3:屋敷の外へ
暫くして、ようやくリーナさんは満足したらしい。もう陽も傾き、これから月明かりに照らされるであろう時間だ
出かけるのは、明日で決定だろう……。
カチャっと静かに扉が開かれ、ここでの母親が嬉々とした表情を浮かべ、すごい速度で走ってくる。肩を掴まれ、前、後ろとじっくり眺められた。
ダメだ、恥ずかしい。
だって、ここでは母親だって言ったって、山の中に捨てられてたのを拾われただけだし?
そもそも、こっちからすればここは、異世界、なわけで。
まぁとにかく……自分よりか少し歳上な人が好きな俺からすれば年齢的にも、顔とか諸々含めて、好みなわけで……。
元の世界の人間は嫌いだったけど、この人なら、とか思っちゃうわけです。はい。
「レイ、どうしたの?明日はこの服で街に行くわよ!」
「は、はい!母上」
うん、明日か。ならば、この高揚感は、明日の為に取っておくべきだろう。
「レイ、それじゃぁ、また明日」
「おやすみなさい。母上」
そう言って、リーナさんと共に部屋から出て行った。
目が覚める。
窓を見れば、未だ陽は差し込んでおらず暗い。
こう、楽しみで早起きしたのは確か、小学校の修学旅行以来だろうか。
布団から出て、昨夜着せられた服に着替えて部屋の中を何か考えることもなく、くるくると歩き回る。
扉が開く音がして、ターニャさんが入ってくる。
ターニャさんとリーナさんは双子で仕事は1日置きに交換しているらしい。ターニャさんが姉でリーナさんは妹。
ターニャさんは、銀髪にサファイアのような青い瞳でスタイル抜群。
一方のリーナさんは、金髪に綺麗なルビーのような赤い瞳。勿論、スタイル抜群だ。
二人で選ぶなら……ターニャさんだろうか。この家には他にもメイドさんはいるがまだ2人しか名前を知らない。
ターニャさんに連れられ、玄関前に停められた馬車まで来ると、すでに母上が待っていた。
母上に促され、馬車に乗るとターニャさんとリーナさんも対面に座るように乗る。
御者のお爺さんがゆっくりと、馬車を動かし始める。
街に着くまでは、母上とメイドさんとこれから行く場所について教えて貰っていたらあっという間に到着した。
馬車から降りると、あちらこちらから活気のいい若者達が声を張り、口々に客を呼び込んでいた。
亜人はいないのだろうか……と左右を見回してみるがそれらしい人影は見当たらなかった。
母上に連れられ、うちの家ではないにせよ、中々に大きな屋敷の前に着いた。