不埒なること!
古代自然遺物であるĒōsの種と、ボイニクスの骨を加工した古代人工遺物であるフォークリングに魔力を注ぎ籠み、貯めに貯めたおかげか随分と神秘的な輝きをしはじめた!
雪が降り続く曇り空だけど、窓辺で光に照らすと種は本当に宝石のように茶色くキラキラと輝く…… 琥珀みたいだな……
ボイニクスの骨は何かの魔物の骨っぽいんだけど、見た目は金属で魔力を大分と含んだのか柔らかな桃色に変色した。
「これ、もうちょいなんじゃね?」
エオスってのが何かわからん!ボイニクスもわからん!
何故か[鑑定]には詳しく出ないしワールの旅の日記にも記載が無いからだ。[※下に理由あり]
レア度が高い物を知るには熟練度[極]では足りないのかもしれない…… それこそ[神]まで熟練度が上がらないとダメなのかも。
ま、でも綺麗だし!指輪の能力も問題ないし、そんな事どうでもいいかな!
でもね…… いざという時に『魔力が足りません』とかなると俺は後悔するだろう…… んー心配だし、もうちょい魔力を籠めてみよう!
せめて雪が溶ける時期まで!
うん、それがいい!
春になってリーナリアにサプライズで指輪を渡す事を考えて俺はニヤニヤする。
「ヒロ!!」
「お!おお!?」
ドバコーンとコテージの扉を勢いよく開けてリーナリアが帰ってきた。
ビクッとして、サッと[延命の指輪]を両手で閉じ込めて隠す。
「…… ヒロ、何か隠した?」
「いや?」
「ウソ!隠したでしょ?エッチなものじゃないでしょうね?」
んわ!めっちゃ力ある!ギチギチとリーナリアが腕力で俺の手を開こうと…… [収納]!
シュン…… !と手の中から指輪がストレージに戻る。
「何もないわね…… ストレージに隠した?」
「もともと何もないって!それより何か用事があるんじゃないの?」
「あ!そうだ!スノーエンドの町長さんがヒロと話がしたいんだって!」
「フォヒュッ!」
俺は思い当たる事があるから変な声を出してしまう。どうやってこんな声出たんだ!?
「…… なに?町長さんと何か悪い事でもするの?」
「いやー?何だろうか?」
なんとか誤魔化そうとするが如何だろうか?
悪い事ではないです!
可愛いお姉ちゃんとジュースでも飲んで楽しく会話とかできないかなぁーとかチラチラと町長さんに話しただけですよ!
「ヒロさんは町の恩人ですし、若いですが…… その見目もよろしいです。あのコテージも即金で支払いするお金もあるようで…… すぐに女の子は集まると思いますよ」
俺、そんな町長さんの言葉信じてた!
俺、楽しみにしてた!
町長マッチングサービスに期待していた!!
しかしだ!うへへ…… と想像して笑ったのが悪かったのだ!
「…… リーナリアなんで付いてくるの?」
「…… なんとなく」
キュッ…… リーナリアが俺の上着の端をつかむ…… 動かない…… だと?
うん、これは…… ダメだなぁ……
「リーナリア、もしかしたら町長さんは何か頼みたいのかもしれないし…… 」
「もしかして…… って何?」
「うひっ!」
あ!上着が破れた!
す、すみません!一緒に行こう!リーナリア!
こうして俺はまた、お姉さんと遊ぶ機会を逃すのか!?ちくしょう!
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町長の家に到着すると、スグにメイドさんに執務室へと案内される。
女の子とのマッチングの話をしないでくれよ!?
そう願いを込めて町長、リーナリア、町長と目をやりバチンとウィンクをする。
おい!首を傾げるな!察してくれ頼む!
そう思いながら執務室の来客用の椅子へと座ると、町長は気まずそうに話をはじめた。
「え!?スタンピードがまた!?」
「はい…… 今朝、スノーエンドの冒険者ギルドで依頼を出したんですが…… また我が町から東に30キロの所で魔物がウヨウヨと集まっているようで…… 」
ベイコクさん倒したばかりなのに、またスタンピード。どうなってんだよこの町は今までよく存続できたな!?
それに何で俺?依頼を出して冒険者に対処してもらいなさいよ!と遠回しに言ったんだけど、、
「スノーエンドには今、まともに戦える冒険者は少ししかいません。衛兵も…… です」
冒険者は行雲流水、雲や水のようにどこにでも流れていく者たちだ。
雪が積もる田舎町であるこのスノーエンドより、都に行き仕事を探すか、大分と前の秋の時期に、中堅でまだ体力がある冒険者なんかは基本的に冬でも魔物討伐などの仕事があるロームン帝国に南下していくという。
「まぁ、この町にいても冒険者に振り分ける依頼は限られています。金が無く雪の中で凍え死ぬよりかは…… と優秀な冒険者は出てしまうのです」
それに兵士もこの町の統治者と共に都市に移動してしまう。
残るのはこの町に実家や家族がいる冒険者や兵士だけ……
「え?詰んでません?」
「はい、かなりヤバいです」
「うーん…… 」
リーナリアは神妙に話を聞きながら、うんうんと頷いている。
この話の流れはアレだ。よし…… よし!町長プレゼンツ、マッチングエロエロ作戦はリーナリアには隠せたぜ!
「ヒロ様、どうか手を貸して下さいませんか?」
「えー?」
ちなみに、冬の間は仕事をしたくないから冒険者証は出していない。あくまでも俺たちはお金持ちの旅人として認識されている。
「ヒロ…… 」
「はいはい、いいですよ。でもちゃんと依頼して下さいね?ただ働きは嫌なんで」
リーナリア、ヒロ何とかならない?って言おうとしたでしょ?リーナリア?ぶへへへ先に言ってやった!悔しい?悔しい?痛たたた!脇肉をつねらないで!
…… マジで…… マジで止めて…… 肉が外れちゃう。
「ホッ…… 良かったヒロさんに受けて頂けて良かったですよ」
「まぁ、冬の間はお世話になりますから」
「はい!それとですね、ちゃんとヒロさんが希望している若い女の子とのマッチングもしっかりと進めていますので、今回の依頼が終わったら楽しみにしておいて下さい!」
…… ピキッ!
「ひぅっ!」
リーナリアが俺の手をキュッと握る…… 握り潰れるからぁ!
「女の子との…… マッチング?」
「ごめんなさい不埒でした許してください!」
この後、俺がリーナリアにどうされたかは…… ご想像にお任せします。
という事でスタンピード殲滅戦の第二ラウンドとなった!!
・エオス eos
曙の女神
めちゃクソ美人なオリンポス神話の女神
光と愛を人にもたらす。
話の中で植物の種となっているが、この種は別の意味の種である。
ティトノスの渇いた『種』と書かれた瓶に入っていたので、異世界の女神が「面白い植物でも育つのかしら?」と勝手に、地球の人や神から忘れられた伝説の場所から持ち帰り異世界の古代文明に授与した。
3つあるのは『種』を3つに切り分けたから。痛い。
光り輝いているのは当のティトノスに地球の神の加護があるから。
つまり地球で呼ぶならSEEDではなくtesticles
女神様は間違えて持ってきたか意味が曲解されたまま異世界で種として定着しちゃったもの。
エオスとティトノスを調べたら意味が分かるエグい仕打ちの地球の神話。
セミになる時に引きちぎれたのか?
[鑑定]で詳しく出ないのは女神様が色々と勘違いしたから。
・ボイニクス 不死鳥 フェニックスの事
地球では地中海に居る大きな怪鳥
フェニキア人のフェニキアはフェニックスからきたという説もある。
異世界にも不死鳥はいるけど、これも地球から女神様がコソッと持って帰った物なので女神様もなんだか分からないけど力を持った綺麗な骨としか知らない。
つまり2つ共に[鑑定]を[神]の熟練度にしても分からない!ざんねーん!ヒロキざんねーん!
エオスの種とフェニックスの骨の指輪…… ヒロキとリーナリアは知らない方がいいですね。




