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さあ、始めるよ

「ところでさ、今更なんだけど……試合って1対4になるわけだよね?ネメシアちゃんたちも支部長さんも全然不安そうに見えなかったし、君は君で処刑なんて言ってたけど、勝てそうってことでいいの?」


 控室にやって来て、あとは出番を待つばかり。そんな中でクーラが聞いてくるのは、ある意味では当然のこと。


「ああ」


 俺としては、そこはまったく問題視していないわけだが。


「ただ勝つだけならどうということもないさ。もちろん侮りはしないし油断もしてやるつもりはないけどな」


 クソ次男と不快な取り巻きたちの試合を思い返し、今の俺を当てはめてのイメージトレーニングは昨夜に散々繰り返した。その結果が今の結論というわけで。


「君がそこまで言うってことは、よっぽど勝算が大きいわけだね。それでさ、ただ勝つだけならって言うからには、ただじゃない勝ち方っていうのもあるわけ?」

「一応はな」


 勝つことを優先し、断念したことでもあるんだが。


 勝つことではなく勝ち方にこだわるとか、お前ごときが何様のつもりだよ?なんてことも思わないではないんだけど、今回ばかりは目をつぶることにしている。


「ちなみにそれって、どんな勝ち方なの?」

「クソ次男はとある事情から、剣に固執しているらしいんでな。俺も剣……というか虹剣モドキで対抗して、その上で完膚なきまでに弄り潰してやろうとも考えてたんだが……」


 ため息をひとつ。


「あいにくと今の俺では無理そうだったんだよ。それこそ、あと5年か10年は鍛錬を続けでもしない限りは、不可能だろうなって思える程度には」

「10年かぁ……。さすがにそれは()()()()無理だよねぇ」

「そういうことだ。勝ち方に固執するあまり負けちまう、なんてのは論外だからな。やらかしてくれやがったことへの報いは、何としても受けさせなきゃならんし」


 本当に不本意ではあるんだけど、そこは妥協するしかない。


「……ネメシアちゃんのために?」

「……ネメシアだけじゃなくて、支部の全員にとっての憂さ晴らしだな。もちろん、俺も含めてだが」

「そっか。……あのさ、ちょっと変なこと言うね」


 ……お前が変なのはいつものことじゃないのか?


 喉元まで出かかった軽口は、とっさに飲み込んでいた。それは、クーラの表情がどことなく寂しげだったから。


「補欠だった君が何の因果か、こうしてこの大会に出場することになったわけだけどさ。もしも私が虹追い人として第七支部に入ってたら……来年は君と一緒にこの大会に出られてたのかな?」

「そうだな……」


 なんだかんだで妄想というのは楽しいものだ。だからそんな仮定の世界を考えてみる。


 クーラが俺と同期で第七支部に来たとしても、大会における支部ごとの定員は変わるはずもなく。ラッツとネメシア、バートとアピスのことを考えたら、俺は枠を譲っていたことだろう。そしてクーラも、なんだかんだで同じ選択をしそうな気がする。


 そうなれば……


「もしかしたら、あり得たかもしれないな」

「そっか」

「ああ。それに……」


 さらにそこから思うこと。


「俺は独り身で虹追い人をやっているわけだが、お前と組むってのもそれはそれで面白そうだと思う。王都を散策したみたいに、お前と見知らぬ土地を旅して。なんてのは、きっと楽しいことだろうな」

「そうだね」

「けど、なんで急にそんなことを?」

「大したことじゃないよ。さっき支部で見た君とネメシアちゃんたちの関係がちょっとだけ羨ましかったからさ」

「そういうものか?」


 俺にはよくわからないんだけど……


「うん。そういうもの」


 クーラにとってはそういうことらしい。


「実を言うと私さ、虹追い人になるっていうのも考えてたりしたんだよね」

「……まさかとは思うがお前、戦いの手ほどきなんかも受けてたりするのか?」


 経験豊富な元虹追い人が知り合いにはいるらしい。そんなクーラであれば、それくらいの隠し玉は持っていてもおかしくないと思えてしまうんだが。


「これでも()()()()()戦えるつもりなんだよ」

「なるほど」


 予想は当たっていたらしい。少なくとも、ウサタマあたりにすくみ上り、逃げ惑うなんてことは無いんだろう。


「まあ私としては今の看板娘生活も気に入ってるんだけどね。そんな、『もしも』を考えちゃうこともあるわけよ」

「……勝手に一人前を自称するなよ。見習い看板娘」

「あはは、バレたか」

「ったく、油断も隙も無い奴め」

「お褒めに預かり恐悦至極。……あれ?」

「どうした?」


 不意にクーラが首を傾げてドアに目をやり、


 バァン!


 次の瞬間、やかましい音と共に蹴破るようにしてドアが開き、


「ほう。逃げ出したとばかり思っていたが、本当に試合に出るつもりだったとはな」


 そこにあったのは、見ているだけで助走を付けてぶん殴りたい衝動がこみ上げてくるような顔。クソ次男ことガユキ・ズビーロと、その不快な取り巻きたちだった。


 ったく、もう少し待ってれば遠慮なくぶちのめしてやれるんだから、それまでは優越感の幻想にでもに浸ってればいいものを。


「おい!こいつの心色は……なんだった?」

「ドブネズミじゃありませんでしたか?」

「そうそう。単独型のゴミみたいな心色ですよね」

「そうかそうか。なるほど、たしかに似合いそうな顔をしているな」


 急に押しかけてきて好き放題をほざきやがるんじゃねぇよクソ共が。


「それで、そのドブネズミに何の用ですかね?控室を間違えでもしましたか?お帰りはあちらですけど?」


 まあ、そんな内心は出さずにおいてやる。


「貴様!単独型の分際でガユキ様に無礼な口を!」


 だというのに、不快な取り巻きたちは気に入らない様子。


「まあ待て。しょせんは下賤なドブネズミだ。礼儀などという高尚なものを知っているはずがないだろう」


 さっさと消えてくれないかな。ウザくてしかたないんだけど。


「ドブネズミよ。最強の心色である風剣に選ばれた私が直々にお前に激励を与えてやろう」


 要らねぇよ。とっとと失せろ。


「せっかくの決勝だというのに不戦勝では、私の偉大さを知らしめることができないのでな。だからお前には、そのための踏み台になる栄誉を与えてやろう。最低でも10秒は耐えてみせろ。あまりに早く終わっては盛り上がらないのでな」


 はいはいそうですかそれはよかったですねさっさと帰れ。いやむしろ土に還れ。んで、ニンジンの肥やしにでもなってしまえ。それなら俺の不戦勝でも妥協してやるぞ。


「要件はそれだけだ。せいぜい頑張るがいい」

「ガユキ様、用が済んだなら、こんなドブ臭いところに居る必要もないですよ」


 ああそうだな。ぜひそうしてくれ。


「まったくだ。臭いが移ってはかなわんからな……ん?」


 そうして、ようやく消えてくれるのかと思った矢先に、クソ次男が何かに気付いたように目を細める。その視線が向く先は俺ではなくて、


「……そこの女。身体つきは貧相だが、顔はまあまあだな」


 野郎……!


 よりにもよってクーラへと、薄汚い目を向けてきやがる。


 たしかにクーラは小柄かつ細身ではあるし、普段は愛嬌の方が目立つとはいえ、たまに憂いなどを見せる時には整った顔立ちをしていると感じさせるところもある。それは事実として否定しない。


 けど、


 クソ次男の目つきがあまりにも不愉快で、半ば無意識のうちにクーラをかばうように立ち上がれば、


「貴様……。何のつもりだ!」


 俺の抵抗がよほど気に食わなかったらしく、そう睨みつけてくる。まあこの程度、双頭恐鬼(エティン)の咆哮に比べたら屁でもないわけだが。


「こいつをゲスな目で見るんじゃねぇよクソ野郎」


 思った以上に俺は頭に来ていたらしい。だからそんな本音をそのまま口にしてしまい、


 マズったか!?


 失態と気付いた時には遅かった。


 クソ次男に対しての敬意なんてゼロどころかマイナスに振り切れているわけだが、ネメシアの例もある。ここは適当におだててでも、さっさと失せてもらうべきだったのに。


「どうやらよほどその女が大事らしいな」


 案の定かよ!?


 嫌らしく口元を歪めてくる。腐った性根にはよく似合う表情だけれども。


「くくく……。治安のいい王都だが、強姦騒ぎが全く無いわけではないということは知っているか?」


 最悪じゃねぇか!?


 クソ次男がどこまでクズなのかは知らん。


 だが……


 クーラの住処もアルバイト先も、第七支部からは遠くない。であれば、居場所を突き止められる恐れは十分にある。それにクーラ自身が多少は戦えるらしいとはいえ、数で囲まれればどうにもならないこともあるだろう。なにせ、このクソ次男には虹追い人の手下が結構な数いるんだから。


 それに何よりも、このゲス野郎はエルナさんの店やクーラの住処に放火をさせるくらい、本気でやりかねない。


「……俺が悪かった。こいつには手を出さないでくれ」


 だから頭を下げることにする。支部長じゃないけど、クーラにもしものことがあった日には、ズビーロ家に殴り込みをかけずにいられる自信は無い。


「やはりドブネズミは礼儀を知らんな」


 勝ち誇った声が腹立たしいが、そこも我慢する。あくまでも優先すべきはクーラの身の安全だ。


「この私に頼むのならば、相応の態度というものがあるだろう?」

「まったくですね」

「土下座くらいはしないとなぁ」

「これだからドブネズミは……」


 クソッタレが……


「……わかりました」

「ちょ、アズ君!?」


 クーラは止めようとしてくるけど、そういうわけにも行かない。


「……薄汚いドブネズミごときが身の程知らずな態度を取ってしまい、申し訳ありませんでした」


 だから土下座をし、クソ次男が喜びそうな言い回しをして、


「ぐあっ!?」


 後頭部に痛み。


「ははは!そうだ。それがドブネズミに相応しい姿だ!お前は私の踏み台でしかないのだよ!そう理解するがいい!」


 言葉通りに、俺の頭を踏みにじっているんだろう。


 土下座すること自体は別になんとも思わないし、この程度なら師匠の拳骨の方がよっぽど痛かった。とはいえ、いい加減相手するのもウンザリしてきたな……


「私の役に立てることを泣いて……ひいっ!?」


 なんだ?


 唐突にウザい声が止まり、何やら情けない悲鳴じみたものが。同時に頭に乗せやがっていた足も離れて、


「な、なななななな!なんだこれは……!?」

「ひいっ……!?」「う、うああっ!?」「ひ、ひあっ!?」


 見れば、クソ次男と取り巻きの全員がうろたえるように挙動不審。顔も青ざめていて、


「ま、まあいい!きょ、今日のところはこれくらいにしておいてやろう!」


 そしてそんな捨て台詞を吐き、股間をおさえて逃げ出すように走り去り、


「「「ガ、ガユキ様ぁっ!」」」


 続くように不快な取り巻きたちも失せていった。


 何だったんだ?


 特に何かが起きたようにも見えなかったんだが。


 あるいは、状況のマズさに気付いたのか?試合直前の対戦相手に暴行なんてのは、たしかに問題大ありな行為だけど。


 もしかしたら誰かが通りがかったのかとも思ったけれど、廊下には何の姿も無し。


「アズ君!」


 はてなと首を傾げていると、クーラが駆け寄ってくる。


「悪かったな。嫌な思いさせちまっただろ?」


 クーラ自身に世話焼きなところがあるとはいえ、甘えすぎてたのかもしれないな、俺は。こんなことなら支部長に付いてもらうべきだったか。


「そんなのどうでもいいから!それよりも頭大丈夫?」

「……その言い方はどうなんだよ」


 心配してくれるのはともかくとして、俺が狂ったような言い回しなんだが。


「痛かったでしょ?」


 そっと踏まれたところを撫でてくれる。


「大したことじゃない」


 これは強がりではなく本心。もとよりそれほどの痛みでもなかったし、撫でられるうちに痛みは完全に消えてなくなっていた。


「……あいつがネメシアちゃんに酷いことしたんだね?」


 俺を気遣ってくれる顔から一転。そうクーラが睨むのは、連中が出て行った先。


「……今のところ確証は無いし、野郎が直接手を下したわけでもないんだろう。けど、十中八九間違いないと見てる」

「そっかぁ……。ねえ、アズ君。君はさっき言ってたよね?今のままだと、あいつを滅茶苦茶に痛めつけて踏みにじるのは無理だって」

「ああ」

「そのことで提案。私ね、短い時間でも集中できるイメージトレーニングの方法を知ってるの。だからさ、それを試してみない?」

「……いや、今からってのはさすがに厳しすぎるだろ?」


 試合開始は目前。刃を付け焼くには時間が無さすぎる。


 クーラだって、今の一件でクソ次男への怒りはますます加速したことだろう。徹底的にやり込めてほしいという心情も理解はできるわけだが。


「そうかもしれないけど……。どの道、上手く行かなくても君に損は無いわけだしさ。ダメで元々、何かの間違いで上手く行ったら儲けもの、くらいの気持ちでさ。ね、お願い」

「……わかったよ」


 嫌な思いをさせちまった負い目もある。


 それに……


 たしかにクーラの言う通りに、ダメでも損は無いんだし。


「じゃあ、椅子に座ってもらえるかな?楽な姿勢でいいからさ」

「ああ」


 そうして言われるままにすると、後ろに立ったクーラはそっと、優しく抱きすくめるように腕を伸ばし、耳元に顔を寄せて来る。


「……これはこれで気恥ずかしいんだが」

「けど、こうするのが一番いいからさ。そこは我慢してもらえない?」

「……まあいいけど」

「じゃあ、始めるよ」


 そう前置いて、


「……さあ、目を閉じて」


 クーラがささやく。トーンの下がったその声は心地よくもこそばゆくて、不思議な気分になってくる。気が付けば、自覚すらないままに俺は目を閉じていて、


「……気持ちを楽にして聴いて。

……ゆっくりと、身体から力を抜いていこうね。

……私の声が耳から吸い込まれていく。

……私の声が全身に染みわたっていく。

……私の声が、君の深いところへ染み込んでいく。

……君の中に溶け込んでいく。

……言葉をひとつ聴くたびに、どんどん身体の力が抜けて落ちていく。

……零れ落ちていく。

……ほら、もう身体はぐったり。

……自分のものじゃなくなったみたいに、ピクリとも動かない。

……動こうとも思えない。

……君はもう動きたいとは思わないの。

……ゆったりと脱力しているのが心地いい。

……声に浸っているのが心地いい。

……そのまま夢見心地で聴いていて。

……今度は頭の力を抜いていくよ。

……ぼんやりと、何も考えられなくなっていこうね。

……私の声に頭の中をくすぐられて、思考がほどけていく。

……ただ、流し込まれる声を聴いていて。

……聴き続けていると、頭の中がふわふわしてくる。

……私の声は心地がいい。

……聴いているだけで幸せ。

……ほら、もっともっと私の声に夢中になって。

……私の声に囚われて。

……私の声の、虜になってしまおうね?

……頭の中が、私の声で満たされていく。

……頭の中が、私の声だけになる。

……君は、私の声で満たされてしまった。

……思考のすべてが消えていく。

……もう、何も考えられない。

……もう、何も考えたくない。

……そして君は私の声以外、何もわからなくなった。

……だから、私の言葉が君のすべて。

……君は私の言葉を素直に受け入れる。

……無条件に受け入れる。

……無抵抗に、受け入れてしまう。

……私の言うがままになる。

……さあ、今度は君の心を奪ってしまうよ。

……君は抵抗できない。

……ううん、抵抗なんてしたくない。

……君は、私に従いたい。

……君は私に従いたくてたまらないの。

……それが君の気持ち。

……それが、君の本当の気持ち。

……もう抑えられない。

……君は、心のすべてを私に奪われたいの。

……我慢なんてしなくていいんだよ?

……さあ、君の望みを叶えてあげる。

……君が望むままに、私に心を奪われてしまおうね」

……ほら、君の心は私に奪われてしまった。

……ここは私の心の中。

……大丈夫、何も怖くない。

……だって、君が望んだことなんだから。

……ずっとずっと、いつまでもいつまでもこうしていたい。

……それが君の望み。

……それが君の願い。

……そして君の心は、完全に私に囚われてしまうの。

……私に抱かれて。

……私に包まれて。

……私で満たされて。

……私に魅かれて。

……私に溺れて。

……私に染め上げられて。

……すべてを私に委ねてしまおうね。

……君はこれから私の中へと溶けていく。

……私と混ざり合ってしまう。

……私とひとつになってしまうの。

……不安なのかな?

……だけど、君は抗えない。

……だって、君はもう私の虜。

……君はもう私のモノ。

……私の言うがまま、思うがままなんだから。

……私に心を揺らされるのがたまらなく幸せ。

……揺らされていると、だんだんと君の輪郭がぼやけていく。

……君と私、その境目があやふやになっていく。

……自分が誰なのか、わからなくなっていく。

……君は誰だったかな?

……ほら、もうそれすらもわからない。

……君は自分が誰なのか、わからない。

……それって、不安だよね?

……不安でたまらなくなってくる。

……だから、君の奥底に深く深く刻み込んであげる。

……君は私、だから君の心は私の思うがまま。

……君は、私の言葉を受け入れる。

……君は、私の心を受け入れる。

……君は、私のすべてを受け入れる。

……君は、私とひとつになる。

……君は、私であることを受け入れる。

……君は、私になる。

……君は、私。

……君は私。

……君は、私になった。

……君は、誰だったかな?

……そう、君は私。

……しっかりと刻み込まれたね?

……それでいいの。

これで準備はできた。




「さあ、始めるよ」

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