24:10:32 監視する者
三人称視点
「うーん、どうも微妙ねぇ」
暗い部屋、二桁はあるであろうモニタを見ている女がいた。
斧寺桔梗。自称OLである。
彼女はこのゲームのプレイヤーであるが、その手足、そして首には、既に装置は存在していない。
そして、この場所は彼女だけが知る唯一の場所である。
この建物内のあらゆる仕掛けを操作し、カメラを操り様々なところを映し出す。
このゲーム内での『ゲームマスター』という特権を持っているからこそ、彼女はそのようなことが出来た。
「伊菜穂ちゃんと、この和彦君は、お客様にも上々だししばらくは良いのだけれど、やっぱり、多人数で固まって動かれちゃうと厄介だわ」
正面とその右には、別々の場所をモニタは映し出しており、正面には五人の男女が。そして、もう一方のモニタには一人の男と、服を纏っていない女が映っている。
現在のところ右の方は問題が無いのだが、正面の五人は厄介であった。
桔梗の見立てでは、動ける者は桔梗と同じこのゲームの経験者である碧。そして、もう一人はつい先ほど映像でわかったが、撫子という少女だ。それ以外の傭兵と社会人、そして学生に関してはほとんど足手まといと言っても過言ではないだろう。それが彼女の下した判断。
「そうすると、んー、そうねぇ、これなんかどうかしら?」
しばし考えた後、桔梗の口調とコンソールを叩く。その音は、今日の晩御飯を決めるかのような軽さだった。
一つのモニタに新たに映し出された映像。
それを確認して、桔梗は満足げな表情を浮かべる。
映し出されているのは、いくつかのチップに銃器。
そして、五人の仲良しごっこを崩させ、新たな波乱を呼ぶための、仕掛けであった。
・ゲームマスター――運営によって選ばれた運営の息の掛かったプレイヤー。現場での判断は基本このプレイヤーが行う。また、もしこのプレイヤーが退場した時、サブマスターと呼ばれるプレイヤーに権限が委譲される。
・チップ――端末を有利にするデータや、装置を解除するためのデータが入っている。チップ表面には英語によって名前が表示されている。
・桔梗の端末――番号は『5』。
・桔梗の装置の解除条件――首輪:『48時間以内に一階から六階に存在する全ての≪発砲禁止エリア≫に訪れる』。右手:『???』。左手:『???』。右足:『???』。左足:『???』。
開示ルール
・6:『発砲禁止エリアが存在する。そのエリアで発砲を行った場合、首の装置が爆発する』




