プロローグ
御都合主義
主人公視点地の文毒舌
リアルスキルチート
以上の三点が許せない人はバックオススメします。
VRMMO話を読んでいて書きたくなった。他意はない。
始まりはそう、友人の一人からVRMMOを勧められたことだった。
友人は三人しかいないけど。
元々漫画もアニメも、見て楽しいとは思うけどどこか他人事で、ありえないことばかりだ。
波乱万丈な人生だの、伝説の傭兵だの、学園ラブコメだの、ありとあらゆることが画面の向こう側では起こる。けれど、まぁ日常とはすごく良い仕事をしている。
なんというプロ意識だ。トラブルはもっと頑張って職責を果たせ。
まぁラノベの主人公ではないし、あんな量のトラブルに一度も法に抵触しないまま全てを解決して、ナデポだのニコポだのなんという歩く破壊兵器か。自重しろ。
正直ラノベ主人公は自粛と平穏という言葉を覚えて欲しい。
私は極度の人見知りである。
どれくらいと言われると、顔を隠さないと吃音だと勘違いされるレベルだ。
入学式の自己紹介は顔を手で覆ってやった。
そんな人見知りをどうにかできないかと考えて、相談したところVRやってみたら?と返ってきたのだ。
ぶっちゃけ、顔を隠していても違和感がないし、何より他人と会話しないと先に進めない。
そんなわけで、私は友人の勧めに従い始めることにしたのだ。
とまあ、それはさておき、私の目の前には手足に枷のようにはめる銀に赤いラインがカッコよく入っているリングと、頭に装着するそれが存在している。それぞれはコードで繋がっていて、リラックス椅子の上に電源に繋いでおいてある。
これが、VRMMOダイブ専用機、『零式筐体』か。
あの人の専用機とかそういうことを言ってはいけない。
いけない。
今はアダプテーションを始めている。
基本的には身長、体重などはそこそこ反映されるものの、入力だけでは指先の感覚などに違和感がある。そこで、生体を電磁気を使ってスキャンしてどうたらこうたら(この辺りは友人が詳しく説明してくれたがさっぱりだ)ということだった。
要するに、適応するために必須な作業中だ(超省略)。
頭に浮かんだそれと同じ姿勢でたったかと部屋でひとしきり暴れるように動いた後には、スキャンは終了して、脳波の色々ともちゃんと呼応してくれるらしい。
寝てる間に暴れないか聞いたが、どうやらそこにいく信号を、色々と変換して機械の方に増幅して流すため、手は動かなくなるらしい。
それ後で起きれんのか?大丈夫か?とも思ったけれど、一定の温度の上昇率やらで火事での死亡や熱中症を防いだり、水分の不足やらで警告が目の前に出たりして、トイレ諸々はしっかり行けるようになるらしい。
なんか、もう色々と力を入れすぎて何が何だか分からないくらい高性能だ。
値段も、軍事利用から下げられた汎用化筐体の解析バージョンとは言え、かなり…うん、高かった。
幼稚園の時から貯めていたお金計60万は、完全に吹っ飛んだ。価格の3割くらいはVR関係ねぇシステムだろ。私のお金を返せ。
人見知りで、心の中や顔を出さないとき以外普通に喋れないから、服や趣味にはほとんどお金はかけていない。
服屋の店員ってどうしてあんなにグイグイくるんだろう。
ペンタブも、クリスマスと誕生日が一緒だから買えただけである。今は中古だとそんなにしないし。
そして、アニメはネットの違h…ンッンン!漫画はまぁ友人の同人誌のお手伝いの代金としてお借りしている。
奴はヤバイ。コアなタイトルだけはかなり網羅している。
当然、お手伝いも部屋の中でペンタブでちまちまとやっており、通信で電子書籍の貸し借りをしてるだけだ。
部屋から出るわけがないだろう?
立派なジャージー族だ。
違う。ジャージ族だ。牛じゃない。
むしろ引き締まっているぞ!
胸部がな(震え声)
…私のそんなどうでも良いことはサイドにずらしておこう。
そして、ついにゲームのロードが終了した。第一陣のプレーヤーは、それはもうソワソワとしているらしいが、犯罪防止のために顔も変えられないしキャラが自分以上の動きをするからといってどういうわけでもないだろうが……。
さて、では友人も待ってることだしログインしますか。
『ZERO FANTASIA GATE へようこそ!』
これは、人見知りで顔を隠さないとまともに会話ができない、コミュ障の私こと古原 夏菜が、ただはっちゃけるだけのVRMMO奇譚である。
発覚、FANTASIAなのにFANTSIAになっていた…orz
指摘ありがとうございます。