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プロローグ3
指を顎に当てて考える仕草をしている。 こいつのおっとりとした性格だ。 どうせそこら辺を歩いていた野良猫と遊んだり、ボーっと考えごとをしたりしていたのだろう。 昔からのんびりとした性格だったのはしっかりと覚えている。
「忘れた!」
便利な言葉だ。
「ま、いいか。 とりあえず無事に再会することができてよかった」
「ロマンチックだね~。 燃える愛だね~」
「断じてそこに愛はない」
断言。
「うーショック」
愛を求めているのだろうか。
「さて、そろそろ行こうか。 凍え死にそうだ」
厚着をしている俺の身体もさすがに限界を訴えかけている。
「そうだね! 行こう!」
俺たちは智子の家へと向かい歩き出した。