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第四戦 プランB(5)

順調じゃない色んなテストを切り抜けた後、ようやく夜の帳が降りた。

晩ご飯(救難食糧)を食べた部員たちはすでにそれぞれ眠りについて、皆がグランドフロアの大部屋に集まってる。もちろん、女子部員の部屋と男子部員の部屋は別々に分かれてる。ちょっと残念だけど。

あっ、侵入しに行くのが難しいというわけじゃなく、暇がないだけだ。

オフィスを監視に行かなければならないから。

「あと一階かな……」

グランドフロアから最上階まで登るのはやっぱり骨が折れるな。もしエレベーターが使えたら、まだ残った気力で女子部屋へパトロールに行くことができるかもしれないけど。

最後、白銀色のメタルドアの前に止まり、ぎゅっとセキュリティカードを握ってる僕。

入るべきか?それともこのまま帰路につく?ドアを開ける音がかなり大きいから室内にいる人を驚かしちゃう可能性もある。

いや、それは本当の理由ではあるまい。僕が躊躇してるのはそれじゃなく、

オフィスを監視するってことは、芸音を監視することと区別がないのを知っている。

だが、やはりセキュリティカードをまたセンサーに振る。

外の月光は、ドアが開く隙間の広さによって次第に僕の顔に舞い降りてきた。

「あっ……」

ある人影が一番前にあるバルコニーに。ドアの音のせいか相手は振り返った。

いくらかの距離があるけど、あの小柄な体躯を誤認はしなかった。

芸音、髪が依然として解いた状態を保ってる。

「……先輩?」

娘は体をこちらへ向けると同時に、僕はバルコニーに出た。

まるで芸音に何か言いたいように空気を吸い込んだものの、声に転換することができなかった。

まだ僕のことを怒ってるか心配……やばい、あの娘はこっちを見つめてる。

「……私怒りませんから、先輩心配しないでください。あの時はただちょっと緊張しすぎただけです」

「うっ!また当てられちゃったのか」

「ふふ、先輩が自分の本音を隠すのに長じないからね。言いましたよ、昔」

「ほん、本当に恥ずかしい、いつも見抜かれちゃって……」

「でも、先輩自身以外で、多分先輩が他人の秘密に口が堅い人だということを信じてる人は私だけでしょう」

僕の怪訝そうな顔を見つめて、微笑みかける芸音が外の風景に顔を向けた。

今気づいた、彼女の手にシャボン玉液の瓶が握られていることを。

「先輩もシャボン玉が好きですか」

と、芸音がシャボン玉を手にしてふっと息を吹きつけて、多くのシャボン玉は月光に照らされ、枠から誕生してふわふわ空高く舞ってる。

「形と大きさも色々あるし、宙に舞うこともできるし、なんか自由ですね。先輩はどう思いますか」

「うん、確かに美しいけど……」

「でもシャボン玉は自分の様子を決めることもできないし、何処へ飛び去るのかも決めることができないし、それに……」

声のトーンが急に下がって、シャボン玉をしまう芸音、元々宙に舞ってるシャボン玉も消え去ってしまった。

「……自分の本質は一体何だということさえも知りません。それはちょっと残念な気持ちですね」

「げ……芸音?」

再び僕に向いた芸音。その顔は一片の笑みを帯びるものの、どんな活力も宿らないものだった。

「嫌いでしょうね……先輩は、あのツインテールをした私のことが嫌いなんでしょ」

「ぼっ、僕は……」

「話す時もマナーが悪いし、言動も乱暴だし、さらに先輩をこの複雑な状況に引っ張り込むなんて……普通の人だったら、もうとっくに話してくれないですよね」

「でもあれは本当の黒羽さんじゃないだろう」

少しむなしく何度も笑ってから、芸音が手を胸元に当てる。

「もちろん本当の私ですよ、二重人格なんてありませんよ、ただ最近ちょっと忘れがちになります」

「忘れがち?」

「うん、たまに自分が髪を括る時に何をしてたのか忘れたり、さらに時々髪を括ってる時この前誠が言いつけたことを忘れてしまったりとか……」

「それじゃ……」

「本当に二人になってしまうでしょう。精神分裂病にもなるかもしれません」

沈黙の黒い霧が僕たちの間に訪れ、この煙霧は周りの雰囲気を蚕食していく。

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