4/4
*4
「ねえ僕のどこが好きなの?」
「いつから?いつから?」
「他に誰が知ってるの?」
…え。
「まーさんには、気まずいってもんが
存在しないんですね…」
存在しない方がいい、けど…。
いいけど!
それをクラスで聞いてくるのは予想外。
「ねえまるさんは知ってるの?」
「あぁまるちゃんは…」
知ってる、って言ったら、
影で何か言われると思った。
今までずっとそうだったから。
「知らないよ。
そんなペラペラ言うわけないでしょ」
嘘をつくのが少し辛い。
本当はまるちゃんも石田も知ってる。
でも。
本当に好きな人には
自分を護る意識が強い。
傷付いた時の代償が大きいから。
いや、ただ単に
まーさんを信用してないだけかな。
「なんだつまんないのー。」
…この人、私が好きになった人の中では
一番デリカシーないな。
それでも、今は一番好きだな。