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第二戦 ゼロ和ゲーム(3)

「それは嘘だ!」

「ほう、引っ掛かってないのね。ちゃんと入学の案内を見たらしいね」

「マジでこの学校が宇宙人の基地でも、入学の案内に明記するわけがないだろう」

「どうかなあ。ここはスパイ養成学校だから当然偽資料で世間を欺くのはあたりまえなことよ」

「あんな変な資料はただ人を疑がわせるものだ!しかもここの学生たちは精々高校生だからスパイのような複雑な仕事が担当できるものか。そうでなければ大人たちは何のためにいるんだ」

「大人なんて学生が勇者としてる世界では余分なの」

「早く妄想から覚めたら?」

「ひっひっひっ、覚めるべきなのは君の方かもよ……」

かすかな邪気のある微笑みを浮かべて顔を目の前に逸らした芸音。

僕はこんな人格変化に馴染んでない上に、漫画などを研究してるのも信じられない。オタクの言い方にすると、今この娘は裏芸音と呼べばいいんだろうね?

「いっぱい無駄話をしても、機密について何も触れないじゃない?」

「機密は君の隣に」

「となり?」

何か機密みたいなものを見落したのかと思って、僕はつい頭を傍へ向く。まさか隣に何の情報書類がある?あるいは鎖で綿密に縛られる金庫が置いてるのか?

思った通り、壁以外に隣には全く何にもない。依然として椅子に座り本を読んでる柳下だけが──

──ぱっとひらめきが神経回路からのぼってきた。これだ!

「サイボーグ!」

「なに?」

「サイボーグだよ!普段は普通の人と同じだが、一旦戦闘になると力が超強くなり、一人で町を壊滅させることもできる。最も重要なのは少女の姿が一般的である。さっき柳下は機密ってヒントをくれただろう?ならばあいつはサイボーグに違いないんだ!」

バンっ!

銃声ではなく、挙銃は芸音の手から離れて僕の頭のてっぺんに一髪の距離にある壁面の中にはまった。

「バカバカバカバカバカバカバカバカバカバカっ!ハーハイネスはあんな生命力がない人形なんかに似てるのか?寝る時にまだ何かアニメキャラのクッションを抱いてるのか君?それにサイボーグなんてもう廃れたものよ!」

僕のようなアニメに対して理解するだけの人間には、クッションみたいなアドバンスなものを持つわけがない。しかし芸音はけっこう詳しいようだ。おまけに彼女の芝居のうまさで、声優業に従事できると思う。あの一秒に十回バカが言えるテクニックは半端じゃない。

柳下はと言うと、ちっとも無関心な様子に見える。先から今までにわたって同じ姿勢を保っていて、まるで一体のワニスを塗ってない蝋人形のようだ。

「まさにペーストを詰めた石と区別がない頭だね。もしきょうだいがいるなら彼らは絶対悲しくなるよ」

「……」

「何よ?何で急に顔色が悪くなったの?トイレに行きたい?」

「ちっ、違うよ!……っていうか、機密っていったい何なんだよ。隣って何にもないだろう?」

「フン、この事はもう放っておこう。どうせ今日知るのよ……君の今後を先に話そう。所詮君は我々の財産になったんだもの」

「ざっ、財産?」

「そうよ。セキュリティカードを持ってオフィスに踏み込んだ時よりすでに君の心身は戦略部に属することとなり、ただ知らせておかなかっただけ。まあ、今後我々は部員募集のポスターにこの点を明記するね」

まったくサービス料が要るのを事後説明する悪質なレストランと同じだ!この言い訳が!

この二人はこっそりと学校でこんな事をしてるなんて。ひょっとして実際にはこの部は悪徳商法に従事するネズミ講だったりして……

「それと同時に、君は我々の財産のため、全てここの命令などに従う義務があるの」

「ふざけるなよ!これは脅迫だ!断るとしたら?」

「一二二四スクールバス事件」

相手が言い終わったところに、強大な轟きが伴って一閃の稲光が意識の奥に深く貫いた。

バカな!こいつはどうして僕の秘密知ってるのか!

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