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26/50

25:42:19 焦燥

再訪者視点



 「はっ、はっ、はっ……はぁ」


 一時間は探したはずなのに、見つからない。


 「どこにいるの、なずな……!」


 あたしは、目的の子の名を声に出す。だけど、自分の声が壁に反響するだけで、あの子の声は聞こえない。

 不安が募っていく。

 端末を確認しては、先刻の場所を中心として、逆側にいるであろう方向に向かっているはずなのに、いざ向かおうとすれば、扉が施錠されていたり、明らか様な罠で足止めされていた。

 どれもこれも、まるであたしはあちらに行かせないかのように。


 「なんなのよ、もう!」


 いらいらする。

 さっきからずっとそうだ。

 あの時、あの子を守ってあげられなかったことが悔しい。

 しかし、あの出来事は確実にヤツ等の介入してきたことだ。恐らく、あたし達が固まって動いていると、ゲームが面白くならないからだろう。

 どうして、気付けなかったのか。箱の中には、今まで以上にチップがあって、さらにはほぼ全員に回せるだけの種類と数があった。これまでは全然見つからなかった代物なのに、まるで手に入れろと言わんばかりそれはある。

 そして、条件も同様だ。


 「出来るわけないじゃない……」


 あの後、端末にインストールされた解除条件を確認した。


 ――『もっとも行動を共にしたプレイヤーの、最終日での殺害』


 それが、あたしに仕掛けられている首輪の解除条件だった。

 もっとも行動を共にしたプレイヤー。そんなの、なずなしかいない。

 つまりヤツ等は、最終日まであたしがなずなを殺すことをためらいながらも、最後に殺すのかどうかを楽しむというわけだ。実に、悪趣味。

 ただよかったと思えるのは、あの子の全部の解除条件はそこまで難しいものじゃない。首輪も、一日同じ階層に滞在しなければいい話なんだから、階段さえ見つけてしまえば大丈夫よ。


 「それよりも、まずはなずなを探さないと」


 絶対にあの子は助けてみせる。

 あの子を殺そうとするやつはあたしが殺す。

 そしてあの子が誰かを殺すというなら、あたしが代わりに殺す。

 あの子を汚させはしない。


 「待っててね、なずな」


 あたしが死ぬとしても、あの子は元の場所へと帰して見せるから。

 だから無事でいて、なずな。



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