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無題

「うーん…これはどうしたものか…」

床にドサッと座り込んでアレクは考え出した。


魔法に役に立つものがほしくて3日3晩寝ずに魔方陣を書いた。

だから今回はとびきりすごいものが出てくるぞ。

と期待はしていたが

「まさか人間を呼び寄せちゃうなんて…確かにとびきりすごいものだったけど。どうしよう。」


その時、ドアの影から小さな体が現れた。

「ニャー」

そう鳴いてあぐらをかいて座っていたアレクの足の間になれた動作で入る。

そして小さくあくびをして頭をおろした。

アレクは無意識にレイの頭を撫でた。

スースと寝息が聞こえてくる。


「還す方法…見つけないと」


力なく呟いた言葉は誰の耳にはいることもなく

虚しく宙に混ざって消えた。



※※※※※


騒がしく部屋から出ていったアレクの姿に驚いて呆然としていた聖だったが、ノエルはいつものこととでも言うように気にしていなかった。


「お茶、冷めないうちにどうぞ」

微笑みながら発せられた言葉で部屋の空気がガラッと変わった。

何とも言えない穏やかな空気が辺りを包み込む。

聖はありがとうございます、とお礼を伝えカップに手を伸ばす。

フーとすこし冷ましてから一口喉に流した。

口のなかに広がる味は紅茶だった。

それは今までのんだ紅茶の中で1番といっていいほどの美味しさだった。

「こんなに美味しい紅茶初めて…」

自然にこぼれたその言葉を聞いたノエルはすこし照れたように微笑んで「お口にあったようでよかったです」と言った。


本当は飲み干したいぐらい美味しかったが、がっついてる姿を見られるのも恥ずかしいので半分ほど残してカップをソーサーに戻した。

「ねこちゃん、どっか行っちゃいましたけど大丈夫ですか?」

「彼はアレクが好きなのでいつもそばにいるんですよ。だからアレクの後を追いかけていったんでしょう。」

「あ、でもこの話しは秘密にしておいてください。本人の耳に入ったら怒られてしまいます」

そういっていたずらっ子のように微笑んだ。


そのいたずらっ子のような笑顔があまりに可愛くて聖はつられて笑った。



※※※※

ノエルは1度席を離れたかと思うとパンのようなものを持ってもどってきた。

ちょうどその時アレクが部屋に入ってきた。

そしてまたドサッとさっきいた所に雑に座る。

ノエルはすかさずアレクの前にパンを配膳するとアレクは礼もそこそこにパンを頬張り出した。

「うーん…どうしようかな。あーこのパンおいしい。やっぱりこれ最高。うーん、どうしようかなぁ」

あっという間にパンを平らげ、置いてあった紅茶をぐいっと一気に飲み干す。

そしてカップをソーサーに戻したと同時に

「調べたいことがあるからちょっと部屋にこもる」

ノエルははいっと返事をした。

そしてアレクは聖の方を向いて

「絶対、元にいた所に還す方法探し出すから」

さきほどとは別人のような態度にとまどいながらも、こんな赤の他人のために一生懸命になってくれるアレクに聖は感動していた。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」と深々と頭を下げた。


いつの間にかそこにいたレイが

小さく「ニャー」と鳴いた。

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