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夢観る狭間の創造主  作者: RaiMu。
7/9

悪夢、再び

朝食の席で疑問に思っていたことをアヴァリスにぶつけた。

「空間を操って時間を巻き戻したって話だけど、能力を使った記憶がないんだ。」

「私も巻き戻した際の記憶はございません。ただ、既視感の様にそこまでの事象は断片的に脳裏に残ります。」

アヴァリスは食後の紅茶を入れながら語った。

「つまりは巻き戻した分の出来事は夢になるってことでいいのか?」

「この時間軸のカズヒロ様にとっては、その表現でよろしいかと。」

自分が切り出した質問なのに、難しい方向へ向かっている様な気がした。


「では、カズヒロ様。行って参ります。何かご用が御座いましたら、胸に手を当て、お呼びください。」

「テレパシーまで使えるのか⁈」

驚いてみせると、アヴァリスは微笑みながら、

「カズヒロ様に使える私は、いかなる時も一心同体です。」

と言い残し、ゲートの向こう側へ消えて行った。

その一言だけでも、幾分心が軽くなった気がする。


もし能力を発動して現時点へ巻き戻したのなら、対策をしなければならない。

犯人の顔は愚か、倒れていた女性の姿でさえ記憶に無い。

余りにも手掛かりが少な過ぎる。

そんな考えを巡らせながら、行ったり来たりを繰り返していると、ある事を思い出す。

「あの手記だ!」

しまっていた手記を取り出し、昨夜の続きを読む。

「君と私は予見により、死ぬであろう。決して強欲を望んではいけない。彼女は望んでいないのだから。」

と、綴られていた。

安堵が一転、絶望へと変わってしまった。

背後の扉が開く。


「お前なのか?」

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