第一戦 目には目を(10)
「きゃあああ!」
まだ手が離れてないのに、突然世界が上下に反転する感じで、腕が引き裂かれそうだった。
どう言えばいいのか。多分あの少女に手を攫まれて投げ飛ばされたんだろう。
敵の毒牙にかかってないソファーの上に転落してから、僕が痛みに耐えてくらくらしながら起き上がった。恐らく少なくとも宙に一回転以上回ったと思う。
少女は僕から五歩ぐらい隔たり、細めた目つきと真っ赤になった頬が尽きない怒りと屈辱をもらしてる。彼女が歯を食いしばって、体が縮み上がりバスタオルで胴体をしっかり包んでる。
「おまえ……触ったの……」
「さ、触ったって?」
何なんだよ、このはっきりしない話ばかり言った荒々しい女の子。元々さっきは自ら進んで動いたわけじゃないって彼女に説明したいのに、投げ飛ばされたという心の不快感を少し抑えられないんだな。
マジ乱暴だったよ。今も全身の関節がまだスギスギ痛い……それと比べ、何かに触ったなんかは重要か……
……は!さっき腕に感じたあの二つふわふわなものはまさか……
「卑怯者め!暗殺しようと企む上にセクハラもしやがって!」
むね、バストサイズの計算後の数値は90センチぐらい……バカめ、まだくだらないことを考えてるのかこんな時に!
「いや!待て!説明できるから!さっきのは僕の意思がやったことじゃない!」
しまった。もしコレが広まれば、一生立ち直れないスケベ階級に追いやられるに違いない。友達が作れないのは仕方ないが、痴漢ってレッテルなんて貼られたくないんだ!
僕は速く手を振りながら、悪意がないって示そうと試みる。海賊に追撃される商船の人が白旗を振る時にも多分こういう気持ちなんだろう。
あれ?どうしてとある白い物が視界の中に揺れ動いてるの?まさか本当の白旗か?何も持ってないのに。どうやら僕は幻覚が現れるほど緊張しているみたいだな。
突然、少女の両眼はあるスイッチがオンにしたように、かっと真ん丸くなってきてふらっと体躯が急に震える。
「あっ、あれは!……」
か細い声だというものの、はっきり聞こえるものだった。相手は息を呑んだ途端に瞳が白目にくるっと包まれた。
どうしてあいつはあんな反応が出てるんだ?また何か悪いことをしたのか僕は?手を振ってはいけないのか?
またいろいろ考えてる時、思わず目線が宙に挙げた手に一瞥を投げる──
と、ひもで結べるに見える布が僕の右手に現れ、確かに白い物である。
本当の旗とかなり違いがあるものの、仮の白旗とすることもできるらしい。
なにこれ?何故手にこんなものを持ってるんだ?相手の物かな?……
…………
んなバカな……まさか今しがた投げ飛ばされた時……
「ヒギャアアアアアアアアアア!」
精神崩壊したような痛ましい叫びが少女の口を衝いて出て、まるでホラー映画のキャラが殺される時の金切り声のようだ。彼女は両サイドの髪をつかんで、あの胴体を包んでるバスタオルともタイルにぐったりと横座りした。
こんなに激しい反応を見ると、僕は慌てて『証拠』を後ろに隠した──が、明らかに何の役にも立たないんだ。
じっと睨んできて、涙がたゆたう悲しい眼差しに僕を灰に帰そうとする激しい炎が燃えてる少女。あの口は何かを吐き捨てるようにパクパクしてて、隠見する歯並びの中に一対の尖った牙が後ろに見える。
時間はこの一瞬に凍結された。こんな脆い休戦状態がいつでも破られる可能性があるとわかる。
「コーノーヤーロウー!」
悲鳴が止むと、少女がロングヘアーからあるものを取り出して振って一本の刃を曝した。
バタフライナイフ!本当に命が奪える武器である!
「モノヲカエセェ!」
バスタオルをしっかりつかむ少女が飛び跳ね、まっすぐ僕の方へ金色のライトニングのごとく跳んできた。
生きるため、一か八かやってみるしかない。
バタフライナイフの刃が目先に来たと同時に、僕は考える間もなく両手で敵が武器を持ってる片手をぎゅっと攫んだ。
攻撃の考えがかなり強い。少女の手は僕の抑えから脱出しそうだ。
バーン!
銃声だ!しかも横から聞こえてきたものだ!




