13 証言
周りの反応を見て、王太子は顔をしかめた。
自分が圧倒的に優位な場を作ったはずなのに、逆に追い詰められているのだから焦るのも当然だろう。
「確かに、確たる証拠はないかもしれない。
しかし!
フィーナがレミーのものを壊したり、汚したりしているのを見たという証言があるのだ。」
「なるほど。それは重要ですね。
ちなみに、その証言者は信頼の置ける者なのですね。」
「全て、貴族の令嬢だ。」
「ならば、今、この場にいるはずですね。」
貴族が集まっている辺りを剣で指し示した。
「あぁ。見たところ全員いるようだ。」
「王太子様、自らお話されたのですね。」
「その通りだ。」
「ならば、間違いありませんね。
壇上に上がってもらい、証言してもらっても構いませんか?」
「構わぬ!!」
「では、皆の前で証言をしてもらいましょうか。
・・・ただ、その前にお話を一つさせていただきます。」
令嬢達のいるであろう方向を向いた。
「あなた方の証言に人一人の命がかかっています。
また、私を始め、フィーナを大切に思っている人たちの人生もかかっています。
もし、あやふやな供述、虚偽の供述をされた場合、私はその方々を決して許しません。私とライツヴィッヒ公爵家の全ての力を使って破滅させます。」
「ひぃ!」
声にならない悲鳴が上がった。
「それは脅迫ではないか!!」
王太子が叫んだ。
「違います。私はフィーナに有利な発言をしろと言っている訳ではありません。
人の命がかかっている以上、無責任な証言は許さないと言っているのです。
これは脅迫ではありません。
責任を持った発言を求めるのは、ごく、当たり前のことです。」
「くっ・・・。まあよい。令嬢達よ、壇上に・・・」
ここで爆弾を放り込んでやることにする。
「ちなみに、虚偽の発言はすぐにわかりますよ。
私たち高位貴族には影が常に付き従っていますから。いつ、どこで、誰と会っていたかも全て記録されています。
ですから、くれぐれも確かな証言をお願いしますね。」
今度こそ、完全な沈黙が場を支配した。
だから、何人かの令嬢が、
「聞いていないわ、そんなこと。」
「私、私は何も知らない。」
「こんなことになるなんて・・・」
などと小さな声で呟く声ですら、周りに聞こえてしまっていた。
「マリア嬢!!
影の存在は機密情報だぞ!!」
オヤオヤ。
焦りからか,王太子さん、情報が正しいことを認めちゃったぞ。
「もちろん、存じています。
しかし、そんなことより、私にはフィーナの方が大切なので。」
すまし顔でしれっと言ってやった。
「なんだと!!」
怒りを隠せない王太子。
さらっと無視をして、会場に向けて語りかけた。
「それでは、証言される方は壇上へお願いします。」
それはもう、当然の様に・・・
いくら待っても、誰も壇上には上がってこなかった。
【完結】兄妹そろって断罪中のヒロインの中に入ってしまったのだが
【完結】兄妹そろって断罪されている息子を見守る王様の中に入ってしまったのだが
【完結】兄妹そろってハンターの中に入ったと思ったら俺だけかよ!!
【完結】ざまあ、してみたかった
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