表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/60

修行模様

 俺は、4つあるうちの2つめ修行(?)『第2の修行:獲物落しの場』を受けた。修行の内容は実に簡単。吹き矢で5つある的を打ち落とす。それが成功すれば巻物をもらえる……手はずのはずだ。

「では、制限時間は2分! 矢の数は10個となります! それでは、頑張ってくださぁ~い♪」

イモリさんとはまた違った女性の係員が俺に説明をする。だいたいルールは分かった。吹き矢で撃つ。簡単だ。でも、難しくするためか、最後の1つだけは上下に動いている。

「ふっ……! ふっふっ」

連続で3つを当てる。卓球で鍛えた命中力を舐めちゃ困る。

「おりゃ! ふっ!」

4つ目を当てる。制限時間に目を見ると、残り1分5秒。マジかよ。もう55秒も……って、考えてる暇もないか。

「……――ふっ!……くそっ」

外した。残りの矢を確認。5個。考える時間はない。動いているんだから、すばやく行動、集中する。

「ふっ!」

ダメ。

「ふっ」

マジかよ……。動いてる的って、難しい。射ってから、あっちに着くまでのロスを考えてみよう。

「……」

ダメだ。今まで考えてないから、想像できない。とにかく、

「今だけだ。 ふっ」

一発打ってロスを見つける。

「的が一番上にいったときにやれば真ん中に当る……」

頭で理解できたことを実行する。残りは2つ。できるか? いや、やる! もしダメだったら、チーちゃんに「えっ? やっぱり、トシは私がいないとできないんだぁ!」って馬鹿にされるに決まってる。それだけはいやだ。

「……ふっ」

狙いを見つける。今のもダメ。追い詰められた。もしかすると、アフリカでライオンを目の前にしたシマウマって、こんな気分なのかな?

「………………………………」

今までで一番の神経を口に当てる。タイミングは分かった。あとは、間違えなければいいだけだ。

「――!」

一瞬のタイミングを見て、俺は吹き矢を射た。

「おめでとうございます! 全5個中5個の命中となりました! では、印を押させて頂きます!」

女性はそう言うと、さっき俺が渡したカードにスタンプを押した。

「あっす(ありがとうの意)!」

俺はそう元気良く告げてその場を後にした。つーか、ここの修行場も細部まできっちり作ってある。凄いだろ、これ。

 俺は忍者之里に戻った。そうすると、すでにチーちゃんは待っていた。

「遅かったね。で、成功した?」

ストレートで聞いてくる部分はチーちゃんらしい。

「まぁね。チーちゃんは?」

「もちろん!」

チーちゃんも満面の笑みで俺に返してきた。 ってことは……。

「終わり、だよな?」

「そうだね! イモリさんとこ行こうか」

チーちゃんはそう言うと、イモリさんが指定した副村長の部屋に向った。

「イモリさぁ~ん♪ 終わったよぉ」

「そうですか! では、ここでの戯は終わりとなります! おめでとうです♪ これが今回の報酬となります」

そう言うとイモリさんは500『EDO』を俺とチーちゃんに渡した。

「これは当会場にて使えますので」

イモリさんは言いたいことだけ伝えると、出口に連れて行った。 っていうか、さっき買った『回復薬』って何時使うの? 中身もただの金平糖だし。

「いいじゃん、お土産で♪」

チーちゃんはチーちゃんで2、3個食べてるし。 

 さぁ~て、次はどうしよっかなぁ。 俺は次の体験を考えていた。そして、地図を手にとる。すると、俺の興味を一気に引くものがあった。

『江戸の町並み体験! 江戸時代の住人になって愉しもう!』

いいね。こういう平凡なのが愉しいんだ。

「チーちゃん! 俺、ここ行きたい」

チーちゃんに俺の用件を伝えると、

「いいよ♪」

こうゆうノリの良さは良い人だとおもうんだけどなぁ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ