2:初めての、魔法
横から声が聞こえる。
目を開けようにも何故かうまく開けることが出来ない……。
声は……何を言っているのかもよくわからないし、聞き覚えのない声だが何故か落ち着く。
反対側から高い、まるで子供のような声が聞こえてくる。
兄か姉のどちらかだろう……。
いやまて、俺は確かドラゴンとしての転生を望んだはずだ……。俺の知るドラゴンは卵から出てくるはずだ、そのはずだ……。
なら、今のこれはなんだろうか。まるで、今産まれてきた赤子ではないのか?手を握られている感触はあるしな……。
まぁ、じきにどんな格好してるかも見えることだろうから今置いておこう。
あれから2年の月日が流た。
そして明日は、俺の2歳の誕生日、らしい……。
と言うのもどうやら、俺は山の中に捨てられていた所をこの家族が拾ってくれたらしい。
あいつめ!どうして、山ん中に捨てたんだ!
そして、ありがとう。優しい人!
さて、俺はドラゴンでの転生を望んだが今は人型であることは分かった……。
なら、あの時に望んだステータスやスキル的なのはどうなっているのだろうか……。
ステータスよ!開けっ!
なんて、言ったりすれば見えたりするものなのだろうか?
ただ、あの神。ここの言語を話す聞くまではできるようにしたが何故か書く読むは、自力でやらねばならないらしい。
転生したんだから、お勉強なんてやりたくない!
いや、生きるためには必要か……。
まぁ、とりあえず誰にも見つからないところで、実験してみよう。もちろんここの言語でな!
「ステータスよ。開け!」
ダメか。次だ
「ステータスオープン!」
これもダメか?そうだなぁほかには何があるかな……。
「開けごま!」
ま、普通に考えて無理ですね。はい。
その時視界全体に、ラノベとかで出てくるような画面が出てきた。
おい、開けごまで開くの?やめてくれよ、マジで……。ここの世界の人たちもそういうこと言い出すわけ?
さて、ステータス画面には、名前と身体能力、スキル欄があったが、何を書いてあるのかさっぱりわからん……。ここぐらいはせめて日本語でもいいんじゃないのか?とりあえず、スキルは文字がいっぱい並んでるからまぁ、それなりあるはずだ……。
身体能力系の欄は……よし、数字だけだな。
大体全部、1000ぐらいってところか。何が何を表してるのかは相変わらず、よく分からないけど……。
あれ?一つだけ3000とかいうのがあるな。まぁ、読めるまで置いておこう。
さぁ!お待ちかね。魔法のお時間です!
確かイメージとかをしっかり固めておくんだったかな?
なら、炎からやってみるか……。
イメージはそうだな。焚き火かな?
煌煌と光る炎。乾いた木材を燃やしながらパチパチと……ここだと魔力ってやつかな?
ぱちっ!
うん?目を開けてみると手の平から割と大きめの炎が出ていた。
やばい、びっくりしてつい落としそうになった。
あ、別に落ちないか……。出てるの手の平だし。
ものは試しと、手を横に移動させてみる。
おぉ!炎もしっかりついてきた!これは面白い!もっと試してみよう!
かちゃっ
あ、メイドさんが入ってきた……。そう、メイドさんである。
「れ、れいふぉるど、レイフォルド様……………?」
なんで二回呼ばれたのやら……。あ、この手の炎の事かな?もしかしてダメなやつだったとかそうゆうあれ?
炎はいつの間にか消えてしまっていたが、メイドさんが、走ってどこかへ行ったかと思ったらすぐに戻ってきて、手を引かれ割と大きな扉の前に連れていかれた。
「アンリエット様、お連れ致しました」
「え、えぇ。入りなさい」
はて?どうして母親の部屋に連れてこられたのか。わからん……。
「レイ…………あなた魔法を使ったそうね?」
え、ダメだったのだろうか。とりあえず、見られてるし素直に答えておこうか。
「え、えぇと。はい。炎を手から出しました!」
うん、そのままのことを言ったが反応はどうだろうか……。勝手に使ったからってことで、この家を追い出されるのだろうか。拾われて育ててもらったから仕方ないか。
いやでも、育ててくれたんだから感謝しないとな。
「いい?レイ。魔法というのは本来習わないと出来ないものなのよ」
え?どうゆうこと?でも出来ちゃったもんは出来ちゃったしなぁ。
「母上、それはどういうことでしょうか?」
うん、わからんことは聞いておくに限るな。
「あのね?レイ。魔法を使うには勉強と、詠唱が必要になってくるの」
ふむふむ。それで?
「レイ、その使った炎の魔法。もう一回やってみてくれるかしら」
わからんが、まぁ、やった方がいいだろう。えーっと、さっきとおなじイメージ……。
ぱちっ
「母上、先程もこのようにだしました」
これでいいだろう。
「あなた、今、詠唱は?魔法に関する知識はともかく、詠唱はどうしたのっ!?」
どうしたのだろうか、なんかいきなり取り乱し始めたな……。
「母上、詠唱とは何でしょうか。先程と同じように、やってみたのですが……。これでは、なにかいけないことでもあるのでしょうか?」
「い、いえ。そんなことはないわ。でもね?レイ。魔法士には、まず、幼年魔法士、初球魔法士、中級魔法士、上級魔法士、神級魔法士、龍級魔法士、竜王級魔法士と、7段階あるの。ここまではいいかしら?」
え、なんか多いな。っていうか、神って龍より下なの?転生種族間違えたかな……。あ、返事しないと。
「はい、母上」
「それで今、レイが使ったのは中級魔法に分類されているの。普通は、幼年魔法士として魔法に関する知識を増やしてから、初級魔法士になって、実際にやってみるって流れになってるけど、レイは2段階も飛ばしちゃったようだから、明日から幼年魔法士として、学校に行きなさいっ!」
えぇー……。いや、そんなに専門に使う気ないんですが……。そう、自分で楽しめる程度に使えればそれでいいのだ……。まぁ、育ててもらった手前、反抗なんて出来ないか。
「はい、わかりました。母上。しかし、学ぶともなれば必要なものも出てくるのではないでしょうか」
「あ、それもそうね!なら、いまから街に出て店周りよっ!」
おいおい、なんかいきなり張り切っちゃいないか?幼年って言うぐらいだから、みんな今の俺ぐらいの歳の子供の集まりじゃないのか?
「ターニャ!街に出る準備よ!」
「かしこまりました」
そういって、ターニャと呼ばれたメイドは2人を連れて部屋を出て行った。メイドさん多すぎてまだみんな覚えられないよ……。
「さぁ、レイも外用の着替えをしないと……あっ……」
あっ、ってもしかして、俺は外出用の服ないのか?
「リーナ、今すぐに!分かるわね?」
「は、はいっ!今すぐに!」
おい、メイドさん大忙しだな……。いつもは、掃除、洗濯、食事とかしかやってるところ見たことないのに。俺の今の母親が、メイドさんにここまで使いを頼むことなんて今まで1度もなかったと思うんだが、そこまで俺が街へ出るのにどうしてこう大忙しになるんだ?
1時間ぐらいしたら、リーナさん帰宅。同時に俺、別の部屋へ連れて行かれる。
服の丈合わせだ。別に変なことは考えてないさ。いや、でも少しは考えちゃうかも……。
「レイフォルド様、両手を横に上げてください」
もう黙って言われた通りに淡々とこなすことにしよう……。
「レイフォルド様、ここで少々お待ちください」
うぅ、疲れた。いや多分これからもっと疲れるんだろうが……。
これからも、不定期でやっていきますのでよろしくお願いしますm(_ _)m