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第二戦 ゼロ和ゲーム(7)

柳下元々見てる本は、いきなり情熱的に僕の顔に飛びついてきちゃった。

「おい!何!……」

本を取ったら、すでに彫像より冷たい柳下の顔は目の上に現れた。

ううっ、これは瞬間移動?それとも噂の軽身功か!

「芸音はもうお前にちゃんと座るようと言ったはずだ。なぜまたにょろにょろ動いてるのか」

木琴を叩く澄んでる音をほうふつとさせ、今柳下の声質はまるで気高い息が溶け込むような典型的な少女の声であり、かつて操る男性のボイスはさっぱりなくなった。こんな得難く貴重な声色で人を叱るなんて勿体無い。

「にょろにょろ動いてなんかないよ!ただ少し前に傾いただけじゃないか!それににょろにょろ動くってのは虫だろう」

「おまえは弱虫そのものなんじゃねぇの?」

「籤運が弱いって悪いのか!こんなかすかな動きでも気づくなんて、おまえはずっと僕を観察してたんだろう」

突然、その両目は素早く下がってこちらの瞳と同じ高さに至った。残像が一瞬よぎって、相手は僕へ回し蹴りを仕掛けようとするコマが目に映った。

彼女が足を振る際に、何とも言いようのない力が無理に僕の筋を引っ張る──

「っ!」

それからは、放映中の映像がポーズボタンを押されたように凍結した。

目が真ん丸くなり、信じられない顔で僕の手に見つめてる柳下。あの左太ももは宙に浮いて、足首がベッドに座ってる僕に片手でぎゅっとつかまれてる。

しかし、柳下はびっくり仰天するのに自分が何をするべきかのを忘れたわけじゃなかった。

「ふざけるな!」

ものすごい勢いで足を引っ込め、相手は木でも引き抜けるほど強い引っ張る力を使い、僕の手から脱出するのを図る。

その行動は双方にとっても予想できない結末を引き起こしてしまった。

「うわっ!」

手はその足掻きを放さず、逆にすっかり全身は柳下の足にベッドから引っ張られる。相手の力が強すぎたので、僕は飛び込むように彼女の方向へ倒れていく。

定番的な展開は何度も読んだことあるが、こんなのは僕にとってちっとも実際経験したことなんてないんだよ!

ちょっとでも動かしたら、僕は柳下の太ももを捻ってしまう可能性もある。手が依然として縺れてて相手の足首をしっかりとつかんで、さらにその足を上に高々と持ち上げてる。

「……」

「あっ、あの!本当に自分からじゃないよ!誓うから!……」

「ならば早く手を放せ!人を呼ぶぞ!」

人を呼ぶってのは助けを求めることに違いない!絶対柳下に芸音を呼び戻させないぞ!

取り乱してると、緊張しすぎたので思わず指であの足の裏の何処かをぐいっと押した。

元々口を開けて叫ぼうとする柳下は一瞬、歯をくいしばりながらある弱いものの印象深い呻き声を出してきた。

あの呻き声はただ人間が足の裏で痛みを感じるときの必然的な反応であり、他の意味など全然。間違いないはずだと思うけど。

「っ!」

しまった、柳下は反射運動のせいで自分が頭を後ろに仰いでるのを気づいてないようだ。もうすぐその後頭部は床にぶつかるところだ。

傷付く直前、僕の空いてる手がタイムリーに柳下の頭を支えた。

なぜか分からないけど、自身の意識で手助けをした。

「……」

片手で口を塞ぎ、両目がまじまじと僕を見つめてる柳下は何か言おうとしたのに控えた様子だった。

あの目から見ると、多分こちらの余計な行動が反感を買ったのだろう。でもさ、どうしてあいつは口を塞いだのか?殊更自分の顔を遮ろうとしてるのか。

「おい、放してよ」

「あっ!わ、わるい!本当に……」

「何でもねぇよ、ただテストしてただけだ。どうやら芸音が言ったのはマジだったんだなぁ」

「黒羽さんが?何がだよ」

皆が信じてくれないと思うが──質問して起き上がろうとすると、もう柳下は目の前にしっかり立っていた。

相手はどう立ち上がったり背筋を伸ばしたり姿勢を整えたりしたのか、僕は全然見えてなかった。今見えるのは、その髪を撫でる仕草と彼女の赤みがさした頬である。多分先ほど手で顔を遮る時力が強すぎたんだ。

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