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第三戦 MADっていう暮らしの始まり(17)

「ということは、理事会の幹部の娘さんは学校の調査グループの捜査員として、実際に裏で学校の中にいるストーカーと犯罪組織などを調査したりしてるってわけだね」

「ピンポン、大正解。またもう一つ教えよう、あたしの情報によると、もう学校に一人のストーカーが潜り込んでるのよ。もしかしたら今日君と部長を爆死しようとした真犯人かもしれないわ」

「その情報は確かなのか」

「確かなことじゃなかったらお宅にお邪魔しないわ。それにね、このストーカーさんは、さっき言ってた直感っていう能力を持ってるそうなのよ」

「つまり、君は僕をストーカーって疑ってたから、ここに押し入って僕を問い詰めてるわけ?」

「そんなこと言ってないわよ、でもそう言うならいいでしょう。まあ、君は潔白って事実はもうはっきりしたわ」

「何かはっきりって思ってないけど……」

「さっき君がかっこよく『他に誰もいなかった、僕一人だけ』って言った時、もうドキドキしたよ」

「この時節で中央情報局のエージェントをドキドキさせれば自分は潔白って事実をはっきりできるってわけか」

「ふふ、容疑者にこんな特別扱いをするのは多分あたしだけでしょう」

幸いあの国の他のエージェントは君のようなまねをしない、さもないと超大国の国防はすでに極危険な状況に陥ってると思うんだ。

「こんなにたくさん言ったんだから、今あたしがお返しをもらう番。承諾してくれたのね」

「うん、できることなら」

「学校の中に何か変な行動や振る舞いをしてる人がいるかどうか監視して頂戴。いるならあたしに報告すればいいわ」

そんなやつだったら、今僕の前にいるよなあ。ちょっと宮部に注意してやるかどうか迷うけど。

「あたし一人だけでストーカーを探すのは本当に疲れるわ、もし手伝ってくれる密告者がいれば助かるわ」

「それだけでいいの?」

「あ、そうそう。あと、もしできれば、ついでに黒羽さんも気にかけてくれない?」

「黒羽さんのことを?どうして?」

「気づいてないの。黒羽さんは時々銃を身に持ってるの、隠すのがうまいけど」

やばい、もしかして宮部は芸音の秘密に気づいているのか。

芸音の銃はあの娘だけ知ってる体の部位に隠してるはずだと思う。偶然ちらっと見たんじゃなかったら、宮部は人体に武器が隠せるところをかなりはっきり把握してる。

「日本人の高校生は熱血ってことは理解できるけど、一般の生徒がそんな武器で自衛するのは必要ないでしょ」

「そうだったのか……ただのエアガンじゃなかったのか」

「むーん、本当にエアガンならよかったんだけどね。あたしも黒羽さんを疑うなんてしたくないわ、特に今日の事件が起きてからね」

その言わんとするってことは、宮部は芸音が問題あるって疑ってるってことだ。

芸音が柳下を図書館三階へ行かせたかどうか断言できないが、あの娘は僕にあそこへ行かせたのは確かだ。

仮に宮部が取調室で言ってたのはマジだとしたら、確かに芸音は人に疑いを抱かせる──部外者にとっては。

だって芸音はそんなことをするなんて信じられない。

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