01:22:43 ハイエナ
少年視点
「へへっ、せっかくこんな面白そうなことになってんだ。大人しくできるかっての」
あん時はあのねぇちゃんに従って待ってやったけど、これはゲームなんだ。だったら、楽しまないとさぁ!
さーて、まずはどうしようか。
「そうだ、あの爆発音って誰かの装置が爆発したってことだったよな」
丁度いいや、今ねぇちゃんに見つかったら面倒だけど、人の死体ってどんなんなんだろ。やっぱ、グロイんだろうなぁ。
やみくもに走ったって時間の無駄だ。そうだなぁ、この広間を中心に探してみれば見つかるかも。早速行ってみよう。
「うひょ~」
あったあった!
ビンゴだ。手間が省けた! こんなにも簡単に見つかるなんてさ!
うわぁ、スゲェ。首から上が無いぜ! 断面ってこうなってんだ。初めて知った。やっぱグロイなぁ。
そうだ写真撮ろう。滅多に見れるもんじゃないからね、記念さ。
それにしても、人間って、死ぬとこんな顔すんのかなぁ? 白目向いて泡拭いて、血吐いて。きったねぇ。それに、鉄クセェや。
「ん? これって、端末?」
男の腕に握ってんのって、端末だ。しかも生きてる。
これって……使えるんじゃない? よし、持っておくに越したことは無いや。ついでに、このボウガンももーらおっと。
ひひっ、悪いとは思わないぜぇ、だって死んじまった奴には人権なんてないからさ。見つけたもんがちさ。
「そろそろ、行こうかな」
此処にいんのもあんまし得策じゃないよね、それに、いざとなればこのボウガンがあるんだ。
楽しくなってきたなぁ! 面白くなってきたなぁ!
信じられなかったよ、最初に見たときは。
でも、苦労した甲斐もあった。
おかげでこんな面白いゲームに参加させてもらったんだから。
感謝しないとね。
あの人たちにはさ!
「確か、2時間経過するまでは戦闘をしちゃいけないはずだったから、2時間経過したら戦闘してもいいんだよねぇ」
決まった。
どんなゲームも最初が肝心なんだ。だから、いま手に武器があるボクは有利なはずさ。
だから悪いけど、ねぇちゃんたちには最初のうちに脱落してもらぉと。
そして、ボクの凄さを、ボクをバカにした奴らに見せつけてやる!
開示ルール
・1:『貴方の両手足、首には特殊な装置が仕掛けられている。これに負荷を与え、尚忠告を無視した場合、首に装着されている装置が爆発する』
・2:『制限時間は97時間。残り時間は端末の最初の画面に表示されている』
・3:『ルールは全部で12存在する。上記に加えて、端末ごとにランダムで3つ加えられている』
・4:『この装置にはそれぞれ制限時間が設けられており、右足:49:00:00、左手:37:00:00、右手:25:00:00、左足:13:00:00、首:01:00:00。までに装置を解除できなければ、両手足には神経性の毒による四肢の自由の拘束。首の装置は爆発する』
・5:『開始から2時間の戦闘を禁じる。もし正当防衛以外の戦闘を行った場合、首の装置を爆発させる』
・7:『このゲームで97時間生存した者は勝者となり、50億円を山分けする』
・8:『ジョーカーが存在する。これは1~13の数字全てに偽装が可能。偽装しているときはその番号のルールを確認することが出来る。ジョーカーは一度番号を変えると六時間の間番号を変更できない。なお、この端末によっての装置の解除は最初の持ち主の身に適応される』
・9:『端末にはそれぞれ、A、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K、の数字が画面に記載されている』
・11:『装置の解除には、解除条件の入力されているチップをインストールした後、条件を満たすことで解除できる』
・12:『この空間内において、己の良心が許す限りは何を行おうと構わない』