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婚約破棄? ほな聞くけど、浮気する男ってクソやんな?

作者: 湯月 睦
掲載日:2026/09/14

「ミネルバ・クローロリス侯爵令嬢! ただいまを以て君との婚約を、破棄する!」


 バーン! というか、ズギャアンというか、なんか華々しい効果音がつきそうな感じで、こちらに指を突きつけた見目麗しい青年が叫んだ。

 ホールは途端に静まって行く。


 それもそのはず、いまは王立図書館の落成記念の夜会で、何かの見せ物を行う場ではない。

 そのうえ、常識はずれな内容を、これまた常識はずれな場で叫んだのがこの国の第二王子殿下なのだから目も当てられない。


 ミネルバは胡乱な眼で第二王子(敬称はやめた)を見つめた。


 まず浮かんだのは、なぜ、という疑問だった。婚約を破棄されること自体ではない。わざわざ王立図書館の落成記念夜会という、各国の賓客まで招かれた晴れの場で、それを宣言する理由がわからなかったのである。


 ミネルバはするすると人混みを掻き分け、大階段の手前に立つ王子とその仲間たちの前に躍り出た。


「殿下。恐れながら、ひとつお尋ねしてもよろしいでしょうか」

「なんだ」と、第二王子は胸を張った。顔だけは超絶良いけど、ヒョロ男だからぺそぺそして見える。

「わたくしとの婚約を破棄なさる、その理由をお聞かせくださいませ」

「白々しい! 自分の胸に聞いてみるがいい!」

「まあ!」

 ミネルバはわずかに目を見張った。

「生憎と、わたくしの胸は殿下ほど雄弁ではございませんの。どうぞ殿下のお口から、お聞かせくださいませんか?」

 胸元でムギュッと手を組んで寄せて上げると、第二王子の視線はそこに釘づけになる。アホすぎる。

 

 一瞬、ミネルバの胸に鼻の下を伸ばしていたものの、第二王子の様子がおかしいと見たのか、腕にくっついていたご令嬢がクイクイと袖を引っ張った。

 それで我に返ったのか、急にキリリと表情を引き締めると、またもや芝居がかった素振りで糾弾し始めた。

 

「君が私という婚約者を持ちながら、他の男と密会を重ねていたことはわかっている!」

「密会……ですか?」

「そうだ! それも一人ではない。複数の男に色目を使い、夜ごと屋敷へ招き入れていたそうではないか!」

「まあ、それはたいそうなことですわね」

「他人事のように言うな!」

「失礼いたしました」


 ミネルバはゆっくりと瞬きをし、扇子を広げて優雅に口元を覆い隠した。


「では、念のため確認させていただきます。殿下は、わたくしが殿下を裏切り、他の殿方と不貞を働いたとお考えになり、それを理由として婚約を破棄なさる。そういうことでございますね?」

「その通りだ!」

「そのお話は、どなたから?」

「この、清純で愛らしいエリシアからだ!」

 第二王子は隣に立つ令嬢の腰を抱き寄せた。


「彼女が何度も目撃している!」

 ミネルバはエリシアを見た。

 伯爵令嬢エリシアは一瞬だけ身を強張らせたものの、すぐに第二王子へ身を寄せる。


——なるほど?

 

「つまり、殿下は浮気をなさるような人間を、許し難いとお考えなのですわね?」

「当然だ!」

「婚約者というものがありながら、他の異性と()()()()()()なるなど、誠実さに欠ける行為であると」

「当たり前だろう!」

「さようでございますか」

 ミネルバは微笑んだ。

 口元の角度も、伏せた睫毛も、ほんのわずかに傾けた首も、侯爵令嬢として非の打ち所がない。


 そのまま彼女は口を開いた。

「ほな聞くけど、浮気する男ってクソやんな?」

「……は?」

 第二王子が瞬いた。

「ミ、ミネルバ?」

「せやからな、相手おるくせに他の女に手ぇ出す男はクソやんな、言うてんねん」

「何を言っている?」

 

 第二王子は困惑した顔で側近を見る。

 この場において唯一、東方諸国への留学経験を持つ男であった。側近は第二王子にすすっと近寄ると、小声で伝えた。 

「殿下。ミネルバ様はただいま東洋語にて、『婚約者がありながら他の女性と関係を持つ男性は、極めて卑劣な人物であるとお考えですね』と仰っています」

「……あ、ああ。その通りだ」


 うんうん、とミネルバは満足そうに頷いた。

「せやろ? ほんまクソやろ。自分には婚約者おんのに、陰で別の女といちゃいちゃして、好きやの愛してるやの言うてんねやろ? そんなんドグサレ外道やんな」


 第二王子が再び側近を見ると、側近はすんっとしていた。そして一つため息を吐いて口を開く。

「『そのような男性は、誠意も節度も持ち合わせぬ、救い難い人物でございましょう』とのことです」

「う、うむ。いや、待て。なんで大陸共通語で話さないんだ? おい! ミネルバ! 誤魔化すな……」

「しかもな、そういう奴に限ってバレたら言い訳すんねん。寂しかったとか、心が弱ってたとか、運命の相手に出会ってもうたとか。知らんがな。ほな先に別れろや。順番守れや。人間の社会には手順っちゅうもんがあんねん。猿以下か! いや、そない言うたら猿に悪いわな」

「…………」

「殿下」側近が淡々と続けた。

「『いかなる事情があろうとも、まず婚約関係を正しく解消したうえで次の恋愛へ進むべきであり、己の感情を理由として不誠実を正当化することは許されない』との仰せです」

「随分と長く喋っていなかったか?」

「東洋語は、言外の含意がたいへん多い言語でございますので」

「そうなのか」

「左様でございます」


 ミネルバはちらりと側近を見たが、側近は目を合わせなかった。別に喧嘩売るわけでもないのに失礼なことだ。まあ、いい。

 お口が絶好調な内に仕留めなければならない。


「ほんで、自分がやられたらブチ切れるくせにな。自分がやる時だけ『仕方のない事情があったんだ……』て、なんやねん。お前だけの法律か! 股だけ独立国家か」

 側近の眉が、ほんのわずかに動いた。第二王子はその様子を見て、思わずゴクリと唾を飲み込む。

「ど、どうした? なんて言ってる?」

「いえ……」カチャリ、と側近が眼鏡を上げる音が響く。なお大変余談だが、この側近は第二王子の六歳上で銀髪碧眼のインテリ眼鏡である。しかも無茶苦茶美形である。本当に余談だが。


「ミネルバは何と言った?」

「……『己にのみ特別な免責が与えられているかのように振る舞うのは、著しく公平性を欠く』と」

 ミネルバが側近を見て、フッと鼻で笑うと側近は素知らぬ顔で顔を背けた。


「まあええわ」

「いまのは?」

「『通訳を信頼する』とのことです」

「ミネルバ、いい加減に通訳無しで話をさせろ! 色々と進まないではないか。大体お前がな——」

「ほんでな、婚約者の浮気が許されへん言う男が、別の女の肩やら腰やら抱いて婚約破棄宣言しとったら、そら普通こう思うやろ。“お前その女といつからそういう仲やねん”、って」

 第二王子は首を傾げながら、側近に通訳を促す。

 

「……『ところで殿下とエリシア様は、いつ頃から親しくなさったのでしょうか』とのことです」

「なぜいきなりその話になる?」

「重要な確認事項かと存じます」

「そうなのか?」

「左様でございます」


 第二王子は少し考え答えた。

「そうだな……半年ほど前からだ。その頃より、エリシアは私の相談に乗ってくれていたのだ。君との婚約について悩む私を慰め、心から支えてくれた」

 ホールの空気が変わった。

「ほーん。半年ねぇ」

「いまのは?」

「『よく理解した』とのことです」

「それならいいが。彼女とは心が通じ合っている。私たちは互いに特別な感情を抱いていたが、君との婚約がある以上、節度を守って——」

「いや、浮気しとるやないかい!」

 ミネルバの声が、王立図書館の高い天井へ見事に響いた。


「……え?」第二王子が側近を見る。側近は遠い目をした。

「……『それを世間一般では不貞と呼ぶのではないでしょうか』とのことです」

「違う! 私は肉体関係を持ったわけではない!」

「アホか! 気持ち通じ合って特別な感情抱いて、婚約者の悪口言うて慰めてもろて、しょっちゅう二人で会うてて、やることやってへんかったらセーフやと思てんのか! なんやその判定! 浮気検定の採点基準どないなっとんねん!」

 側近が黙る。

「ど、どうした? なんか凄い剣幕だったぞ」

「いえ、いま適切な語彙を選定しております」

「早くしてくれ」

「……『肉体的な関係の有無だけを以て、婚約者以外の女性との過度に親密な交流を正当化することは困難ではないか』と仰っています」


 ハーッと、淑女らしくないため息と共にまたミネルバが話し始めた。

「せやけど殿下すごいな。わたしが浮気したっちゅう証拠は、その女の証言だけなんやろ? 自分が半年かけて心通わせてきた女の証言だけ信じて、婚約者を人前で浮気女扱いして婚約破棄か。ようできるな。わたしやったら恥ずかしゅうて無理やわ」

「……」側近は無言で訳した。今度はかなり忠実だったため、第二王子の顔がみるみる赤くなる。


「それにこの婚約、家同士の話やろ。王家と侯爵家の正式な取り決めやろ。それを王立図書館の落成記念夜会で女連れて、バーンて指差して『婚約破棄する!』で終わる思てんの? 陛下への相談は? 侯爵家への説明は? 違約の話は? 今後の政治的な調整は? なんもしてへんの?」

 

 第二王子は悪いことを言われたことだけは分かった。野生の勘で。

 だからブルブルと怒りで肩を震わせながら側近に命じた。


「早く訳せ!」

「殿下。お聞きにならないほうが」

「いいから!」

「……『本件は王家と侯爵家の正式な契約に関わる事項であり、陛下ならびに両家への事前協議もなく公衆の面前で一方的に宣言する行為は、あまりにも軽率ではないでしょうか』とのことです」

「軽率だと!?」

「ちゃうちゃう」

 ミネルバはにこりと笑った。

「軽率とかいう可愛い話ちゃうねん。アホや言うてんねん」


 側近が笑いをこらえてプルプルし始める。ホール内に他にも東洋語が解るものが居たらしい、小さく吹き出す声も聞こえた。


「おい、……訳せ」

「殿下」

「早く訳せ!」

「『殿下のご判断力について、甚だ重大な懸念を抱かざるを得ない』と」

「何だと?」


 ミネルバはそこで、ふと周囲を見渡した。数百の視線が集まっている。

 各国の大使も、王侯貴族も、図書館関係者も、一人残らずこちらを見ている。

 しん、と静まり返ったホールの中で、ミネルバはゆっくりと瞬きをした。


 それから、口元へ白い指先を添えた。

「……まあ」

 声音まで変わった。

「申し訳ありません。いま東洋語を学んでおりまして…うっかり出てしまいましたわ」

 完璧な侯爵令嬢の微笑みが戻っていた。


 つい今しがた「股だけ独立国家か」と言い放っていた人物とは到底思えない。第二王子は困惑した顔で側近を見る。


「本当に東洋語だったのか?」

「……はい」

「お前、顔色が悪いぞ」

「東洋語は、たいへん表現の豊かな言語でございますので」

「そういうものか」

「そういうことにしていただけますと幸いです」


 ミネルバは優雅にスカートを摘み、正式な礼をした。

「ともあれ、殿下のお考えはよく理解いたしました。わたくしを不実な女と断じ、ご自身については何ら省みるところがない。そのうえ王家と侯爵家の取り決めすら、このような場で一方的に反故になさろうというのですね」

「それは……」

「承知いたしましたわ。婚約()()、結構でございます」

 ミネルバは花のように微笑んだ。

 

「白紙……? 違うだろ! お前有責の……」

「ああ、そうでしたわ」

 思い出したようにミネルバが言った。

「殿下。わたくしからも、ひとつ確認しておかなければ」

「まだ何かあるのか」

「ええ。わたくしが夜ごと屋敷へ殿方を招き入れていた、というお話です」

 エリシアの肩が跳ねた。それを見て、ミネルバはにっこりと微笑む。


「エリシア様。あなたは、それを何度もご覧になったのですわね?」

「え……ええ!」

 一瞬の動揺はあった。けれど、もう後には引けないと思ったらしい。エリシアは第二王子の腕へ縋りつきながら声を張った。


「何度も見ました! 夜遅く、クローロリス侯爵邸へ男の方々が出入りしているところを! 一人ではありません。日によって違う殿方がいらっしゃいましたわ!」

「そうでしたか……」

「だから申し上げたのです! ミネルバ様は殿下を裏切っていると!」

「なるほど、なるほど」

 ミネルバは二度頷き、それから側近を見た。


「なあ、そこの眼鏡」

「はい」

「あら、また東洋語が……大変失礼しました。貴方もいらしたことありますわね?」

「ございます」即答だった。


 第二王子がゆっくりと側近を見る。

「……何? お前が?」

「ですから、クローロリス侯爵邸へは、私もたびたび伺っております」

「なぜだ!」

「王立図書館の蔵書目録編纂のためですが」

「…………は?」

 側近は眼鏡を押し上げた。

 

「この図書館には、クローロリス侯爵家より寄贈された蔵書が一万二千冊ございます。そのうち東方諸国の文献が二千余冊。ミネルバ様には侯爵家を代表し、目録の確認と翻訳監修を務めていただきました」

「…………」

「ちなみに東方文献の担当者は私です」

 

 第二王子の口が開いてまた閉じた。そうして恐る恐る切り出した。

「では、その……夜に屋敷へ通っていた男というのは」

「私を含む編纂委員でしょうな」

 側近は辺りを見回した。

「他にも何名か、この場におりますが」

「ああ、私もだ」

 人垣の中から白髪の老人が手を挙げた。王立図書館館長である。

「私もですな」

 今度は腹の出た中年男性が手を挙げた。王室財務院の書記官だった。

「私も伺ったことがございます」

 細身の青年が続いた。東方語学の宮廷学者である。


 他にも次々と手が挙がった。色男どころか、途中から完全に有識者会議である。

「昼間は皆様それぞれ公務がおありでしたから、どうしても夜にお会いすることが多うございましたの」

 ミネルバが優雅に補足した。


「侯爵邸には作業用のお部屋をご用意し、父も母も家令も侍女も常に出入りしておりました。もちろん記録も残っております」

 エリシアの顔から血の気が引いた。

「そ……そんな」

「ところでエリシア様」

 ミネルバは首を傾げた。

「どうしてあなたは、夜ごと我が家へ出入りする方々をご覧になれたのでしょう?」

「え!」

「我が侯爵邸は、伯爵家から馬車で一時間以上かかりますわよね」

「…………」

「それも、一度ではなく何度も」

「…………」


 ミネルバは微笑みを崩さなかった。

「随分と熱心に、我が家を見張っていらしたのですね?」

「ち、違……」

「しかも、誰が何のために訪れたかは確認せず、男が出入りしたというだけで不貞と断定して、殿下へお伝えになった」

「私は……」

「あるいは」

 ミネルバの扇子が、ぱちん、と閉じた。

「それとも、最初から不貞ということにしたかったのでしょうか?」

 エリシアが黙った。第二王子が、ゆっくりと腕を離して一歩下がる。


「エリシア?」

「で、殿下、違うのです。わたくしは殿下のためを思って——」

 エリシアの顔は青を通り越して白く見える。

 

「そこまでだ」低く美しい声がした。

 割れた人垣の向こうから歩いてきた人物を見て、第二王子の顔からも血の気が引いた。

「兄上……」

 そこに居たのは第一王子だった。外国使節との挨拶を終え、騒ぎを聞きつけて戻ってきたらしい。


「話は概ね聞いた」

「これは、その」

「国王陛下もお聞きになっている」

「…………」

「別室でな」

 第二王子の膝が、かくりと揺れた。第一王子は弟を見て、それからエリシアへ視線を移した。


「王家と侯爵家の婚約を、陛下への相談もなく一方的に破棄すると宣言。侯爵令嬢を証拠もなく公衆の面前で不貞と糾弾。しかも、その根拠となった証言には重大な疑義がある」

「兄上、お待ちください!」

「そのうえ、自らは婚約者以外の女性と半年にわたり互いに不埒な感情を抱いていた、と」

「それは浮気では——」

 第二王子はそこまで言って、止まった。


 ホール中の視線が突き刺さっていた。先ほど自分が何と言ったかようやく思い出したらしい。


「浮気するような人間は、許し難いのでしたわよね?」

 ミネルバが優しく助け船を出した。

 

「…………」

「誠実さに欠ける行為なのでしょう?」

「…………それは」

「当たり前だ、と仰っていましたわ」

「だが…………私たちは……」

 逃げ道まで丁寧に塞がれた。


 側近が静かに眼鏡を押し上げる。

「第二王子殿下」

「なんだ……」

「先ほどのお言葉をお借りするのであれば」

 わずかに口元を緩めた。

「ご自身の胸に聞いてみられてはいかがでしょう」


 一拍。今度こそ、ホール中から笑いと拍手が起こった。


「お前……!」

「失礼いたしました」

 側近は涼しい顔で一礼し、ちゃっかり第一王子の後ろに控える。第一王子は額を押さえていた……が、肩が微妙に震えているので、たぶん笑っている。


「まあ、ともかく」

 どうにか表情を整え、第一王子が告げた。

「婚約破棄については、お前が宣言しただけで成立するものではない。王家からクローロリス侯爵家へ正式に謝罪のうえ、改めて協議する」

「では婚約は——」

「安心しろ」

 第一王子は微笑んだ。

「ミネルバ嬢に、お前との婚約を続けろなどという酷な命令をするつもりはない」

「兄上!?」

「陛下も同意見だ」

 第二王子は絶句した。


「では、ミネルバ嬢」

 第一王子が改めてミネルバに向き直った。

「今宵は王家の者が、大変な無礼を働いた。申し訳ない」

「いいえ。第一王子殿下がお詫びになることではございませんわ」

「そう言ってもらえるとありがたい」

 ミネルバは優雅に一礼した。第一王子はそれを見て、キビキビと騎士たちに命令しエリシアと第二王子を別室へと移動させてゆく。


 これでようやく終わった。

 安堵で身体の力が抜けそうになるのをグッと堪えて背筋を伸ばした。


——婚約も。

——茶番も。

——何より、あの顔だけはいいアホ王子との縁も。


 晴れ晴れとした気持ちで顔を上げる。すると、側近と目が合った。彼は相変わらず涼しい顔をしている。


「それでは、わたくしから申し上げることは、ただひとつでございます」


——さあ、フィナーレはこれでなくちゃね。

 

 そしてミネルバは、晴れやかな笑顔のまま言った。 

「もうお前とはやっとられへんわ」


 騎士に挟まれガックリと項垂れる第二王子は、今度こそ連行されていったのだった。

お粗末さまでした。

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