表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

~序章~





このような結末を誰が予想しただろうか?



アメリカと中国の両国から計1000発もの核を積んだ長距離弾道ミサイルが発射された。


この2カ国が放ったミサイルは日本の上空を通過し両国の本土に着弾するようで、1000発のミサイルの中には日本に向けて発射されたものは無いというのがせめてもの救いだった。


今のところ日本国内は厳戒態勢を如かれるだけで済んでいるらしい。



「那美・・・」



少女は少年に歩み寄ってくる。



「・・・あなたのGG-01-と私のGG-02 Alpha-を結合させるわ」


「自分の言ってる事の意味が分かってるのか?」



少年の問いに少女は微笑みを返す。


風が少女の艶やかな長い黒髪を優しく撫で、辺りに柑橘系の甘酸っぱい香りを漂わせる。



「・・・えぇ、分かってるわ」


「だったら!!!」



少年は少女を引き止めようと少女の肩を掴んだが既に少女のGG-02 Alpha-と少年のGG-01-との連結が始まっていた。



「・・・なんでだよ?このまま放って置けば日本に危害は及ばないし、あの両国が倒れれば戦争だって終わる・・・」


「・・・だからって・・・関係のない人達を・・・・・・巻き込んでいい理由には・・・・・・ならないでしょ・・・?」



GG-01-との連結が本格化したのだろう。彼女は立っていられなくなり少年に体を預けてくる。



「なんで・・・・・・なんで顔も知らない奴らの為にお前が犠牲にならなきゃならないんだよ・・・」



少年は少女を抱き締め涙声を噛み殺しながら震えている。



「なんでだよ・・・・・・・・・・」



研究所で生まれ育った少年と他人の私利私欲の為に生を強要された少女にとっての『世界』は日本国内だけであった。


少年にとっては自分と少女の『世界』だけが守られれば後はどうでも良かった。


しかし少女は少年の見ていた『世界』のさらに外の、少女達にとって未知の『世界』をも見つめていたのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ