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第3話 美しい姉妹

 とある城の上階の部屋の窓から10歳くらいであろう幼い少女が外を眺めていた。

 窓の位置と少女の背丈の関係で首から上だけが窓の下から出ている。


 部屋は家具や調度品からこの少女の自室だと思われる。

 家具や調度品どれもが上等な代物で裕福な暮らしを窺わせる。


 少女はこの世に二つと無いだろう非常に鮮やかな美しい赤髪と意志の強そうな金の瞳を持った幼いながら美しく、落ち着いていて賢そうな大人びた少女である。

 衣類も貴族の子女が身に付けてるような代物だ。


 少女が眺めてる先、大分離れたこの城の敷地内を歩くある一団がいた。

 魔術師の集団のようだ。

 周囲にはそれを護衛してると思われる武装した兵士もいる。

 その中心には美しく威風堂々とした長身の男の魔術師がいた。

 その魔術師は永遠たる係累魔術師団の首領であるシュタナート・ジオールである。


 少女は興味深そうに真剣な眼差しでシュタナートを見ていると、後ろから扉を叩く音が聞こえてくる。


「イシュア、入るわよ」


 そう言ってやや急に部屋の中に入ってきたのは20歳前後の若い女だった。

 やはり貴族が着る上等な衣服を身に付け、上品な佇まいの誰もが文句を付けないような美しい女であった。

 

「あ、姉上」


 イシュアと呼ばれた幼い少女は女の方を振り向いて少し驚いた感じで言った。

 2人は姉妹のようだが、美しいのは共通点であるが、あまり似てはいない。


「お父様が呼んでたわよ。ん? 何を見てたのかな?」


 そう言うと女は窓の方まで来て少女と並んで外を見る。


 そして魔術師の一団に気が付く。


「あら、シュタナート様を見てたの。私は何故かちょっと苦手だけど、まあ眺めたくなるような素敵な方だものね」


 この言葉に少女は顔を横に振る。


「まあ、照れてるの。まだ8つになったばかりなのにそっちの方もおませな事ね」


 そういうやり取りをしてるとシュタナートはどうやら視線に気が付いたようで、こちらに向かって手を振る。

 女は優雅に会釈を返す。

 少女の方は慌てて顔を窓の下に引っ込める。


「まあイシュアったら、フフ」


 恥ずかしがるイシュアを見て女は優しい笑みを向けるのだった。


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