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神之児戯  作者: 田澤 邑


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柊花の思い

神之児戯ep77

 ――城からの帰り道。


 (いおり)柊花(しゅうか)の事を考えていた。


 あまり、考えない様にしていた。

 思い返せば柊花を村から連れ出す時の父親との様子や、その後に柊花がたまに見せる態度はそれだった。


 だが、この世界を創造したのは俺だ。

 いや、正確には神なんだが、きっかけは俺だ。

 その俺が創造物である柊花と一緒になるなんて事は子供に手を出すようなものだ。

 そんな事が許されるのか……。


 ――庵の屋敷。


 柊花は屋敷の掃除が一段落すると廊下に座って空を見上げながら物思いに耽っていた。


 私の村は都から数里も離れた貧しい村でした。

 作物も育たずその日食べるのがやっとの生活。

 そんな中で鬼に襲われた村は定期的に鬼に生贄を差し出す事を決めました。

 村人が何人か生贄に差し出され、とうとう私が生贄に差し出される日に、庵様は現れました。


 庵様は私と同じくらいの年齢の退治屋で、とても一人で鬼を退治できるとは思えませんでした。

 しかし、庵様は精霊と矮人しか使えない異能を使い見事に鬼を退治して下さいました。


 後に人間も異能を使えるという事を知りました。


 鬼は退治屋が数人がかりでやっと倒せるほど強いらしいのですが、河童の皿や鎌鼬の鎌の様に加工して使える部位が無い為に退治しても報酬は少なく、鬼を命を懸けてまで退治しようとする方もいないらしいです。

 しかし、繁殖力だけは異様に高いので退治依頼が絶える事はありません。

 退治屋は子供の頃に何人か見た事がありましたが、誰もが粗暴で、お金にならない事はしない印象でした。

 ですが、庵様はそんな得にもならない鬼を退治し、その後も村に留まり私達の為に家を建て田畑まで広げて下さいました。


 そんな中、生き延びたものの村で腫れ物扱いされる私が庵様の姿を目で追っている事に気付いた両親は、せめて惚れた男と一緒になった方が幸せだろうと私に村を出ていく庵様に同行する事を提案しました。


 庵様はその申し出を快く受けて下さいました。


 嬉しかった。

 この人と一緒になれる。

 そう思うだけで何も不満はなかった。


 しかし、都に向かう途中で庵様は咲耶(さくや)ちゃんに私をただの連れだと説明していた。

 悲しかった。

 庵様は私を貰ってくれた訳じゃなかった。

 ただ行き場のない私を連れ出してくれただけだったのだと、その時思い知らされた。


 それからも庵様を支えていこうと考えても琴葉(ことは)さんや(すみれ)さんなど綺麗な人が現れる度に庵様にとって私は何なのだろうと私の心は不安になっていった。


 ですが、最近わかったのです。

 庵様は村で腫れ物扱いされている私の境遇を見かねて同行する事を許してくれたのだと、ならば一緒になれなくても、せめて同じ人を慕う菫さんと一緒に庵様をお支えしていこうと。


 そんな事を考えていると玄関の戸が開く音が聞こえてくる。

 急いで玄関まで行くと庵が帰ってきていた。


「お帰りなさいませ、如何でした?」

「ん? ああ」

 庵は桜姫(さくらひめ)に柊花の事を考える様に言われ、柊花に百合(ゆり)の事をどう話そうか迷っていた。

 柊花の気持ちを知った今、百合の事を話せば柊花は悲しむかも知れない。

 それどころか百合に遠慮して身を引いて村に帰るかも知れない。

 だが、今さらなんて言えばいいんだ。


「……庵様?」

「琴葉と咲耶は?」

「お二人とも遊び疲れて今はお休みになっています」

「……そうか」

「……何かございましたか?」

「ん?」

「お帰りになられてから、ずっと難しい顔で何か考えておられるご様子で」

 駄目だ、あれこれ考えていても埒が明かない。


 庵は柊花が本気で自分を心配している様子を見て、あれこれ悩んでいる自分が情けなくなる。

女心なんてわからないから、読んでいる漫画やアニメの女性を思い出しながら書いたけど、どうなんだろ?

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