのだろうな」

「……嘘はよくない」

「すごい細かい作りだし、シルバーアートかじってる人間がやったんだろうねぇ」

「俺はなんでも良いがな。攻撃を受けたら壊れそうだ」


「……嘘じゃないけど」

こいつら失礼だな、という非難を込めて足を止めると、全員が笑みを強張らせた。


「も、申し訳ないっす。つい、若そうだから……」

「いや若いけど、趣味でやってるし」

ちなみに照菜から『◯◯君をイメージしたリング作って!』との依頼がしばしば舞い込むだけだが。


「そう……ごめん、なさい」

「すまないである」

「うわぁ、ごめんね。そういえば、レア種族っぽいって噂になってたけど、なんて種族なの?」

金髪アタッカー、スターマインが聞いてきた。


「カンヘル」

「カンヘル?って知ってる?」

これにはなんと脳筋ぽいブエルさんが答えてくれた。意外である。

殴られ専門だと思っていた。


「カンヘルとは元はメソアメリカの政治や祭祀における権威を表す杖に竜の頭が彫られていた、象られていたものだ。それがキリスト教流入によりキリスト教の教えと交わって、世界創生に関わった竜だとされているな。諸説あるが、これが最もスタンダードなものだ」

立て板に水といった説明で、少々わかりにくいものの簡潔である。


「おおお、さすがミスターウィキペ、どんなことでも知っておられる」

ふざけてははー、と畏るスターマインに、「やめんか」といって首根っこを引っ掴んでグリグリする。

ダメージが一切入らない凄ワザである。


「他にもフェアリーとか、悪魔とか引いた人もいるっぽいすけどね。それでも1人ってことはなかったかな」

「へえ、そうなんだ」

「ちなみにみんな結構スタンダードなんだよね。ワーウルフ、ワーキャット、エルフ…ああこれはペペロンティーノね、あとは人間。レア種族は可愛いだけだけど、結構色んなとこから人寄せとしてお呼びがかかってる」


そんな話をしている間に、あっという間についてしまった。そういえば料理もまだ修めてなかったな。この後何事もなければやるか。

「あ!りぃだーーーーー!!!!!」

「あらみんな揃ってるのね。ごめんなさい、デスペナついちゃって…」


お姉さんらしき雰囲気をまとった美女が歩いてきた。ただし髪色は漆黒のエルフだ。

エルフといったらいついかなる時も銀髪か金髪だろうが。摩訶不思議すぎるわ。


デスペナは、テーナーに事前に聞いていた。死ぬとステータスがあかんことになり、所持金なんかも減るらしい。

死んでそれで済むんだから良いんじゃないかと思うが、ゲーマー的には「ZFGは厳しすぎるのよ!」とお怒りであった。


「そちらの方は?」

「ふぉ……フィーさんっす。ホッケーマスクの」

「ああ!ありがとうございます、みんなを連れてきてふきゅん!」


ローブの裾を踏んでエルフがこけた。


「大丈夫っすかリーダー⁉︎」

「怪我してないですかリーダー!」

「……いひゃい……」


訂正。

エルフは残念だった。


「ほらほーら、痛いの痛いのとんでけぇ。…ど、どうですか?」

スターマインの慰めに、エルフがぐずぐずと鼻を鳴らして頷く。


「…でもデスペナで、狩りは今日は無理……」

アイスの言葉に皆が頰を掻く。

私は「じゃあ」とかなり逡巡した後に小さく言った。


踏み出せ私。

やればできる子私。

おぉYDK!!!!!


「なんでしょうか?」

「り、りり料理を作るので、試食してくださいっ」


全員が顔を見合わせて、思案顔になった。ドキドキしつつも、私は返事を待つ。

あーやばい。

小学校の時に男子の股にクリティカルヒットして潰れてないか心配になった時以来だ。


……どうでも良さすぎて涙出てくるわ。

あの時は照菜が男子にいじめられていて、プチッと切れてやってしまったのだ。

後悔だけはしていない。


「あの、ではお願いできますか?」

「は、はいっ」


とりあえず、今はなんとかなったようだ。





フォルフィフォーケン LV11

種族 カンヘル


HP 90/90

MP 126/126

STR 0

INT 96

VIT 70

AGI 13

DEX 10

LUK ±100(上限100)


スキル : 細工LV2(↑2) 魔法・無LV2(↑1) 錬金術LV2 料理LV- グラム判断(New!)LV- 宝飾(New!)LV-


魔法(New!)

・『衝撃波(ソニックウェーブ)

衝撃波を相手に叩き込むことで、ダメージを与える。追加効果 : 爆散


レシピ

・ポーション改

・魔銀のブレスレット

・パーツ : オリジナル①


残ポイント0


称号

『持たざる者』ソロの状態でLUK増加・微

『暴き屋』PKK行為により24時間ステータス全てに+100

『錬金術師のタマゴ』錬金に際し、LUKに関わらず錬金成功率を1%上昇させる。

『細工師の卵』DEXが細工の時わずかに上昇する。



装備

しょしんしゃのいんなー(AGI+3)

くろのまんと

ホッケーマスク

のろいのくつ(効果 蹴りにより相手にランダムの状態異常・微)

テーピング(AGI+10)

魔銀のブレスレット(フォルフィフォーケン作)

ランクC+

ルビーが連結されている魔銀のブレスレット。

INT+15

DEX+10

耐火(微)

今日の更新はこれで最後。

サンダースだけど雷魔法は一人だけ。


======

ご指摘によりブレスレットを装備させました。コピペって怖い。


======

ご指摘により、⁉︎→!?に変更しました。

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