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人見知り冒険奇譚  作者: ふぁくとりー
初めてのVRMMO
6/40

錬金術にトライ

本日二話目。

運営は基本プレーヤーをおちょくるスタイルが多い。

さて、二日目のログインだ。サービス開始が土曜日の午後三時とはいえ、電話一つ寄越さないとは照菜め。


と思ってログインしたら、まだテーナーのキャラはログインしていた。

お前は馬鹿か。


ちなみに現在のゲーム時刻は、朝の十時。ゲーム内では時間が二倍に加速していて、十二時間ログインすると二十四時間経つ。

宿題を持ち込めるところがうれしい。


私はとりあえず戦闘には支障はないと思い、錬金術と細工のチュートリアルを受けることにした。ヘルプから受けられるようになっているということで、私は早速人差し指で中空を円形になぞった。


ステータス画面が開き、設定を行う。

痛覚、100%だ。

なぜこの設定かといえば、その方が他の感覚がリアルになるかららしい。私はとりあえずそれを押して、ウィンドウをいじる。


ヘルプの画面に飛ぶと、錬金術の欄が出てきた。


チュートリアルを受けますか?

YES/NO


迷いなくYESを選んだところ、目の前に一つの淡く緑に光るウインドウが出現した。そして、指示が出た。


<チュートリアルをはっじめっるよー!>


思わずウインドウを握りつぶしそうになるかと思った。ホログラムで正解だ。

何が悲しくてゴリゴリのおっさん声でそんなことを言われなきゃいけないんだ。


<まずは、錬金術をやってみよう!>

運営からプレゼントが届いています!

開けますか?

YES/NO


開けると、中からは『はじめてのれんきんじゅつセット』が出てきた。

平仮名のところが人をおちょくる仕様である。


それはともかく、取り出してみると薬研(海賊漫画の船医がゴリゴリしてるやつ)と、乳鉢にすり棒、ピンセットや薬包紙百枚など、様々なものが入っていた。


<第一手順、薬草を採取しよう!>

南の森に向かいましょう。薬草はグリーンスライムからのドロップ及び採集によって得られます。


南の方に来ると、家は頑丈さを増したようなものになり、プレイヤーの数は圧倒的に減少した。外周に沿った門には、鉄の扉が荘厳に備え付けられている。森が近くモンスターが強いため、このようになっていると鑑定で出てきた。

鑑定すごい。


さておき、半ばジャングル化している森にためらいなく入っていく。と、頭上でわずかにした擦過音に、私は飛び退った。

ぼとり、とそこに落ちたのは蛇である。


ポイズンスネークLV3

HP20/20

MP28/28

STR 59

INT 32

VIT 12

AGI 40

DEX 45

<スキルの閲覧には、鑑定のレベルが不足しています!>


ってめっちゃ強い蛇!

私はトンファーをすっと装備して、その飛びかかるのを待った。蛇はシューシューと音を出しつつ、近寄ってきて、一瞬の溜めの後に私へと飛びかかってきた。


爬虫類は好きなんだがしょうがない。

その顎が『バクン!』と閉じられる音を右に聞きつつ、その頭を下からすくい上げるようにトンファーで殴りつけた。

STR差で、なんとかダメージを与えられるはず。


と思ったんだけどね。


正直、このSTR差を舐めていた。

飛びかかる蛇に下から打撃が当たっても、通常はあまり効果はない。骨が柔らかく動き、衝撃を吸収しきる。


でも、その衝撃が、異様に強力な場合、どうなるでしょうか?

答え、ご臨終。


蛇があっけなく沈んで、レベルが一個上がりドロップが入った。


ポイズンスネークの牙

毒液を分泌する。傷口から入ると、血が止まらなくなり死ぬ。

継続ダメージ−15


ポイズンスネークの皮

なめして使うと鞄に良い。


とりあえず、先に進むか…。


薬草の群生地は、結構近辺にあり鑑定してアイテムボックスに放り込んでいく。薬草は、手のひらの形をした葉っぱが細い茎にいくつかついている。で、よくにた毒草も一緒だ。


違うのは、毒草は茎に縦縞の線が入っていることだけ。きちんと見なければわからないだろう。


さて、手に入ったところで街に戻るよう指示があったので、街に戻ったところ東の職人街にある『貸し作業場』にいくように指示があった。

東の方に来ると、喧騒がすごい。あちこちから煙が立ち上り、すでにプレイヤーの中では工房から出てきている人もいる。

私はプレイヤーから注目を浴びているのを感じつつも、地図の指し示す場所に到着した。煉瓦造りの建物で、個人の部屋ごとに分けられているらしい。


利用時間一時間につき、100エルだというので、三時間とっておき、中に入った。

そこには、簡易な作業台といくつかの工具が置いてある。私はとりあえず台の上に器具を広げて、チュートリアルの続きを始めた。


<部屋に入ったかなっ?じゃあ薬草をまずは乾燥させよう!>

忘れてはいけない。この声はゴリゴリのおっさんの声なのだ。

美声でも、なんでもないオッサンの…。


<じゃあ、錬金術セットの中から『乾燥用魔法陣』を取り出してね☆>

いちいちムカつくな。


それを取り出すと、複雑な陣が描かれている。私はふと思いつくままにSSを撮った。ここの運営なら、「乾燥用魔法陣は一回しか使用できないよ!」とかヤバいことを言い出しそうだとふと思ったからだ。


材料を乗せて、MPを丁寧に流し込むのだという。放出する練習を10MPだけすると、なぜか無属性魔法のレベルが上がった通知が来てびくっ!となった。

材料は『薬草の葉』とあるので、きちんと葉っぱだけ取って陣に載せる。


<魔法・無のレベルが上がりました>

<パッシブ・『魔力節約』を手に入れました>


魔法・無ってもしやMPまんまってことか?

くそう、なんか損したきがする。まぁいいか。


魔力を注入していくと、一瞬光ったのちに陣の中心にはかぴかぴになった葉っぱがあり、魔法陣が消滅した紙の上に乗っていた。


ほら見たことか…。


そして、これを薬研で粉々にすりつぶすのだという。私は一枚葉っぱを手に取ると、鑑定をした。


薬草の葉(乾燥)

水溶性の薬効成分が含まれている。砕けば砕くほど効果は高まる。


また落とし穴のような効果だな。

私は薬研で前後にゴリゴリしながら、ふと思いついてちょっとだけMPを流し込んだ。すると、薬研が淡く光を放ち、薬草が変な色に輝き始めた。

終わるころには、茶色だったはずのそれが淡い緑色に変わっていた。


<MPを入れたら面白いことが起きるけど、それは自分で確認してね!

それでは、錬金術用に置いてある『純水』を部屋の中のかめから掬って、フラスコの中に入れてね!>

うわ。


乾燥用魔法陣を手に入れる目処が立ってない段階で、自分で確認しろとかなんの鬼だ。

純水を救って入れると、薬液がちょうどの量になるように最後の方はスポイトで入れる。きっちり揃えると、瓶は白く一瞬光った。


<瓶が白く光ったら、そこがピッタリポイント!そこに薬草を入れてみよう!>

先ほどの緑の粉を少しずつ秤で計りつつ入れていく。運営の罠にはかからない。


これも、緑の粉が浮いていただけのものがいきなり深青色になった。そこで、インフォが流れる。


<錬金術のレベルが2上がりました>

<レシピ『HPポーション改』を獲得しました>

<称号『錬金術師のタマゴ』を獲得しました>

<『グラム判断』を獲得しました>


おぅ!?

色々一気に手に入った。一度見ていこう。


レシピ

『HPポーション改』

薬草の葉(乾燥)をMPを入れながら粉にして、5gを純水100mLに対して入れたもの。

薬効 HP回復 +50


称号『錬金術師のタマゴ』

錬金に際し、LUKに関わらず錬金成功率を1%上昇させる。


『グラム判断』

調合するもののグラム数を自動で判断する。測れる単位はグラムまで(小数点以下切り捨て)


割ととんでもなスキルだった。

運営がぶっ飛んだ方向に有能すぎてヤバい。


というか、他に錬金とった人っているのかな?これは怪しくなってきたぞ。



その日は細工のチュートリアルをする気にはなれずに、ポーションを粉の続く限り作り続けて、普通のポーションとの比較を忘れたままポイントをざっと振り分け、私はログアウトした。








フォルフィフォーケン LV11

種族 カンヘル


HP 90/90(+10)

MP 111/111(+20)

STR 0

INT 81(+20)(+10)

VIT 70(+20)

AGI 13

DEX 0

LUK ±100(上限100)


スキル : 細工LV- 魔法・無LV1(↑1) 錬金術LV2(↑2) 料理LV- グラム判断(New!)LV-


レシピ(New!)

・ポーション改(New!)


残ポイント0


称号

『持たざる者』ソロの状態でLUK増加・微

『暴き屋』PKK行為により24時間ステータス全てに+100

『錬金術師のタマゴ』(New!) 錬金に際し、LUKに関わらず錬金成功率を1%上昇させる。



装備

しょしんしゃのいんなー(AGI+3)

くろのまんと

ホッケーマスク

のろいのくつ(効果 蹴りにより相手にランダムの状態異常・微)

テーピング(AGI+10)


ご指摘により⁉︎→!?へ変更しました。

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