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第三戦 MADっていう暮らしの始まり(12)

柳下と一緒に『ナニ!』って声を上げるシンクロ率はもう四百パーセントを超えたかもしれない。

「うん、だから戦略部はそんなにたくさん資源が取れるの。他の企業に援助される部の設備や環境も悪くないけど、戦略部のものはいつもザ・ベストなのよ。感謝してね」

「それってコネじゃないか!」

「あら、何いきまいてるの。この世界は現実的なの、コネで生存する人はいつもいるよ、ただ彼らは認める勇気はないわ。まさか君、コネに頼れないから羨んでるの。それに理事会の捜査員は給料ないし」

正しく、コネに頼る人はあちこちいるけど、こんな風におおっぴらに言う人を見たことがない。

柳下はコネで入るやつをひどく憎んでるって言ってたよな。宮部の言動はまったく柳下の心にある禁忌っていう爆弾に火を点けるようなものだ。

このままじゃこの二人は絶対喧嘩する。早めに戦争まで悪化する前に止めなければいけない。

「おまえが調査グループに入った方式には尊重する、だが……」

太ももが柳下にぎゅっと抓られた。

「おまえが調査グループに入った方式には納得してやる、だが……」

太ももが今より一層強い絞る力を受け、誰かがひき肉機を持ってきたようだ。

「おまえが調査グループに入った方式には意見はねえ、だが……」

爪が犬歯みたいに太ももを掘ってるようだ。彼女は喰い始めてる。

「おっ、俺はコネで優勢を取るなんて好まねえ。これからそんなこと言い出すんじゃねえ」

「フフフ、まさか部長はガールのハートを傷つけることと公正を守ることの間のスペクトルにバランスを取ろうとしてるの。素敵」

いや、ただ隣のビーストに太ももの肉が引き裂かれて噛まれないように守ってるだけだ。気を回すな、お嬢さん。

「……爆発が起きた時、おっ……君はどこにいた」

やばい、ビーストは相手の挑発を受けたみたい。

まるで突破口をたずねるように、逆に宮部を詰問し始めた柳下。

幸い彼女はまだ言い方を改めることを覚えてる。けど、先ほど失った筋肉細胞の価値がなくなってしまうことになるじゃないか。

「おや、あたしを疑うの?安心しなさい、あの時先生たちの本を借りる手続きをしてる最中よ」

「本を借りる手続き?」

「そう。一年生から三年生の先生みんな証人よ、だって彼らは一緒に本を借りにきたもん。本のバーコードをスキャンしてる際に爆発音が聞こえたの」

「でも起爆装置が……」

口を開いたまま、柳下がくいしばった歯を見せながら話しが止まった。宛もプログラムの制御を失った機械のようだ。

その怪訝そうな表情も、くやしそうに変わった。

そう、僕もわかってる。柳下はあることを──

「起爆装置のリモコンの有効範囲は制限されるよ。たとえ一階からコントロールできても、いつお二人が本棚を通るか分からないわ。それに図書館に一階の入り口とカウンターしか監視カメラは設置してないわ。よく図書館に来る人たちなら皆知ってることよ」

両腕を広げて鷹揚に言った宮部。その格好はまったく他人に『あたしは犯人なの。けど残念ながら君たちに立証できないわ』って言ってるみたいだ。

どのような推測も、支える証拠がなければ、役に立たない。

先生に確認するのはかなりたやすい、宮部が嘘をつくはずはないと思う。三階に監視カメラがないのは多分事実だ。リモコンが二階の距離を突き抜けるのも一つの難関だ。さらにあのへんてこな性格、どうよという態度、恐らく宮部は元々起爆装置を押す人じゃない。

「ふふ、遊びはここまで」

椅子を押しのける音に伴って、宮部が満足な笑みを浮かべて立ち上がった。

「お二人を仇に思ってる人がいるかどうか認めない時から、今日の尋問業務はとっくに次に見送りね。ただもっと部長と喋りたいだけなの。もうお帰っていいわよ、そのうちまた連絡するわ」

「待って、俺も質問があるんだ」

共に立ち上がり、僕は宮部の双眸を凝視する。その黒目はちょっと光ってた。

「おまえが俺ともっと喋りたがってるんだね、じゃ俺の番だ。なぜおまえは怯者が三階へ行ってたことを知ってるんだ」

「何?」

「忘れたか。一階で会った時、おまえが言ってた話。怯者が三階にいるのを知ってたような言い方。おまえ、あいつを監視してたのか」

稲妻がぱっと空に現れたような瞬間、宮部の額の筋肉が眉間へ収縮してた。

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