第二戦 ゼロ和ゲーム(14)
どうやらこの学校の裏には色んな人知れない秘密が埋もれてるようだな。何か人型巨大兵器とかここの地下に隠してあってもおかしくないよ!
しかし──このすべてが真実だといっても、僕とは一切無関係なんだろう。
「そんなことなんて僕と少しも関係ないじゃないか。君たちは何の権利で無理矢理僕を柳下の護衛なんかに押し付けるんだ」
「バス、体育館」
「はいはいはい!わかった!でもちゃんと説明くらいはしてくれるんだろう」
「実は、芸音がその能力に目をつけたから君を引っ張り込んだんだ。芸音は最近ある危機回避能力を持ってる人がこの学校に転校する予定で、人手不足の問題を解決するためにあの人を柳下の護衛に担当させて欲しいと言ってくれたからだ」
「もし僕が口が軽い人だったら?」
「芸音、コンクリを用意して」
「違いますよ!要するにどうやって僕が秘密を守れる人かってのを確信できるのかってことですよ」
「君は秘密を守れる人じゃなかったら、最初セキュリティカードを床に捨てて君を引き寄せるなんてしないのよ。戦略部の二十人余りの部員で特別に君を選んだから嬉しく思いなさい」
「つまり僕は押し売りされたってわけだな?」
「ずっと何かを任せられるのを積極的に望んでるじゃないか。君は」
知らなかったからだ。君の本当の姿は悪鬼と区別がないのを──芸音が僕の人格を信じてくれるのは嬉しいと思うけど、こんな人を死なせるような方法で引っ張り込むなんて酷すぎる!まだ生保も契約してないのに!
「言っておきますが、僕は喧嘩なんて得意じゃないし、いつでも柳下の傍にいるなんてできないよ」
「そのうち、すべての戦略部員はしばらく一緒に暮らすことになるよ」
「一緒に暮らす?」
僕に眉をひそめ芸音に向きを変えたR。
「この人まだ入学の案内を見たことないの」
「そのようですね。ことによると自ら入学手続きをしていなかったかもしれません。今この人に全部の規則を覚えさせましょうか。たくさん刑具がありますから」
「要らない。血痕が残ったら他の部員を困らせるよ。精神的な手段の方がよいな」
胃が絞られるように痛くなってきた。後で僕は彼女らに何か映像を鑑賞させられるかもしれない。芸音はこちらがBLとかかわるものを見ると即座に気を失うって情報をもう把握してるのかな。
でも、さっき芸音があることを言い当てた──この学校に転校したのは、完全にお袋が一人で用意してくれたことだ。
「怯者よ。この学校で一学期に一回試運転するってのを聞いたことある?」
「この前黒羽さんが言及したことですね。テストという意味なんですか」
「いや。それは一つ一つの部が自分のソウチを試運転するってことだ」
「装置?」
「学校の名前はまだ覚えてるだろうな。英語で綴ろう」
「えーと……A・W・T・E・C。こんな感じかな」
「それは、Advanced weapons test and exhibition centerってフルネームの略語だ。もうわかったよなあ」
ちょっと待ってください。なかなか英語が下手ってばらされたくないから、少し訳す時間をいただくね。
うーん、先進……兵器……試験……それから……展示場?
まっ!待て!何だそれは!
「その顔、もうわかったよね。この学院は世界中の大手企業の技術試験場であり、メインは色んな試験段階の装置を検証して、買い主に展示することだ。普通の学校でも見られる部以外に、たくさんの特別な部は企業によって出資して成立したものよ。ただしその部の部員たちが企業に協力して製品を試運転するのはおきてだ。特別な部の顧問先生は皆企業の代表者で、私もその中の一人ってこと」
「ほっ、他の学生も皆このことを知っていますか」
「もちろん。はっきり入学の案内を読んでないのは君だけだ。入学願書を書く時酔っ払ってたとか」
お袋よ!どうしてこんな大切なことを言ってくれなかったのか!
「一方、試運転する装置は軍事的な価値があるので、買い主は大半国家級の機関である。日本政府はこの学院に管轄権がない。一切の事務は学校の理事会が勤めるのだ」
「いわゆる治外法権みたいなことですか」
「その通りだ」
一般の高校に似てる学業はただの表で、先進的な装置を試運転するのに協力するのがその裏なのか……
どうやら罠にかかったようだ。だからここはこんなにたくさん妙ちきりんな部があるんだ。大手企業の傑作だな、恐らく。




