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第四戦 プランB(3)

「ん……確かに見たのに、君本当に見たことないなんて。まあ、いいわ……」

「あの、どうしてストーカーがもう潜り込んだのを知ってるの」

「ヘプタ・エックスが、アウテック学院の移動式基地に対してかなり興味を持ち、試運転を行う時に中枢回路を盗むという見込みがあるってCIAと理事会調査グループは同時に明らかにした。これは昨晩入った最新情報よ」

「中枢回路って?」

「移動式基地の操縦権を掌握するプリント基板のことよ、それがないとベースを動かすことができないの。そして中枢回路の中に移動式基地について技術やデザインなど書き込んでるし、設計図とも言える。こんなものは海外でどのくらいのお金で売れると思う、戦争も引き起こしかねないわよ」

「でもきっと色んな保護措置があるだろう。どうしてストーカーは必ず試運転の日を選んで行動すると思うの」

「もし最も扱いにくいゴールキーパーがここにいるなら、ストーカーも手を出す勇気がないでしょう」

ゴールキーパーって?Rのことかな。

「この瀬戸際に先生が母国に帰るなんて、ストーカーにはベストチャンスよ。先生はそんなに早く離れてなければ、この情報が入った矢先に先生を止めるわ」

…………

なんか急にRがこんな時に帰るのは、そんな単純なことじゃないと思いついた。

「とにかく、すでにストーカーが潜り込んだのは確信してるわ、さらには部員としてね。君も、あたしも、この中の誰もが可能。監視カメラに撮られると大変なことになるから、駄目なの」

「じゃ、何か計画がある」

「あたしストーカーを逮捕するためにきたの、回路はどうでもいいわ。でもストーカーの意図をはかると、きっと中枢回路を盗もうとする直前に現れるに決まってる。しかし中枢回路はオフィスに取り付けられてるから、部長の許可をもらわないと入れないわ」

「じゃ部長に君の正体を説明すれば……」

「駄目よ。部長に理事会調査グループの人がCIAのエージェントも兼任してることを知られたら、彼は絶対理事会に報告するわ。そしたら、理事会にいる他国の幹部はきっと機嫌を損ねるわ。だから──」

再び、宮部は手を銃の形にする、だが今回はまっすぐ僕に指してる。

「君はあたしの代わりにオフィスの人を監視しなければならない、いやでもね」

威圧感が宿り、宮部の態度には説得力と強引さが融合してる。さすがエージェントだね、人を脅すのが上手だ。

特に説明が要らないね、相手は僕に直接芸音を監視するのを強いてる。

「黒羽さんを疑うのは嫌だとわかってるけど、今度はちょっと本気を出さなければいけないの」

「その推測は間違いだと願う」

「ふふ、片思いを寄せる娘のために庇ってやるってのも男らしさの一種なのね。ちょっと贔屓だと思うけど」

「かっ、片思い?」

「そうよ、ほぼ戦略部の皆が知ってるよ。あたしは部長のことが好きってことより明らかね」

そんな、この前芸音の機嫌を取ったのがそんなに明らかだったのか。道理であの娘にロックされちゃったわけだ。僕自ら災難を招くなんて。

「まあ、もういいわ、あの油を売ってる部員たちを探しに行こう、そんなに長くトイレに行くなんて、きっとこそこそタバコを吸ってるの」

「ちょっと、じゃあつまり今監視室に全然人がいないってこと」

「錠をかけておいたから大丈夫よ」

「それはかけたかどうかって問題じゃないと思う、ストーカーは国際──」

──ストーカーは大部分同じ組織のもとで訓練を受けて操作されてるの。組織の名前はヘプタ・エックス、インターナショナルの犯罪組織よ。

──ハーハイネスを狙う組織は国際犯罪集団だし、知らない人に任せたら行方を暴露される可能性もあるから。

──そう。この前ハーハイネスは海外であるもめごとに巻き込まれて、今狙われてるの。

「どうしたの?そんなに真っ青な顔で?トイレでも行きたいの?」

「いっ……いや、急に用事を思い出したから、先にオフィスへ戻る」

「ええー、でもまだ君と喋りたかったのに、監視室にいるなんてつまらない」

「ごめん!失礼!」

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