心の色は泥団子 虹を捕まえ連れ立って
片田舎の農村に生まれ、ふたりの幼馴染とつるんで悪タレ三昧をやっていた俺――アズールにとっての最初の転機は、引退した元虹追い人に叩きのめされたことだった。餌に釣られる形でその御仁に弟子入りしてから5年。15歳になり、師匠からの許可を得た俺たちは、虹追い人になるために王都にやって来て、心の一部を具現化する能力――心色を手に入れたはいいんだが……。他のふたりがわかりやすく優れた心色だったというのに、俺は「虹色泥団子」などというあまりにもあんまりなもので。それでもどうにか気を取り直し、独り身で虹追い人稼業を始めた矢先、とある騒動の最中に不思議な女性と出会う。その出会いは、きっと俺にとって二度目の、そして最大の転機だったんだろう。これは、そんな俺が求める先を見つけ、至るまでの道筋。
1章 白
心に刻まれたモノ
2020/10/22 20:00
白より出でて、白へと至ることを願って
2020/10/22 20:00
こうして、俺の虹追い人生活はその幕を開けていた
2020/10/22 20:00
悪ガキとして全盛期だった頃の俺でも
2020/10/22 20:00
人並み程度の野心や英雄願望を持って虹追い人を志した身の上
2020/10/22 20:00
農村で悪行三昧をやっていた身としては
2020/10/22 20:00
いつか引退を迎える日には
2020/10/22 20:00
妙な予感とでもいうのか
2020/10/22 20:00
そこにあったのは、『分裂』の文字だった
2020/10/22 20:00
(改)
たまたま相性がよかったんですよ
2020/10/22 20:00
役に立てる自信は無いですけど
2020/10/23 20:00
想起するのはかつての俺
2020/10/23 20:00
それは涼やかに透き通った声質で
2020/10/23 20:00
深い深い悲しみの色
2020/10/23 20:00
クラウリア
2020/10/23 20:00
まるで泥をぶちまけられたように
2020/10/24 20:00
世の中ってのはな、ロクでもない奴ほど長生きするんだよ
2020/10/25 20:00
思い出したいのに、思い出せない
2020/10/26 20:00
誰が人たらしか……
2020/10/27 20:00
2章 赤
完!全!復!活!
2020/10/28 20:00
心の中で何かが跳ねていた
2020/10/29 20:00
長い付き合いになりそうな気がするな
2020/10/30 20:00
この剣を知ってる
2020/10/31 20:00
俺が呆けていて事態が良くなるのであれば、いくらでも呆けてやるところだ
2020/11/01 20:00
ロクでもないにもほどがあるだろ……
2020/11/02 20:00
足手まといよりは、役立たずの方がはるかにマシというもの
2020/11/03 20:00
捕まったら、その時点で終わる予感しかしない
2020/11/04 20:00
どちらかと言えば俺は、身勝手な性分だと思ってます
2020/11/05 20:00
いろいろな意味で長かった夜が明ける
2020/11/06 20:00
本当に、雲の上の話すぎて困る
2020/11/07 20:00
本当にもういい加減にしろよ第一支部のアホ共は!
2020/11/08 20:00
透き通った声が聞こえる
2020/11/09 20:00
ひとりよりもふたりがいい、か
2020/11/10 20:00
お前は……誰なんだ……?
2020/11/11 20:00
ありがとうな、クーラ
2020/11/12 20:00
3章 橙
大小様々な変化はあったわけだが
2020/11/13 20:00
並んで歩くその姿は、不思議と様になっていた
2020/11/14 20:00
その時は、数合わせ兼壁役くらいは引き受けるさ
2020/11/15 20:00
(改)
約束もしてただろ?
2020/11/16 20:00
嘘でしょう!?
2020/11/17 20:00
誓って間違っている
2020/11/18 20:00
話はますますややこしくなった気がするんだがなぁ……
2020/11/19 20:00
不甲斐ない俺を助けてほしい
2020/11/20 20:00
経験に打開策が見当たらないのなら、書物から探せばいい
2020/11/21 20:00
話を聞いていただけなのに酷く疲れた気がする
2020/11/22 20:00
初戦突破の祝杯代わりにでもするか?
2020/11/23 20:00
そんな風にして第七支部を離れる日が来たりするんだろうかな?
2020/11/24 20:00
健全な考えじゃないということはわかっているつもり
2020/11/25 20:00
試合に出ることのない俺なら、多少へばってても問題無いだろうし
2020/11/26 20:00
補欠には補欠なりに、やれることもある
2020/11/27 20:00
俺の考えた最悪がどれだけ甘っちょろいものだったのか
2020/11/28 20:00
足元が音を立てて崩れていく
2020/11/29 20:00
結果良ければなんとやらとでも言えばいいのか
2020/11/30 20:00
さもないと、こいつの命は無いですよ?
2020/12/01 20:00
気分よく礼を言える相手が居るのは幸せ、だったか
2020/12/02 20:00
さあ、始めるよ
2020/12/03 20:00
ご来場の皆様方をガッカリさせずに済んでひと安心
2020/12/04 20:00
俺ごときを再来扱いするなんて、クラウリアに失礼すぎます!
2020/12/05 20:00
その様は、やはりいつもとは微妙に違っているように思えた
2020/12/06 20:00
クーラの指摘、細かすぎるだろ……
2020/12/07 20:00
俺ごときを恋人扱いするなんて、あいつに失礼すぎます
2020/12/08 20:00
4章 黄
まだまだ半人前ですから
2020/12/09 20:00
むしろチョロすぎて心配になってくるぞ
2020/12/10 20:00
クーラにだって迷惑だろうからさ
2020/12/11 20:00
お前だって背は伸びてるんじゃないのか?
2020/12/12 20:00
クラウリア、だったんだな?
2020/12/13 20:00
お前の旅路ってのはさ、俺が隣を――
2020/12/14 20:00
俺は与えられた力でいい気になっていただけなんじゃないのか?
2020/12/15 20:00
俺の成長は果たして真っ当と言えるのか?
2020/12/16 20:00
何様のつもりなんだよお前は!
2020/12/17 20:00
謝罪ってのは義務でやるようなものじゃない
2020/12/18 20:00
語り継がれる英雄の5%か……
2020/12/19 20:00
俺は、クーラにもう一度会って謝るんだ!
2020/12/20 20:00
あのクソ長男はとんでもなくロクでもないことをしてくれやがったな
2020/12/21 20:00
心が折れる、というやつだったのかもしれない
2020/12/22 20:00
俺は、クーラと仲直りするんだ!
2020/12/23 20:00
クーラと仲直りするためには、どうあってもあのニヤケ長男が邪魔だからな
2020/12/24 20:00
俺は……クーラと……なか……なおりを……す……る……
2020/12/25 20:00
クーラ。俺は、お前と仲直りがしたいんだ
2020/12/26 20:00
図書院通いの中で得た知識によればそれは――
2020/12/27 20:00
少しでもクーラが楽になるのであれば応じたかった
2020/12/28 20:00
英雄には知られざる真実あり、ってやつか
2020/12/29 20:00
こんな時、ハンカチのひとつも渡してやれればよかったんだが
2020/12/30 20:00
なんで、お前がそんな思いばかりしなきゃならないんだよ……
2020/12/31 20:00
異世界に呼び付けられていたの
2021/01/01 20:00
そこに宿る感情が強く真実を感じさせていたから
2021/01/02 20:00
辛かったんだな
2021/01/03 20:00
黒髪も似合ってると思うぞ
2021/01/04 20:00
(改)
驚愕の事実と言えるものだった
2021/01/05 20:00
俺は、クーラのことをどう思っているんだろうか?
2021/01/06 20:00
不可解の影にクーラあり
2021/01/07 20:00
知らぬ間にとんでもない恩を受けていたわけだ
2021/01/08 20:00
俺を『超越』させてくれたのも、お前だったんだな?
2021/01/09 20:00
そこはかとなく、嫌な予感がしてきたんだが……
2021/01/10 20:00
たしかに詭弁臭さはあるな
2021/01/11 20:00
別れを告げる時みたい……じゃないか
2021/01/12 20:00
俺にはその権利があるなんてほざくつもりもねぇけど、それでも聞かせろ
2021/01/13 20:00
そのすべてが俺の宝物みたいなものだ
2021/01/14 20:00
……ふざけるんじゃねぇぞ鳥頭
2021/01/15 20:00
……その澄ました面、泥まみれにしてやるからな
2021/01/16 20:00