6 フィーナ・レインバーグ
ついにフィーナが処刑場に着いた。
手は縛られたままだか、兵士は側から離れた。
元婚約者への温情のつもりなのだろう。
「フィーナ・レインバーグ!」
王太子が声を張り上げる。
「お前を処刑する。罪状に心当たりはあるな? 言い逃れをしたいのならば言うがよい。」
「寛大な王太子」を演出しているようだ。
ムナクソワルイ
「特に言うことはありません。私は何もやっていませんから。」
フィーナが澄んだ通る声で答えた。
内心はともかく、処刑寸前の状況にも関わらず、堂々としている。
さすがマリアの親友だと舌を巻いた。
「・・・弁明の機会を与えたのだが、必要ないということか?」
「違います。やっていないことについて話せることはないと言ったのです。
・・・意味の違い、おわかりですか?」
民衆も含めて、会場全体が静まりかえった。
オイオイ、コチラノオジョウサンモスゴイナ・・・
確かに、妹がこのゲーム気にいるわけだ。
すぐ側にギロチンがなければ、堂々と決闘が始まりそうな雰囲気すら感じる。
「不敬罪という言葉を知っているか?」
「『弁明』の意味をご存知ですか?」
首をコテンと傾けながら、フィーナが返す。
そして
「この様な茶番は早めに終わらせましょう。私の罪とは何なのか、皆の前でお話いただけませんか?」
【完結】兄妹そろって断罪中のヒロインの中に入ってしまったのだが
【完結】兄妹そろって断罪されている息子を見守る王様の中に入ってしまったのだが
【完結】兄妹そろってハンターの中に入ったと思ったら俺だけかよ!!
【完結】ざまあ、してみたかった
【完結】ざまあ、してみたかったな2
【完結】ざまあ、してみたかったな3
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