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00:04:27 目覚め

主人公視点


1/19 ルールを追加・変更しました

 


 ――君が新しい子か。


 ああ、これは夢か。


 ――中々わたし好みの顔つきに体つきだ。うん、気に入った。


 俺の人生の中で最も地獄であった日の、始まりの日だ。


 ――これからはわたしが君のご主人様だ。


 どうしてこんな夢を視たのかわからないが、夢なら覚めてくれ。


 ――今から楽しみで仕方ないよ。本当に、夜が楽しみだ。


 早く覚めてくれ。お願いだから、早く……早くっ……。


 ――たっぷり、可愛がってやるからな。







 「っはぁっ!?」


 身体は飛び起きていた。

 原因は間違いなく、先ほどまで視ていたあの夢だ。

 額を伝い、顎から一滴の汗が滴り落ちる。相当うなされてたみたいだな。隣に人に迷惑は掛けなかっただろうか。


 「ん?」


 そこで、違和感を覚えた。

 まず、俺の住んでいるボロアパートの一室の天井は木製だ。だが、今視界に映っている天井はコンクリートの天井だった。

 それに、寝ている場所もそうだ。布団を敷いていつも寝ているはずなのに、俺の身体はベッドに身体を預けている。

 つまり、今ここにいる場所は俺の部屋ではないということ。


 「どこなんだ、ここは?」


 辺りを見回すも、あるのは天井と同じ材質の壁と、一箇所しかない金属の扉によって隔てられている出入り口。そして、このベットだけだ。

 拉致か? いや、それは無いはずだ。自分で思うのもなんだが、年中生活費と年間学費を何とかするのに四苦八苦している苦学生である俺だ。財産的なんてものは存在していないのだから、攫ったところで誰にも金を要求できるわけないし、仮に出来たとしても俺に多額の金を払う物好きな偽善者などいないだろう。

 ということは……。


 ――ブッー。ブッー。


 「おわぁ!? な、なんだ? ポケットか?」


 突如振動し始めたポケットに手を突っ込み、振動の原因と思われるブツを取り出す。


 ――ブッー。ブッー。ブッー。


 ポケットから取り出した物を見ると、それは俺の持っているような一昔の折り畳み式の携帯ではなく、接触型の携帯端末だった。

 振動の主はコイツのようだ。

 とりあえず振動を止めるために、接触型携帯端末に唯一あるボタンを押す。

 すると振動は収まり、代わりに一つの画面が映った。

 画面の右上には『96:53:12』と時間が表示されており、一つずつ数が減って行っている。

 画面の左には五つの項目が存在し、上から『Map』、『Rules』、『Ability』、『Ring』、『Memo』と書かれていた。

 とりあえず、『Map』を押してみる。瞬間画面が切り替わり、次に映ったのは大雑把なように視えるが、一定の間隔や幅、広さのある見取り図のようなもの。『Map』と書かれていたということは、おそらくこの建物の構造かもしれない。


 「ん?」


 画面の端に文字が映っていたために視線を向けると、そこには小さく『1F』と表示されており、その右隣には薄らとだが2〜6の数字が確認できる。まさかとは思うが、この建物は六階建てということなのだろうか。

 さすがにこの情報だけで全てを決めつけるの尚早なので、他に現状を理解できる情報は無いかと最初の画面に戻り、『Map』の項目の下にある『Rules』を押す。

 今度も画面が切り替わり、文字が表示されたので目を通し、次の瞬間、そこに書かれていることに驚愕した。


 「嘘だろ……?」


 ・1:『貴方の両手足、首には特殊な装置が仕掛けられている。これに負荷を与え、尚忠告を無視した場合、首に装着されている装置が爆発する』


 ・2:『制限時間は97時間。残り時間は端末の最初の画面に表示されている』


 ・3:『ルールは全部で12存在する。上記に加えて、端末ごとにランダムで3つ加えられている』


 ・4:『この装置にはそれぞれ制限時間が設けられており、右足:49:00:00、左手:37:00:00、右手:25:00:00、左足:13:00:00、首:01:00:00。までに装置を解除できなければ、両手足には神経性の毒による四肢の自由の拘束。首の装置は爆発する』


 ・8:『ジョーカーが存在する。これは1~Kの数字全てに偽装が可能。偽装しているときはその番号のルールを確認することが出来る。ジョーカーは一度番号を変えると六時間の間番号を変更できない。なお、この端末による装置の解除は最初の持ち主の身に適応される』


 ・9:『端末にはそれぞれ、A、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K、の数字が画面に記載されている』


 おおよそ、信じられる内容ではない。特に、『4』の説明など普通ならば論外だ。しかし、この状況では冗談とは思えない。

 この画面に目を通している間に俺は身体の至る所を空いた手で触れ、ここに書かれていることの真偽を確かめようとし、結果的にはここに書かれていることはほぼ真実であると確信できた。

 まず間違いなく、首を除いて装置は視認することは出来、首も触れてみれば金属製の輪っかが俺の首についていた。これが、首の装置であり、爆発するというものだろう。

 さて、これは本当にこの画面に映っていることをしなければいけないのだろうか。

 もしかしたら、相当な暇人が相当な金を使ったドッキリかもしれない。仮に条件などを守らなくても、助かるかもしれない。そうだ。だが、だからこそ、安直な思考に囚われるな。今のは仮であり、可能性の問題だ。どちらかといえば、真実である可能性であるほうが高いかもしれない。そのためには――

 


 「きゃぁぁぁあああああああ!!!」

 「なんだっ!?」


 しかし、俺の思考は突如響き渡った女性の悲鳴によって掻き消された。


開示ルール

・1:『貴方の両手足、首には特殊な装置が仕掛けられている。これに負荷を与え、尚忠告を無視した場合、首に装着されている装置が爆発する』


・2:『制限時間は97時間。残り時間は端末の最初の画面に表示されている』


・3:『ルールは全部で12存在する。上記に加えて、端末ごとにランダムで3つ加えられている』


・4:『この装置にはそれぞれ制限時間が設けられており、右足:49:00:00、左手:37:00:00、右手:25:00:00、左足:13:00:00、首:01:00:00。までに装置を解除できなければ、両手足には神経性の毒による四肢の自由の拘束。首の装置は爆発する』


・8:『ジョーカーが存在する。これは1~13の数字全てに偽装が可能。偽装しているときはその番号のルールを確認することが出来る。ジョーカーは一度番号を変えると六時間の間番号を変更できない。なお、この端末によっての装置の解除は最初の持ち主の身に適応される』


・9:『端末にはそれぞれ、A、2、3、4、5、6、7、8、9、10、J、Q、K、の数字が画面に記載されている』



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