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第二戦 ゼロ和ゲーム(5)

芸音がダンボールの中から一つのフォルダを取って、側面から見ればあのフォルダの書類量はかなり多い。熟練にフォルダを開き、あの娘の指はページをめくる音とともに宙を舞う。

「時間、五日前の午前。場所、アウテック学院体育館の女子更衣室。配役、活発な女子高生たちとロッカーに隠れた怯者が一人。詳細状況──」

「待ってて!誤解だよあれは!」

全部言わせなくても芸音が何の事を暴くつもりなのか分かる。急いでこの悪魔の口を塞いでやらねば!

「あれは先週体育館の倉庫にボールを借りに行こうと思って迷子になって、更衣室に行っちゃって離れようとしたらもう女子たちが入っちゃったから、しょうがなくロッカーに隠れただけだ!」

僕の解釈を聞くと、芸音は顔を上げてはっはっはっと大笑いする。まるで子供向けアニメの悪役が戦いに勝つようだ。

「はっーきりと見てよ」

芸音が手にしたフォルダの裏面を僕の方に向きを変えた。書類の紙は一面真っ白であり、明らかに品質が相当良いパルプを使ったものだ。

ちょっと待って……真っ白ってのは空白に等しい、つまり何も書いてないんだ。

だったら、先ほど芸音が朗読していたのは何なんだ?

──っ!

「ただやたらに言っただけなのに、自分で認めてくれたなんて」

芸音はフォルダを持ち両腕を広げてて、隣の柳下は死んだネズミを見るような目つきでこちらを睨んできた。

「君の過去をさらすつもりはなかったのよ、それは薄情すぎるからね。でも校則違反に関しては見逃せないのよ。特に女性の安全を損なうこと。どうやって風紀委員会に述べればいいと思う?」

「待て!さっき何も言わなかった!君は聞き間違えてるぞ!」

強い態度で否認するのは全く使い道がないようだ。あの娘は平気で制服のポケットからもう一つのものを取り出した。

あれはICレコーダーだと気付くと、芸音は上のボタンを押してよく知ってる知らない声が早速あの赤い小さいケースから流れてきた。

『──あれは先週体育館の倉庫にボールを借りに行こうと思って迷子になって、更衣室に行っちゃって離れようとしたらもう女子たちが──』

「ややややめてよ!もうかけないでくれよぉぉぉ──」

このツインテールを括る娘は悪魔じゃなく、魔王だ!正義を守る勇者はどこだ!

「どう?このレコーダーの内容をばらされたくなかったら、おとなしく命令に従いなさい」

赤髪の魔王はICレコーダーを手にして振り回し、敗将はただ相手の腕の揺れに応じて首を振る。

「……普通の高校生ってわけじゃないだろう。君は一体、何者……?」

まるでこの質問を待つように、劇的にゆっくりフォルダを下に置く芸音。

「梵灯。ジェームズ・ボントウ」

「それはとあるイギリスの諜報員の名前だな!」

「いいじゃない、どうせ彼がいたところに私もいたのよ」

「何処なの?」

腕を組み、芸音が目をしっかり細めて、威圧を含む勢いがその双眸から溢れてきた。

「MI6。軍情報部第6課」

固唾を徐々に喉から呑んでいく。

仮に芸音が嘘をついてないとすると、僕が面する人物は想像を遥かに超えるものだ。

軍情報部第6課、正式名称は秘密情報部である。団体の厳しさと力は世界中にどんな国の情報機関にも負けない。確かにこんな情報機関に属する人はスパイと呼べる。道理で先刻から芸音がずっとスパイって単語を強調してた。

「それで、マジで軍情報部第6課にいたのか」

「そうよ。見学のためにいたよ」

ほら!女子高生の分際で軍情報部第6課の人ってわけがあるか?この赤毛の女の子はホラを吹きすぎだよ。

「しかし、私の後見人の方は本当にMI6で仕事をしてる。あの人からたくさんことを勉強したもの」

──前言撤回。赤髪魔王は自ら深く触れなかったけど、やはり必要な情報を取ってもらう手先がまだいる。

「とりあえず、ハーハイネスを守るのを手助けしてくれて、それに今学期の試運転を終えたら、君を困らせない」

「僕は武道を学んだこともないし喧嘩するのも上手じゃないから、こんな力仕事を引き受けられないよ。そして試運転って何?」

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