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第二戦 ゼロ和ゲーム(12)

「ライズ・アンド・シャイン、ミスターサノ。ライズ・アンド・シャイン──」

気味悪い女の声が耳元に切れ切れに響いて、それにより次第に意識を取り戻してきた。

そんな声色はまるで召喚の儀式を行ってるみたい。しばらくして目を覚ますとある女性の使い魔になってしまっているかもしれない。

……

まあ……やはり早く目を開けた方がいい。芸音の使い魔になりたくない。

「あー、やっと目が覚めたね。もう少しで君を火葬場に送るところよ」

「やめてください。そうなったら配達員さんが僕に用事がある時困ってしまうから……」

フンと鼻を鳴らして、芸音は顔を僕の視野の上から逸らしていく。

ベッドから起き上がると、まだ自分が戦略部のオフィスにいることに気付いた。だが、すでに時間が経てた。

外から街灯の光が窓を通り抜けてこちらを照らし、太陽は地球の向こう側へ慣例的な視察に行ったようだ。

「もうこんな時間?どうして僕はこんな長い間寝てたんだ」

「召喚する時間が予想よりかかったから。これは君の肉体と魂の波長が合わないせいなの」

「横暴に隠し扉を押し開けて僕にぶつかって気絶させただろう、君が!」

「フーン、まだ覚えてるね。記憶喪失だったらストーリーがわりと発展的なのに」

「無理に自分の妄想を他人に押し付けないでよ……」

頭のぶつかられたところを撫でながら、もう一度室内を見回す。

すでに柳下の姿は消えてた。

「あれ?柳下は?帰ったの」

と、双目がせんべいのように丸くなった芸音。

「言った!さっき言ったよね!」

「なっ、何をだよ」

「ヤナギカよ!ハーハイネスのことを柳下と呼び始めたのね!この前はずっとアイツと呼んでたのにね」

「だから何だ」

「だから明らかに君は護衛兵って身分を認め始めたということなの。これはいい始まり。そうですね。R?」

気持ちが高ぶってそう言いながら、芸音は向こうのバルコニーへ目をやる。僕の視線も一緒に移していく。

あるポニーテールをしたシルエットがバルコニーの手すりに座って、さらに片方の足首が傍の太ももの上に置いてる。

瞳がバルコニーの光度にだんだん慣れてくると同時に、シルエットに隠された姿が徐々にはっきりしてきた

思わず息を呑んだ。その眼差しと表情と雰囲気が完璧な比率から引き立てられるおごそかな容貌は初見だった。

顔から判断すれば、年齢は二十代くらいものの、体はもう発育完了してる早熟した女先輩のようだ。刃先の如く鋭い目は魂が縛れる力を含み、目を合わせるだけで身動きできないと感じさせる。

相手は口にあるものをくわえてる。多分タバコだ。

「それはどうかな。ボランティア自身の実力と意志をひきうけられなければ、ただいたずらに犠牲者を一人増やすだけだ」

言葉の中に反対できない強さがあって、女性には滅多にない威厳を持ってる。

でも犠牲者なんかになりたくないよ!この点だけは絶対最後まで反対し続けるんだ!

「ただし、もしこの人が本当に君が言う通りの危機回避能力を持ってたら、試してみる価値がある」

言い終わった拍子に、先方の目が攻撃してるように光ってる。

シルエットが自分の右手をぐっと振るが早いか、耳障りなメタル音が響き、一本の真っ黒いものが相手の腕よりこちらへ飛んできた。

彼女の右手は鞭のように伸びていき、なおその手に五つの鋭利な爪が付いてる!

「っ!」

まだ頭が状況を分析する前に、すでに直感があらかじめ体の神経システムを掌握しておく。

相手の爪が宙に浮んでる弾みに、上半身が傍に倒れ、勢いに乗じて僕はベッドからぐるっと転がって、しっかり床に着いた。

かなりかっこいい回避の動作──しかし心臓はもう位置が変わってしまうぐらいばくばくしてる。

ガンと大きく響くぶつかる音がそのあとすぐに反響に伴って耳に入った。相手の手は枕元の手すりに当たったようだ。

「フーン、悪くない。どうやら実力があるみたいだな。あの子が守れるかもしれない」

「こんないきなり攻撃しないでよ!それに一体何を言ってるんですか」

シルエットが奇術のように右手を引くと、すぐにその長い腕は鞭を引っ込めるように素早く元に戻った。

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