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第三戦 MADっていう暮らしの始まり(4)

高い天井のロビーと西洋風のインテリアデザインが調和的に融合し、図書館の粛然たる空間がすぐ僕を飲み込んだ。ゲートの向こうには一つ一つの大きな本棚で、一番上の棚で本を取るには梯子を使う必要がある。

入り口の近くにあるカウンターにたった一人だけいる。相手は後ろ向きにしてるけど、忙しい様子でもないようだ……

「あら、あなた」

どっ、どうしてこちらに向ける顔が宮部のか。

「部長さんのご来駕をたまわり、何のご用でしょうか」

「み……君はなぜここに……」

「うん?あたしはここでバイトしてもう長いわ。以前部長さんもあたしを見たことあるじゃない」

やばい、そんなことあったのか。これでばれてしまうのか。

「まあ、忘れたのね。ずっと前のことだもん。今日は何の用?」

「ぼ……俺は本を借りたいんだ。手伝ってくだ……くれよ」

宮部は眉を顰めてて、ちょっと僕が下手に柳下の話し方をまねするのに気付いたようだ。彼女はどのぐらいきれるのかわからないが、昨日は芸音に負けたよな。かしこさには。まあ、柳下にはいい勝負だけどな。体が。

タイトルが書かれてるメモを宮部に渡した僕。相手はそれを広げてさっと見た。

「シリーズ作ね。どれを借りたいの」

「シリーズ?」

「はー、一般人が本を借りる時図書コードを覚えない悪習慣ってあたしよく見たわ。でも本がシリーズ作かとうかさえも知らないなんて……今の若者はね……時代が本当に変わったわ。あたしも頑張らなきゃ」

僕も女子高生が今の若者はねって言うのも見たことないさ。時代は本当に変わったかもしれないな。

「いいわ。あたしが手伝ってあげる。部長もこんな欠点があるのね。可愛いー」

カウンターの後方からキーボードを叩いてる音がして、宮部のタイプするスピードがけっこう速いみたい……あのカワイイってどういう意味だ。

「来たわ。三階のCゾーン第十棚に五番目の棚にある。エレベーターで上げて左に行ったら見つかるわ。少し奥の位置に。でも……」

急に相手の声のトーンが下がり、何かを躊躇ってるように頭を撫でてる。

「そこは普段あまり人がいないげど、さっき三階に行った人いるわ。同じシリーズを読んでるかもしれないね。もしあの人があなたの読みたい本を先に取ってたら、喧嘩なんてしないでね」

「ぼ……俺は理不尽な人なんかじゃねえ。そんな無意味な心配は余分だぞ」

「そう?三階行ったら部長さんが考え方を変えてしまうかもよ。人の助言を聞かないなんて駄目よ」

入り口のゲートが開かれ、僕が本で構築してきた世界に踏み込んだ。大量な机がきちんと中央に並べられ、まだ傍らにパソコンで資料を探す生徒らがいる。

エレベーターで三階に来た。色々な絶版本がコレクションするCゾーンはまるで宝探しをする冒険者を待ってる密林のようだ。しかし、エレベーターが開くと僕は入場するのは一人だけなのに気付き、こんな一人冒険隊だとどうしても幾分物寂しさを感じてしまう。

第十棚って宮部が言ってたよね……確かに左にある。ただ今まだ第二棚までに来て、ここの本棚の大きさは恐らくトラックに比べられるな。

本来一階の人数が多くないため、自然に三階の状況は想像できる。先ほどエレベーターを出た時見た掃除のおじさん以外、人影のないここはまったく最高の喧嘩……いや、自習する場所だった。

奥まで来た時、壁に寄せる方から白い光が射してきて、誰か閲覧机を使ってるらしい。どうせ僕と関係ないから、第十棚五番目の棚に行って借りる本が何冊あるかチェックして全部取ったら任務完了だ。

フン、あの後ろ向きにして閲覧机で本を読んでるやつが椅子であぐらをかくなんて、本当にだらしないな。

……おかしい、どうして相手の後ろ姿がなんか見覚えがあるのか。

退廃的と見える髪型というものの、形容できず高潔な佇まいが隠れて、宛もあんなヘアスタイルはまったくその体に現れるべきがないような……相手は男子生徒の制服を着てるけど、あの細やかな両手はちょっと弱々しい……

待ってよ。

あの髪型。

あの髪型は、ボクの髪型じゃないか!

僕の仰天したせいで上げちゃった声に気付いたのか、相手はこちらへ振り返った──

あの顔は、佐野戦嵐だ。

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