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そろそろグルメの方向にいきたい
僕は小さい時から運が良かった。この会社を築いたこともたまたまタイミングが良く成功したことであって、僕の実力ではないと今は思う。配偶者もいて、苦労もさせていない。それが贅沢なことではあっても、僕のこの孤独を埋めるものは何かの答えが出てこない。漢字一文字違えば世間からの聞こえはいいが僕はそうではない。
「社長、今日もお休みですか」
「中原君、僕は君に次期社長を任せたくなった」
「いいから早く出勤して自分のオフィスの掃除ぐらいしてください。社長が持ってきた寝袋は猫ちゃんが使っていますよ」
「君は僕よりも僕の会社のことを考えていて、僕以上に社長の風格がでている。あとその猫は君が拾ってきた猫だろう。好きに使えばいい。僕は少し遠出をしてみようと思っているんだ。」
ブチッ
彼はもう話しを終わらせたかったのか電話を切ってしまった。
彼は何も言わなかったが、これで気兼ねなく旅ができる。